マヌケ便り

テレビ番組リサーチ会社の代表をしています。

三つ子のたましい『ウソ』

2014-03-13 00:08:29 | Weblog
初めて付いたウソを覚えている。
相手はおばあちゃんだ。
幼稚園で紙芝居を観ていたら、その紙芝居の中で、「口笛を吹きました」と大越先生が言ったところで、園児が一斉に、「口笛ってな~に?」と騒ぎ出した。
いつも紙芝居はジックリ観ているのに珍しい。
逆にそれだけジックリ観ているから、疑問を残したままスルーできなかったのだろう。
先生が紙芝居を止めて口笛を吹いてくれた。
みんな更に大騒ぎだ。
その心地良い音色に紙芝居そっちのけで、「口笛ってどうやるのぉ?」と先生を取り囲んだ。
紙芝居が中断されたのは後にも先にも、この時だけだった様に思う。
「教えて?教えて?」と言う園児達のリクエストに応えて、先生も口笛の吹き方を教えるのだが出来る園児などいるわけもない。
その日は園児が皆口を尖らせながら、「フーフー」と鳴らない口笛を吹いていた。
もちろん、ボクもみんなと一緒にやっているのだが一向に吹ける感じがしないのはわかっていた。
みんな誰よりも早く吹きたくて仕方がない。
吹ければ、ヒーローヒロインになれるのは間違いないからだ。
その日は誰も吹けず仕舞いでみんな帰宅した。
想像するに、みんな家に帰ってからも一生懸命に口笛の練習をしたに違いない。
正にボクがそうだった。
家に着くとお祖母ちゃんに、「口笛吹ける?」と言ったかと思ったら、もう直ぐに吹いてくれた。
「どうやって吹くの?」には、先生同様に吹き方は教えてくれるのだがやっぱり出来ない。
泣きながら特訓したよ…ボクは。
おばあちゃんも出来ないボクに困っている様だった。
ボクはたまりかねて口を尖らせながら、「ピーピー」と声に出して言い、「出来た!出来た!」とウソをついた。
ボクが初めてついたウソだ。
するとお祖母ちゃんが、「出来たね?良かったね?」と言ってくれた。
ボクが初めてつかれたウソだ。


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