マヌケ便り

テレビ番組リサーチ会社の代表をしています。

三つ子のたましい『迷子』

2014-03-12 00:00:27 | Weblog
ボクの生まれ育った町では、7月21日~23日がお祭りだ。
今は7月22日~24日の3日間で行わてれる。
ボクは、この梅雨明けと同時に始まるお祭りの時期が大好きだった。
梅雨明けの頃が好きな季節である事は今も一緒だけど、子供の頃はこのお祭りから夏休みに入るので殊更ながら好きな季節の到来だった。
そして、お祭りの夜は子供心にも胸が騒いだ。
華やかな夜だ。
そのお祭りの夜に浮かれていて、初めて迷子になったのも幼稚園の時だ。
迷子ってどうにかなると思ってしまうが、当時はとんでもなく恐怖だった。
お母さんと離ればなれになり、このまま一生会えないのではないかと思い、気が狂わんばかりに泣いたのを覚えている。
周りの人達が、「どうしたの?」と声をかけて来るのだが、迷子と言う言葉を知らないで迷子になっているのでただただ泣くだけ。
声をかけてくれた人達も、「迷子がいます」と張り上げてくれるのだが、お祭りの夜の活況でその声もかき消されてしまう。
仕舞いにはおまわりさんが来て、ボクを連れて行こうとしている。
『悪い事をするとおまわりさんに連れて行かれてしまうよ』と教え込まれているから、助けられたと言う感覚はなく、どこか恐いところへ連れて行かれてしまうのではと本気で思い、地べたに座り込んで暴れ泣きしていた。
自分の中で記憶する初めての泣き叫びだった。
本当に怖かった。
結局ボクは警察署に連れて行かれてしまった。
自慢じゃないが、よくもこれだけ泣き続けていられるなと言うくらい泣いていた。
暫くしてお母さんが警察署に現れた。
ボクを見つけてお母さんも泣いている。
初めて見た大人の泣き顔に些か驚き、『お母さんも泣くんだ?』と思い会えてホッとした中にも困惑があったとを覚えている。
当時は、『吉展ちゃん誘拐事件』と言うとんでもない事件があったので、迷子になっても誘拐されてしまったのではと言う親も多かったから、迷子の我が子が見つかった安堵感と言ったらなかった事だろう。
泣いて当たり前だ。
ボクはお母さんの広げている腕の中に飛び込みたくて、お母さんを見つけた時に直ぐに走り出したものだ。
お祭りの夜…履き慣れない下駄で走り出し、転んでまた泣いたけどね。
泣きっ面に正に蜂だった。

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