いつだったか、あるタレントのゴルフコンペに招待された。私の組には若い女性が1名入っている。残りの2名は私よりもかなり年長の男性である。だからなのかも知れないが、その女性はラウンド中にも良く私に話しかけてくるのだ。この女性は、このコンペの主催タレントと同じ事務所の、一応タレントだというのだが、私は彼女のことを知らなかった。そんな女性は、この芸能界には山ほどいるのだ。知らなくても仕方がない。
その女性のゴルフの腕前の方はと言えば、これがなかなかのものなのである。だが、やはりミスはおかしてしまう。それがゴルフというものだ。そんな時は「今のどこがいけなかったの?」と聞いてくるのである。それで私が、ミスした原因を教えてやっている内に、すっかり意気投合してしまった。
…で、今度一緒にラウンドしようか、ということになったのである。お互い友人を一人連れて行こう、ということで決まったのだ。何度かのメールの交換で日程とコースが決まった。そのラウンドの日と言うのが昨日だ。彼女は自分の車を持っているというので、友人を拾いゴルフ場で集合という事になった。友人というのは、同じ事務所のタレントらしい。名前を訊いたのだが、やはり私は知らなかった。
私は、普段一緒にラウンドしている、ディレクターのM氏を誘ったのだ。早めに着いた我々は朝食も済ませ、食後のコーヒーを飲んでいたのである。そこで携帯がなった。彼女からである。ちょっとしたアクシデントがあり多少遅れると言うのだ。だがスタート時間になっても、なかなか彼女達は現れない。キャディーさんが「一組遅らせましょうか?」と言ったところで彼女達は小走りで現れた。
自己紹介もないままに我々はスタートホールに向かったのだが、その途中で彼女が私に耳打ちした。「ごめんなさい。お友達が途中でお腹が痛くなっちゃって、サービスエリアに寄っていたの」と言うのだ。私は「大丈夫?」というと、ちょっと不安そうに「たぶん」と言っている。
スタートホールに着いた。そこで、彼女の友人がキャディーさんに「トイレ行く時間はないですよね?」と訊いている。キャディーさんは「もう前が空いちゃっているしねぇ、トイレだったら4ホール目が終わったところにあるから我慢できない?」と言っている。その子は心なしか青い顔をして「わかりました」と頷いた。
3番ホール目に着いた時だった。その子がキャディーさんに、「すみません、ティッシュ持っています?それとこの辺でトイレできるところありませんか?」と訊いているのだ。キャディーさんは直ぐにティッシュを渡すと、ティーグランド右側の土手下のところを指さした。その子はその土手を駆け下りて行った。静寂した中でゲ○の音がこだました。
重い空気が流れているので、敢えて言ってみた。「静けさやー耳に染み入るゲ○の音」と言ってみた。友人のM氏がいいタイミングで口を挟んだ。「季語がないよ」
プッと吹き出したキャディーさんが言いだした。「実はこのホールで用を足したのは2人目なのよ。以前の時もやっぱり女性でした」私はそれを訊いて「意外といるもんですね?そういうマヌケが」と言ったところで、その子が土手下から上がってきた。その後は4人で終始無言のラウンドである。昨日のラウンドは生涯忘れる事のできない、とても重苦しいラウンドになった。
重苦しいと言えば、先ほど終わったワールドカップ予選の対ブラジル戦だが、1対4で日本は敗れてしまった。重苦しい試合だった。とても残念でならない。
その女性のゴルフの腕前の方はと言えば、これがなかなかのものなのである。だが、やはりミスはおかしてしまう。それがゴルフというものだ。そんな時は「今のどこがいけなかったの?」と聞いてくるのである。それで私が、ミスした原因を教えてやっている内に、すっかり意気投合してしまった。
…で、今度一緒にラウンドしようか、ということになったのである。お互い友人を一人連れて行こう、ということで決まったのだ。何度かのメールの交換で日程とコースが決まった。そのラウンドの日と言うのが昨日だ。彼女は自分の車を持っているというので、友人を拾いゴルフ場で集合という事になった。友人というのは、同じ事務所のタレントらしい。名前を訊いたのだが、やはり私は知らなかった。
私は、普段一緒にラウンドしている、ディレクターのM氏を誘ったのだ。早めに着いた我々は朝食も済ませ、食後のコーヒーを飲んでいたのである。そこで携帯がなった。彼女からである。ちょっとしたアクシデントがあり多少遅れると言うのだ。だがスタート時間になっても、なかなか彼女達は現れない。キャディーさんが「一組遅らせましょうか?」と言ったところで彼女達は小走りで現れた。
自己紹介もないままに我々はスタートホールに向かったのだが、その途中で彼女が私に耳打ちした。「ごめんなさい。お友達が途中でお腹が痛くなっちゃって、サービスエリアに寄っていたの」と言うのだ。私は「大丈夫?」というと、ちょっと不安そうに「たぶん」と言っている。
スタートホールに着いた。そこで、彼女の友人がキャディーさんに「トイレ行く時間はないですよね?」と訊いている。キャディーさんは「もう前が空いちゃっているしねぇ、トイレだったら4ホール目が終わったところにあるから我慢できない?」と言っている。その子は心なしか青い顔をして「わかりました」と頷いた。
3番ホール目に着いた時だった。その子がキャディーさんに、「すみません、ティッシュ持っています?それとこの辺でトイレできるところありませんか?」と訊いているのだ。キャディーさんは直ぐにティッシュを渡すと、ティーグランド右側の土手下のところを指さした。その子はその土手を駆け下りて行った。静寂した中でゲ○の音がこだました。
重い空気が流れているので、敢えて言ってみた。「静けさやー耳に染み入るゲ○の音」と言ってみた。友人のM氏がいいタイミングで口を挟んだ。「季語がないよ」
プッと吹き出したキャディーさんが言いだした。「実はこのホールで用を足したのは2人目なのよ。以前の時もやっぱり女性でした」私はそれを訊いて「意外といるもんですね?そういうマヌケが」と言ったところで、その子が土手下から上がってきた。その後は4人で終始無言のラウンドである。昨日のラウンドは生涯忘れる事のできない、とても重苦しいラウンドになった。
重苦しいと言えば、先ほど終わったワールドカップ予選の対ブラジル戦だが、1対4で日本は敗れてしまった。重苦しい試合だった。とても残念でならない。