酒馬鹿三兄弟、次男の岸壁はしご酒

酒は飲んだら飲まれましょう、しかし仲良く。拙い酒と乱暴ポエトリ月夜の酩酊ランデブー

ローラーコースターの日は遠い

2016-01-27 18:37:15 | 





この頃の俺は、寒い朝に早朝ベッドを抜け出し
包まっている猫たちや娘を起こさぬようにドアを開け
外で街を少し走ってみている


朝は食事をせず、
出来のいい紅茶を、
習慣づけて飲んでみる


タバコをやめ
娘の前で極力飲酒を避け、
勉強を見てやっている振りもする


夕食を適度に摂り、早くにベッドに向かい娘と本を読み
また明くる日が来ると言う



健全であればあるほど、
余りある退屈な暮らしにおれは狂わないようにしているが、
正直ストローハットの濃いやつが欲しいと思う夜もある

そんな呪縛の中
少しの夢がどうやら今の救いとなっている

雪で真っ白な世界、
強烈に高く、険しくて人跡未踏の。
そんなで無くていい

山の頂に向かって、息も絶え絶えになるほど
登る夢
を糧にしている
それにその夢はどんな時でも、
それに年老いても、色あせる事の無い

巡礼のような道のりだ


娘を寝かしつけた後の妄想の靄のなかで
ほんの少しのテキーラを口にして
また眠りにつき、
また朝起きて、

それは少し微笑ましい












アンダーカバー

2016-01-22 17:33:34 | 






葉子は
俺に酒の飲み方を指南する、可愛いセラピストのように。

健康的に飲んでいますか。
たしなみを持っていますか?



節度と言うものと無縁の男に、
健康的な酒が飲めるものか、
それは自信がないが、

医者にもお酒が体調のすべてを狂わせていますね
と言われれば、
言い返す気も確かになかった




俺が狂っているのとしてそれが、
酒のせいならば
喜んで酒なんかやめていい
飲まないことで正常になるのなら
代償なんか求めない。が、


しかしそいつもまた間違いだろう



俺は狂わない為に
一つのグラスを抱いてソファーに寝そべっている

ウォッカの瓶がこの世から全て無くなったら
俺はなにかに向かって叫び続けるだろう
きちがいのように。

プラシーボさえ無いこの世の中で、


ただ一つ葉子にも俺にもわかることは有るとして。


子供を持つ身になった俺は親になり
どうやら命が惜しいと思うようになった
健やかに生きることも知った、かもしれない。

娘とのささやかな楽しみに夜を費やすのも厭わないと思った
過度の酒がその夜を妨げる


であれば、
俺は酒を注意して飲むようになるだろう



葉子の進言は
時宜を得ていたという事だ