番組の会議で、プロデューサーが少し遅れると言う連絡が入ったので雑談になった。「飯野ちゃん、どう新婚生活は?」誰かが口にした。「どうもこうもないですよ、こんな業界にいるんですから。お互い毎日、寝顔しか見ていないですよ」その話題を振った奴がこう続いた。「そう言えば、飯野ちゃんの結婚式に出席した時に思ったんだけど、奥さんの名前、香奈ちゃんと言うだろ?本当に結婚しても『いいのかな』って思ったぜ」
こう言われて、飯野ちゃんが答える。「それを言うなら、元々の苗字だってウチの奴は本間ですよ。『ほんまかな』だったわけですからね。今度機会があったら、義理のオヤジに何で娘にこんな名前を付けたのか、聞いてみようと思っているんですよ」確かにその通りだ。これが関西なら絶対にあり得ない話だ。
また誰かが口にした。「俺の高校時代の同級生で『みどり』って子は、赤井家に嫁いで『赤いみどり』になっちゃったからね。いったいどんな色だよって思っちゃうよな」笑いが走った。
また誰かが言った。「僕の同級生には星久美と言う子がいましたけど、『将来は宝塚の星組ね?』なんて言われていましたよ」
続いてはADだ。「僕のクラスには安藤奈津子がいました」「もういい、もういい。良くある話しだ。『アンドーナツ』子ね?」もう、みんな作り始めている。
そこに、プロデューサーが顔を出した。「何に盛り上がっているの?」私が答える。「いえ、ちょっと名前の話しになって。そう言えば、お嬢さんの真紀さん、昨年嫁いでいますよね?何家に嫁いだんですか?」プロデューサーが答える。「田村」そう訊いて私が、「『タムラマキ』か。普通ですね?」プロデューサーも「俺も一時考えたことがあったよ。原とか牧とかという奴とは、まさか結婚はしないだろうなって」誰かが口にした。「『ハラマキ』に『マキマキ』ではちょっと辛いですからねぇ」また笑いが走った。
笑いが収まったところで、プロデューサーが人名漢字の話を持ち出した。「それにしても、以前に人名漢字で認められた『糞』とか『屍』って、どう間違っても人に付ける名前じゃないだろう。他にどんなのがあった?ちょっとネットで調べてみろよ」
早速ADが検索をした。「新しく78文字が追加されたんですが、その内の『糞』、『屍』、『呪』、『癌』、『姦』、『淫』、『怨』、『痔』、『妾』の9文字は削除要望が多くて、実際に削除されましたね」当たり前だ。間違っても名前には付けようがない字ばかりだ。
更にADが付け足すように言った。「でも、『蟹』、『蝉』とかは、使用してもいいみたいですよ。あと『屑』とか『妖』とかも。『屑』は『星屑』、『妖』は『妖精』と言うように、他の字との組み合わせによっては不適切とは言えない、というのが理由みたいです」
それを聞いてプロデューサーが「だからと言って誰が我が子に『屑』だとか『妖』だとかって付ける親がいる?」確かにその通りだ。プロデューサーは話しに力が入って来た。「数年前になるが、子供に『悪魔』と付けた親がいて、社会的にも物議をよんだことがあったろう?あれにしたって、その親は覚醒剤を使用していて、結局のところはピントがずれていたわけだしな」みんな、頷いている。
一通り納得したところで、私がADに聞いてみた。「ところで、そういう字ってどういう機関が認証するわけ?」ADは「法務省の諮問機関、法制審議会というところですね」と答えた。誰かが言った。「きっとそこも、ピントがずれているんですね」と。
これは決してマヌケな話ではない。これは単にピントがずれているという話だ。
私は大阪で生まれ大阪育ち、まさか東京で暮らすことになるなんて、夢にも思っておりませんでした。
お陰様で楽しく過ごしておりますが、東京と大阪では、気をつけないとなぁ・・・と思うことが多々あります。
私が小学生の時、東京から「馬場史子」という、それはそれは都会の香りを漂わせた、かわいくて素敵な女の子が転校してきたのですが「ババフミコ」です。あり得ません。
私は名字の頭に<の>が付くため、クラス連絡網で私はハ行の「馬場さん」に電話するのですが、「ノ○○マと申しますが、ババさんのお宅でしょうか? フミコさんいらっしゃいますか?」と言うと、横で聞いてた母親が絶句してました。大阪では ババ=ウ○コ であり、それに<フミコ>と付けるとは何事かと・・・ 違う土地に引っ越しすることも考慮して名付けて欲しいものです。
あと中3の時に仲良しだった「満子」がこっちに遊びに来た時も、渋谷の交差点ではぐれそうになってる満子の名を、昔から呼んでるように、私は思いっきり音読みで叫びました。みんながこっちをふり返っても、私はそれがどうしてなのか、まったく判りませんでした。
学生時代バイトしてた料亭にも、芸者上がりの「万幸」さんという厳しいお姉さんがいて、私たちはしょっちゅう叱られてたので、バイトが終わるとよく飲み屋で「あの腐れマ○コめ!」とマ○コ連発、悪口で大盛り上がりでした。
このお姉さんは、東京でも仕事してたそうなんですが、大阪へ流れてきたのは、この名前のせいでしょうか?
話はまったく違ってきますが、青梅の表記はどうして「OME」なのでしょうか?「OHME」か「OUME」になるはずなのではないのでしょうか? 大阪人は無駄にドキドキしてしまうので、止めて欲しいです。
これからも楽しみにしていますので、ずっと続けて下さい。お願いします。