マヌケ便り

テレビ番組リサーチ会社の代表をしています。

止まる時間帯

2006-06-12 02:03:19 | Weblog
 最近のニュースで、タイのプミポン国王が即位60周年を迎え、在位は世界最長になった事を知った。

 タイと言えば、私は昨年の12月に初めて足を運んだ国である。それまでも、一度は行ってみたいと思っていたのだが、なかなか行く機会に巡り会えなかったのだ。それが、たまたま友人のタレントである島崎さん(アダモちゃん)が、某局のお正月特番のロケで行くというので同行したのである。

 2日間ほどプライベートな時間が取れるというので、ゴルフを楽しもうかと言うことになったのである。私に島崎さん、そして島崎さんのマネージャーと、現地のコーディネーターの4人でのラウンドだ。

 驚くのが一人にキャディーが二人付くので、グリーン上などは人だらけになってしまう。それよりも参ったのが、キャディーがティーアップまでしてくれるのだ。話には訊いてはいたが、これだとあまりにもくすぐったいゴルフになってしまうので、それだけはやめてもらった。

 この日は、夜に屋台で食事を取ろうと言うことになった。5時半にホテルのロビーに集合である。全員定刻までに集合したので、早速出発することになったのだが、コーディネーターが「タイでも電車に乗ってみませんか?」と言うのである。私は電車が苦手だ。乗れないことはないのだが、ラッシュなら無理だ。その旨を伝えると、「ちょうど混む時間帯ではあるが、ラッシュになることはないから大丈夫」というので乗ることにした。コーディネーターは、「ラッシュになるのは世界広しといえ日本だけだ」と言って笑っている。
 
 電車は想像した以上に綺麗だった。ホームの様子も日本とそう変わらない。乗って4駅目で降りたのだが、ちょうど駅の階段を下りている時だ。いきなり音楽が鳴り出したのである。すると、全員その場で立ち止まってしまったのだ。正に直立不動でである。コーディネーターに何が起こったのか訊いてみた。すると、小声で囁いてくれたのだが、流れている音楽は国歌で、毎日朝の8時と夕方の6時に流れるというのだ。この国歌の流れている約3分間は、皆直立不動で国歌に耳を傾け国王を敬うと言うのである。

 さすがにタイ王国と言うだけあり、しっかりとした王制がしかれてある。しかし、見事なまでに皆一様に直立不動だ。あまりにもその光景が異様なので、デジカメに収めようとしたのだが、コーディネーターから制止された。そんなことは不謹慎この上ないことらしい。

 とにかく、私も直立不動である。…が、やはり可笑しいので、目だけは辺りをキョロキョロさせている。すると面白い光景が目に入った。タイでも駅の中には、日本と同様にキオスクのような売店があるのだが、その売店で買い物をしている客と、売店の店員がお互い顔を見合わせながら、直立不動で立っているのだ。これを見て私は吹き出してしまったのだ。
 
 このタイでの『止まる時間帯』だが、私にはどうしても『マヌケな時間帯』にしか見えないのである。やはり私は不謹慎だ。


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