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ユニバーサルサービスについて改めて考える

2017-09-10 21:52:00 | NTT民営化
国鉄の民営化は組合潰しだった・・・こうした一言だけで考えてよいのか。
そして、仮にJRの経営形態をどのような形にすべきかを考える時、鉄道はユニバーサルサービスと言えるのか否か?と言う視点から改めて考えてみる必要があるかと思います。
すなわち、鉄道事業が地域の人たちにとって欠くことのできないものであれば、多少の負担をもってしてもそのインフラを維持していく必要があります。
概ね高速道路建設の理由等してあげるのは地域活性化のために高速道路は必要であり地域インフラであるという言い方がなされます。
それでは、しかし、道も公共インフラですが拠点間を結ぶだけの高速道路を地域インフラと言うのはどう考えても無理があるように思います。
ということで、改めて高速道路は地域インフラなのかと言う視点も含めて改めて検証したいと思いますが、今回はNTTにおけるユニバーサルサービスというものについて改めて知識の整理をしたいと思います。
そもそもユニバーサルとは?

電話料金の請求所などを見ていますと1電話番号あたり2円と言った書かれていると思います、すべての電話番号に対して付加されているもので、携帯電話・固定電話を問いません。

総務省のホームページにユニバ―サルサービスについて下記のように記されています。
全文そのまま引用します。

 国民生活に不可欠な通信サービスである、加入電話(基本料)又は加入電話に相当する光IP電話、第一種公衆電話(総務省の基準に基づき設置される公衆電話)、緊急通報(110番、118番、119番)は、日本全国で提供されるべきサービスとして、基礎的電気通信役務(ユニバーサルサービス)に位置づけられています。

注:加入電話に相当する光IP電話は、2011年に追加されたもので、加入電話並みの基本料金(月額)で提供されるものが対象となります(詳しくはこちら)。


この制度は、平成18(2006)年度からスタートしており、初年の2007年1月から12月のユニバーサル料金は、7円/月だったようです。
何故ユニバーサルサービス制度が始まったのか?

電電公社が民営化された頃、電話通信はNTTの独占事業であり、新規参入電話会社は主に専用線サービスからスタートし、その後、一般加入者電話のサービスも始めましたが引続各家庭への電話に接続するにはNTTの電話回線網を利用せざるを得ませんでした。

しかし、携帯電話の急速な普及等で加入電話の加入率は激減しました。
下図参照


固定電話は加入者が半数まで減少してしまいました、それまでは加入者電話の基本料から、公衆電話)、緊急通報(110番、118番、119番)にかかるサービスの負担をしてきたのですが、これが困難となってきたのです。
毎月の収入が減少したのに、支出が減らないと生活が立いかなくなるのと同じ理屈ですよね。
そこで、NTTとしても公衆電話の撤去などを行いますが、公衆電話は総務省の設置基準というものがあり、闇雲に廃止するわけには行きません。
その基準は、下記のようになっています。
再び、総務省のページから全文引用させていただきます。

総務省の基準に基づき設置される公衆電話

社会生活上の安全及び戸外における最低限の通信手段を確保する観点から、市街地においては概ね500m四方に1台、それ以外の地域においては概ね1km四方に1台という基準に基づき設置される公衆電話(第一種公衆電話)をいいます。



というように勝手に儲からないからと言って撤去するわけにはいかないのです、例えば駅などでも、今までは10台20台と有った公衆電話がたとえ1台であっても残さなくてはならないわけです。
また、こうした公衆電話の場合自然災害以外にいたずら等による破損も考えられますからそうした場合の修理費用なども当然のことながら電話会社の負担となってきます。
結果的に、NTTだけが民営化されたとはいえ、数多くの足かせがあると言う状態におかれていました。
そこで、NTTにばかり負担させるのではなく広く通信事業者で負担していこうと言うことで、制度が構築されて行きました。
これが、通信におけるユニバーサルサービス制度でした。
ユニバーサル料金の変遷は下記の通りです。

<過去の1電話番号あたりの番号単価>

2007年01月~2007年12月:7円/月
2008年01月~2009年01月:6円/月
2009年02月~2011年01月:8円/月
2011年02月~2011年12月:7円/月
2012年01月~2012年06月:5円/月
2012年07月~2014年12月:3円/月
2015年01月~2016年06月:2円/月
2016年07月~2016年12月:3円/月

2011年以降はIP電話にもその対象が広がったこともあり、ユニバーサル料金は減少傾向にあり、2007年当時と比べると半額になっています。

ユニバーサル料金制度の仕組み

制度の概要を改めて総務省のイラストから引用します。



簡単に書けば、通信事業者20社から一度に集めたユニバーサル料金を一度プールして改めてNTT東日本・西日本に配分する形となります。

鉄道の場合、拠点間輸送がユニバーサルサービスなのか。地方交通がユニバーサルサービスなのか…そうした点を含めて考えるべきではないかと思います。
一部の地域だけは恩恵を受けて、一部の地域は恩恵を受けないわけですから。
ということで、次回は高速道路と鉄道についての比較(公共投資なども含めて)検証していきたいと思います。

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