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国鉄の民営化と郵政の民営化その違いを検証する

2017-04-13 23:27:00 | 国鉄民営化
久々にこちらのblogも更新させていただきます。
私は、国鉄での勤務経験はありませんが、郵便局、その後近畿郵政局に勤務して国鉄とはきわめて近い現業を経験させていただきました。
ここでは、私の郵政時代の経験などから郵政と国鉄の民営化における比較論を書いてみたいと思います。

郵政と国鉄民営化その似て非なるもの
国鉄は臨調が引き金に、郵政はアメリカの外圧が引き金に?

国鉄は、毎年1兆円近い赤字を発生させるということから抜本的な改善が必要ということから民営化議論はスタートし、分割ありき。民営化ありきでその論議はスタートしました。
当時の臨調の答申では、国鉄の場合当初から全国を一律に管理するのは無理があるから分割しましょう・・・ということが最初に出てきます。
しかし、実際には本来国が面倒を見るべきであった特定人件費(満州鉄道の従業員など、他に復員者や、海軍・陸軍の技術者)等も国鉄が受け入れたわけで、こうした人たちの人件費は特定人件費として国が責任を持つべき分野でした。
まぁ、郵政の民営化はアメリカからの年次教書が引き金と言った話もありますが、必ずしもそうとは言えないでしょう。

郵政民営化自体は、小泉純一郎氏の持論
小泉純一郎氏は1992年に郵政大臣に就任当時から郵政民営化を唱えていました、当時私は郵政局で勤務していたのですが、本省では郵政民営化のための検討会議が大臣の肝いりで設けられたと聞きました。
しかし、実際には特定局長会の壁に阻まれて民営化は殆ど手を加えることはできませんでした。
実際1992年頃郵政局にも大臣が来られたのですが、特定局長会を前にして持論の郵政民営化論は打てず、聞いていても歯切れが悪いなぁという印象を受けたものでした。
そうした意味では、アメリカの教書が免罪符のようになったのではないかということで、国鉄の民営化は臨調から。郵政の民営化はアメリカの外圧が引き金に?

と書かせていただいた次第です。

実際、小泉氏が郵政大臣を辞任すると、省内のそうした勉強会(本省の課長級以上だったと思います、地方郵政局でもそうした動きがありました)はすぐに中止されました。

地方単位の分割と、業態単位での分割という選択
郵政の場合は、基本を事業単位の分割としていました。
郵便事業会社
郵便貯金事業会社
簡易保険事業会社
更によくわからなかったのが、郵便局会社
郵便局会社は、各事業会社からの業務を委託する形で実際の業務を行う会社で、特定局と言われた比較的小さな郵便局の職員はほぼ全員そのまま郵便局会社の社員に、普通郵便局と言われた比較的大きな郵便局の場合、郵貯部門がゆうちょ銀行、簡易保険は簡易保険会社に再分割され、会社間の仕切りが、つくられることとなり、郵便局時代よりも風通しが悪くなりました。
その後、郵便会社がそのままでは立ちいかないということで、改めて郵便局会社と再合併し、また局舎内の壁は撤去されたと聞きましたが、あまり今でも風通しは良くないでしょうね。

これを見れば判りますが。
郵便会社は、NTT東西のような事業会社として引続き国が保有する形となり、ゆうちょ銀行並びにかんぽ生命は収益会社として早期に株式を売却して純民間会社を目指すとしています。
ただし、当初は2017年9月(すなわち今年)中に売却となっていましたがその時期は流動的となっています、国としては東北地震の復興財源福島原発の処理なども含めて費用が必要ですから株価の動向を見ながらゆうちょ銀行・かんぽ生命の売却を進める紋と推測されます。
この辺が国鉄の民営化と異なるところであり、
国鉄の場合。
民営化は、分割と純粋な民間会社への意向がセットであり、地方の交通に関して国が責任を持つという発想はありませんでした。
郵便はユニバーサルサービス、鉄道は違うという事実
郵便はあまねく公平に日本に住む人が受けられるサービスであるが鉄道のサービスはその沿線に住んでいないと恩恵を受けられないということでユニバーサルサービスとは言えないという理由が成り立つわけです。
そして、その理由から地方のローカル線も基本的には鉄道会社にとってメリットがある区間だけは残してもそうでない区間は廃止するのもやむを得ないという理屈が成り立ってきたのだと考えられます。
実際、郵便局の場合でも、ゆうちょ銀行・かんぽ生命のように、銀行や生命保険会社の補完となっている業務は民間会社の銀行法なり生命保険業法の適用を受けて同じ土俵で戦わせる方がより合理的であるからでしょう。
実際、民営化後は簡易保険も保険募集人の登録が必要になりました、(意外ですがそれまでは、簡易保険は生命保険募集人の登録は不要でした。)
そう言った意味で、国鉄の分割はGHQがマッカーサー書簡で国営から公社化を示唆した時と同様、国鉄と言うのはユニバーサルサービスを提供したり、権力等を持たない組織として見られていたわけで、分割した理由は組合対策的なところもあったかと思いますので、分割されずに一社民営化であればまたJRの姿も変わって来たのではないでしょうか。
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