マヌケ便り

テレビ番組リサーチ会社の代表をしています。

栄誉よりも目立ってしまった異常性

2008-08-19 23:55:53 | Weblog
 今回の北京オリンピックでの中国の金メダルの数は、あの大国アメリカでさえも追い越すことはもう不可能だろう。それだけに、念願の開催だった自国でのオリンピックの威信は充分に保たれたことになった。何人ものヒーロー、ヒロインが誕生した。金メダリストは、記念切手にまでなり発売されるというのをニュースで知って驚きもした。この国は、成功した人を天まで持ち上げその栄誉を称える。

 私自身はオリンピックフリークだが、今回のオリンピックはスポーツの祭典というところ以外で、とても残念な気分になってしまった。棄権した110メートルハードルの劉翔選手へのネットでの非難の凄さだ。もともと私は、ネット上の書き込みは好きではない。だからこれまでも、『2ちゃんねる』を覗いたことは2~3度程だ。そのネット上で、中国では偉大な成績を残してきた劉翔選手を、今度は逆に地獄の底まで突き落としていると言うではないか?

 これが日本だったらどうだろう?金メダルの連覇が期待され、棄権してしまった野口選手に置き換えて考えてみた。前途したように、私はネット上の書き込みからは目を背けてしまうので、どの程度の非難があったのかは察し得ないが、おそらくは出場できなくて残念程度のものが多かったのではないだろうか?もちろん一概に比較することはできない。でも中国では、ネット上ばかりでなく容赦なく声を大にして非難もしている。まるで犯罪者扱いだ。

 私はこの一件に関し、東京オリンピック男子マラソン銅メダリストの円谷選手を思い出してしまった。自分の居場所がなくなってしまうのではないだろうか?私が仮に劉翔選手なら、どこかの国へ亡命してしまうだろう。それにしても、何故にこんな異常な現象が起きてしまったのだろう?充たされない自分を、他人に置き換え捌け口にするからなのだろうか?だからこそ失敗が許されないのか?結局は、国民の自愛心の強さ…?ん~わからない。

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