酒馬鹿三兄弟、次男の岸壁はしご酒

酒は飲んだら飲まれましょう、しかし仲良く。拙い酒と乱暴ポエトリ月夜の酩酊ランデブー

すべて夜に

2014-10-14 17:38:50 | 





夜になる、
俺の精神は萎えてしまう
不愉快な想像力のが消えず
弱い感じになっていく

それで俺は酒を口にして
胸を撫で下ろしたりしていて
夜毎のウイスキーで、無意味に威勢のいいこともあるが
大抵は虚勢だ

それでも朝にはおれの精神は少しあたらしくなる
日毎、太陽に晒される労働で、不愉快な想像力は湧き出る隙もない


そして俺はいつの夜も萎えていく

死んだ猫 幼い娘
終わらない返済、断ち切れない過去
何もかもがおれを弱いものにするが

たとえ虚勢でも
俺はウイスキーを注ぎ、
悪いことには全部蓋をして
忘れるようにする

無実の者とはいかないが
神様おれに押し付けるのはお門違いだ、と
ちょっと歯向かってみる、

そんな感じだ


9年の日々

2014-10-02 08:57:50 | 









生後一か月の猫がおれのところにやってきたのは
冬の終わりの頃だった

メスだった。
か細い声で鳴いたが、威勢は良かった


おれはなんと言うか、パンクスとか
刹那主義とかを思っているくせ
なぜ猫なんか。




どちらかと言えば
鳥は鳥かごから放してやりたかった
犬は野良で吠えていればいいと思ったし

野性というものに惹かれているはずだった


それでも猫を愛した
いたずらに腹を立てたが
嫌いになることは一度もなかった

何の役にも立たない猫の手が
おれの心を掴んだ


かつては、
手放したくない女が何人かいたにはいたが
今はほとんど忘れてしまった



昨日、
9年という日々を過ごした猫が死んだ





おれはしばらくは、
その猫のことを忘れることはないだろう