貿易実務用語の知識体系

制度変更に記事のアメンドが追いついていない箇所もありますのでご留意ください。             

輸入貿易管理

2009年01月18日 | 貿易実務
【1】輸入規制の体系
輸入については、外国為替及び外国貿易法、その具体的な部分を定めた輸入貿易管理令、その他の法令により、貨物の輸入に関して許可、承認その他の行政機関の処分または検査あるいは条件の具備(以下「許可、承認等」)を必要とする旨規程しており、この制限を、関税法による輸入の許可制に結びつけることによってその実効を確保している。

輸入規制に関する法令等
(1) 外国為替及び外国貿易法、その具体的な部分を定めた輸入貿易管理令→輸入割当、承認
(2) 関税定率法→輸入禁制品
(3) その他の法令(食品衛生、動植物検疫など)

【2】輸入貿易管理令
(1) 輸入割当(Import Quota, IQ)
IQを受けるべき貨物の品目、輸入の承認を受けるべき貨物の原産地又は船積地域その他貨物の輸入について経済産業大臣が公表し、国外からの対象品目の輸入について制限を加える制度。 輸入割当に関する事項(申請日時、申請先、提出書類、輸入割当基準等)は
「輸入発表」として経済産業省公報及び通商弘報に掲載される。
①輸入割当(IQ)品目→I/L(Import License)→輸入貿易管理令第4条1項:輸入承認が必要。 IQ品目には、「非自由化品目」と「モントリオール議定書付属書に定める規制物質」とがある。
(イ)「非自由化品目」
にしん、たら、すけそうだら、たら(すけそうだらを含む)の卵、煮干し、ぶり、いわし、あじ、さば、さんま、帆立貝、貝柱、いか、干しするめ、食用の海草(のり、こんぶ)および海草の調製品など10品目
(ロ)モントリオール議定書付属書に定める規制物質(オゾン層破壊物質)

輸入割当申請→輸入割当証明書交付→輸入承認申請→輸入承認証→I/L(Import License)の交付→輸入申告時に税関に提出。(すなわち、輸入割当を受け、かつ、輸入承認が必要)

(2) 第二号承認品目
・輸入割当品目を輸入する場合、上記フロー図の通り、輸入承認を受けなければならない。
・輸入割当品目以外に、輸入貿易管理令第4条第1項第2号を根拠とする、国際条約や国際経済制裁などの履行のために、特定の原産地・船積地域からの特定輸入品についても輸入承認品目となっている。
1)鯨およびその調製品(アルゼンチン、オーストラリア、チリなどを除く)
2)太西洋または地中海において畜養された生鮮または冷蔵くろまぐろ(アルジェリア、オーストリア、ベルギーなどの国または地域を除く)
3)生鮮または冷蔵のみなみまぐろ(オーストリア、ベルギーなどの国または地域を除く)
4) 中国、北朝鮮、台湾を原産地または船積地域とするさけ、およびますならびにこれらの調製品
5)日本の区域に属さない海面を船積地域とする魚、甲殻類、軟体動物や海草等
6)ボリビアおよびグルジアを原産地とするめばちまぐろおよびその調製品
7)ワシントン条約付属書II、IIIの動植物ならびその加工品
8)北朝鮮からの全貨物

(3) 二の二号承認品目
輸入公表の二の二号に掲げる品目なので、「二の二号承認」と呼ばれる。原子力関連、機械・武器、火薬類、化学品等、医薬品類、ワシントン条約に定める貨物→経済産業大臣の承認が必要

(4)輸入確認品目
①輸入前に関係大臣の確認が必要とされる品目(事前確認制)
治験用微生物ワクチン、まぐろ、鯨及びその調製品、ワシントン条約該当種など。
②通関時に税関が確認する品目(通関時確認制)
通関時に輸入品の統計証明書を税関に提出して、確認を受ける必要があるもの。
a)生鮮または冷蔵くろまぐろ、みなみまぐろ、および かじき
b)場合により、ワシントン条約付属書II、III関連の食品

(2)輸入禁制品→関税定率法
国内社会の安全・秩序を損なうおそれのある以下の貨物は、「輸入してはならない貨物」として、関税法第69条の11に掲記されており、輸入申告をしても輸入許可は下りない。
【1】相対的輸入禁制品(政府および政府の許可を受けた者などは輸入ができる)
1.麻薬、向精神薬、大麻、あへん、けしがら、覚せい剤、覚せい剤原料、あへん吸煙具
2.けん銃、小銃、機関銃、砲、銃砲弾、けん銃部品
3.爆発物
4.火薬類
5.化学兵器の禁止および特定物質の規制等に関する法律に規定する特定物質
【2】絶対的輸入禁制品
6.貨幣、紙幣もしくは銀行券または有価証券の偽造品、変造品、模造品、特定のカード
7.公安または風俗を害すべき書籍、図画、彫刻物その他の物品
8.児童ポルノ
9.特許権、実用新案権、意匠権、商標権、著作権、著作隣接権、回路配置利用権または育成者権を侵害する物品
10.不正競争防止法に掲げる特定の不正行為を組成する物品



【3】輸入差止申立制度
(1) 認証手続申立:
①特許権、実用新案権、意匠権、商標権、著作権、著作隣接権、育成者権
→自己の権利を侵害すると認める貨物が輸入されようとする場合には、「税関長」に輸入の差し止めを申し立て、侵害物品か否かを認定するための手続をとるよう申し立てることができる。
② 回路配置利用権者:輸入差し止めの申立は出来ない。(差止めのための情報提供はできる:輸入差止情報提供制度→回路配置利用権を侵害する物品が輸入されようとする場合に、輸入を差止めるために回路配置権利用者が税関長に対し、権利の内容や侵害に関する証拠等の情報を提供するもの。)
(2) 金銭供託:
認定手続が終了するまでの間に輸入者が被るおそれのある損害(逸失利益、倉庫保管料等)の賠償を担保するため、必要に応じて申立人に対し、相当と認める額の金銭を供託するよう命令することがでる。この命令に従わない場合には、税関長は、認定手続を取り止めて輸入を許可する場合がある。
(3) 特、実、意:税関長に、特許発明当の技術範囲である事について、「特許庁長官」の意見を求めるよう要求可。
(4) 没収/金銭供託:
認定手続を終了したときは、認定結果を権利者及び輸入者に通知し、申立人の権利を侵害すると認定した場合には、その貨物を没収するか又はその輸入者に積戻しを命じることができる(ただし、商標権を侵害する物品は、積戻しは認められない)。

【4】その他の法令による輸入規制、国内販売規制
(1) 食品衛生法→食品等輸入届出が必要。
①原則→輸入食品だけでなく添加物、調理用器具、容器包装、幼児用玩具なども対象。
・食品衛生法で輸入禁止されている貨物:検査合格証が発行されない→港湾、空港を管轄する検疫所に食品等輸入届出書を提出して合格しないと税関に輸入申告できない→輸入できない。
・食品衛生法で輸入を禁止されていない貨物:輸入者は厚生労働大臣あての「食品等輸入届書」を検疫所の長に届ける→審査の結果問題なくば届出済み印が押されて返却。
②例外→食品等輸入届出手続きの簡素化・迅速化の制度
(イ)事前届出制度
すべての食品等について、貨物到着予定日の7日前から届出書を受け付けており、書類審査により検査の必要な場合はその旨連絡される。 検査の必要な物等を除き貨物到着前又は搬入後速やかに届出済証が交付される。
(ロ)外国公的検査機関の検査結果の受入
輸出国の公的検査機関で事前に検査を受け、その成績書が添付されている場合は、当該貨物について検疫所における当該検査が省略される。ただし、輸送途上において変化するおそれのある項目(細菌、カビ毒等)は除く。
(ハ)同一食品等の継続的輸入(計画輸入制度)
同一の食品等を繰返し輸入する場合、初回輸入時届出書に検査成績書を添付し、審査の結果問題がなければ、当該食品等及びその製造加工業者を登録することにより登録された食品等については、輸入時検査が一定期間省略されると共に、届出後速やかに届出済証が交付。

(2) JAS法→生鮮食品輸入販売で、原産地表示要。
① 輸入食品の賞味期限表示→食品の国際規格である■■■■にあわせ義務付け。
答:CODEX
② 品質劣化しやすい食品(品質保持期限5日以内)→消費期限(食べられる期限)を年月日で表示
③ その他の食品→賞味期限(おいしく食べられる期限)を年月または年月日表示
④ 輸入年月日の表示は特に義務付け無し。

(3) 植物防疫法
① 植物とその生産物に付く病原菌や害虫などが輸入貨物と共に国内に入り込むのを防ぐために、特定の貨物に対して検査を行う旨規定。
・植物防疫法、家畜伝染予防法は動植物によっては輸入港、空港を制限している。
② 対象品目:植物、植物の加工品、漢方薬など
・対象品目の輸入には輸出国の検疫機関が発行した植物検疫証明書 Phyto Sanitary Certificate が必要。また、輸入できる港湾や空港が指定。
・果物、野菜:植物防疫法の検査→食品衛生法による届出または検査→税関も必要に応じて関税法上の観点から検査 動植物の検疫は原則として二重検疫体制。
③ 輸出貨物:相手国がわが国の検査証明書を要求している場合、日本の検疫が必要。

(4) 家畜伝染病予防法  羊毛、ベーコン(+食品衛生法)

(5) バーゼル条約における特定有害廃棄物の輸出入→経済産業大臣の輸入承認

(6)フロンなど、オゾン層を破壊する物質→経済産業大臣の輸入承認

(7)関税法70条
① 輸入することにつき他法令で許可承認が必要な貨物は、輸入申告の際に許認可証等により証明を要求。
② 輸入貨物について検査、一定要件を満たす事を他法令で定めている貨物は税関の審査、検査の際に証明する事。

以上



輸出貿易管理

2009年01月18日 | 貿易実務
(1)原則→外国貿易は原則自由
(2)例外→いわゆる外為法(=「外国為替及び外国貿易法」)で規定。
詳細は政令で規制。
【I】 輸出規制の具体的な部分を定めた政令が、輸出貿易管理令
【II】輸入規制の具体的な部分を定めた政令が、輸入貿易管理令
【III】外国為替管理の具体的な部分を定めた政令が、外国為替令→たとえば海外で捻出した裏金を日本にハンドキャリーにより政令で定める額を超える現金を持ち込む際、税関への届け出を義務づけており(外国為替及び外国貿易法)、違反すると20万円以下の罰金か6カ月以下の懲役の罰則が科せられる。 外国為替令第8条の2ではそれを100万円としている。

1.輸出規制
【I】の輸出貿易管理令の枠組みとしては、大別して下記(ア)~ (オ) がある。
尚、(ア)~(オ) は説明の便宜上つけたもの。(ア)(イ)(ウ)(エ)は輸出貿易管理令別表第1で規制されている場合で、経済産業大臣の「許可」が必要、(オ)は輸出貿易管理令別表第2で規制されている場合で、経済産業大臣の輸出「承認」が必要。

①「リスト規制」と言われる
  (ア) 武器
  (イ) 大量破壊兵器等の関連資機材
  (ウ) 通常兵器等の関連汎用品 (by ワッセナーアレンジメント)
を輸出する場合は、経済産業大臣の「許可」が必要。 リストとは、輸出貿易管理令別表第1、の事。
②「日本版キャッチオール規制」と呼ばれる 
  (エ) 貨物が大量破壊兵器等の開発等のために用
     いられるおそれがある場合も、経済産業大
     臣の「許可」が必要。
→経済産業大臣の輸出許可の有効期限:原則として発給の日から6ケ月。

③国内需給調整物資、取引秩序維持物資、国際協定などの物資、輸出禁止物資----(オ)
を輸出する場合は、経済産業大臣の「承認」が必要。

2.リスト規制とは:

「リスト規制」と言われる(ア)武器 (イ)大量破壊兵器等の関連資機材 (ウ)通常兵器及び関連汎用品の輸出を規制する内容については、
(ア)武器そのもの
輸出貿易管理令別表第1:1項に、どんなものが該当するか列挙。
(イ)大量破壊兵器関連資機材(原子力Atomic 2項、化学Chemical・生物兵器Bio3項及びミサイルMissile4項 関連貨物)
輸出貿易管理令別表第1:2~4項に、どんなものが該当するか列挙。
(ウ) 通常兵器および関連汎用品・技術(ロシア等の旧東側諸国も参加するポストココムとして創設されたワッセナー協約(アレンジメント)*に基づく規制で、主として通常兵器の開発・製造に用いられる装置等の責任ある輸出管理を実施することにより、地域の安定を損なう恐れの有る通常兵器の過度の移転と蓄積を防止することを目的として成立) 輸出貿易管理令別表第1:5~15項(戦略物資ともなる汎用品)に、どんなものが該当するか列挙。
*旧共産圏諸国を規制対象としていたココム時代の輸出管理とは異なり、全地域が対象。
ワッセナーアレンジメントは、ココムのように規制対象国を予め特定するものではなく、全地域向けに規制を維持しつつ、参加国間で緊密な情報交換を行い、懸念の大きい地域への移転につき協調して規制を行う仕組み。先進諸国間では当面、イラン、イラク、リビア、北朝鮮のいわゆる懸念4ヶ国に対しては、厳格な規制を行うことが共通の認識となっている。

これら(ア)(イ)(ウ)の「リスト規制」の規制対象貨物・技術を規制対象地域(=全地域)へ輸出(提供)しようとする場合に経済産業大臣の許可が必要。

したがい、外国の企業等から引き合いのあった貨物(技術)が、輸出貿易管理令(輸出令)別表第1に該当するかどうか確認する必要がある。

3.キャッチオール規制
3-1キャッチオール規制の背景
上記の様に、(ア)武器 (イ)大量破壊兵器等の関連資機材と、(ウ) 通常兵器及び関連汎用品を対象とする場合は、輸出に当たって経済産業大臣の「許可」が必要だが、これ加えて (エ)「キャッチオール規制」と呼ばれる新しい「安全保障貿易管理」が、2002年4月1日からスタートした。
これまでの、輸出貿易管理令及び外国為替令の別表第1及び別表の1項から15項に掲げるリスト規制品目(つまり、本稿で便宜上呼ぶ(ア)~(ウ)の品目)については従前どおりの規制で、変更はない。
それに加えてキャッチオール規制は、従来の規制対象貨物・技術だけでなく、原則全ての貨物・技術(例外:非規制品=食料品、木材、衣料品、家具等)について、最終用途・最終需要者の確認を輸出企業に求めている。つまり、これまでは自由に輸出ができた貨物や技術であっても、規制対象になるかもしれない。この場合は、改めて輸出「許可」を受けなければならない。
3-2 キャッチオール規制の対象貨物
キャッチオール規制の対象貨物は、外為令別表の16の項にHSコードで掲げられており、原則全貨物が対象。 輸出貿易管理例別表1の1項から15項に掲げられていないHS分類第25~第40類、第54~第59類、第63類、第68~第93類、第95類に該当する貨物。

(注)HSコード:
・財務省所管の「関税定率法」に、「別表 関税定率表」があり、この別表に「○○○○・○○」という6桁の数字で示している番号がある。これを一般的に「HSコード」と言う。(上記6桁は世界共通コード。)国際貿易商品の名称及び分類を世界的に統一したシステム。
・「HS」 "Harmonized Commodity Description and Coding System"(商品の名称および分類についての統一システムに関する国際条約の付属書である「国際統一商品分類(HS)」に準拠。輸出統計品目表と輸入統計品目表とでは、HS条約の品目表の6桁までの番号区分は共通であるが、統計細分の体系は国ごとに異なっている。

3-3 規制の要件
キャッチオール規制においては、規制対象貨物の輸出・技術の提供であって次に掲げる要件に該当した場合に許可申請の対象となる。
①客観要件 ②インフォーム用件 ③相手国。

①客観要件(KNOW規制要件)(用途要件+需要者要件)
輸出取引の契約書や輸出者が当該輸出に関し入手した文書及び記録媒体又は当該輸入者や需要者若しくはこれらの代理人からの連絡により次の事実が明らかになった場合
a 輸出する貨物又は提供する技術が核兵器等の開発等及び経済産業省令「輸出貨物が核兵器の開発等のために用いられるおそれがある場合を定める省令(おそれ省令)」別表及びおそれ告示に掲げる行為に用いられること(用途要件)
b 需要者が核兵器等の開発等を行っている又は過去に行っていたこと(需要者要件)
c 需要者が経済産業省が作成する外国ユーザーリスト等に掲載されていること(需要者要件)

キャッチオール規制では、まず、輸出者自身が、その貨物が大量破壊兵器の開発等に用いられるおそれがあるか否かを判断する必要がある。従い、現地輸入者が代理店である場合は、代理店のみならず、代理店から先の最終エンドユーザーまでチェックが必要。
この判断を助けるための情報として、経済産業省で公表しているリスト:
 懸念貨物リスト
 ユーザーリスト
 
需要者がわからない海外代理店の在庫販売のケースは輸出する貨物が規制対象の場合は、客観要件のチェックを行う。ただし、需要者が確定していないので、需要者要件に該当はしない。例えば、汎用品の中には、ある特定の用途に専用で用いられる民生品もあることから、法令上、用途要件に該当することがあり得るので、用途要件のチェックが必要。

輸出者である国内販売店を経由する間接貿易の場合、外為法上の輸出者に当たる国内代理店が客観要件のチェックを行う。(但し、メーカーも、国内代理店に対して必要な協力を行うことが、輸出管理の実効性を高める意味で重要。)

②インフォーム要件(通知要件)
輸出される貨物・提供される技術が大量破壊兵器等の開発等に使用されるおそれがあるものとして、経済産業大臣から輸出許可の申請をすべき旨の通知を受けたとき。

③規制対象地域:全地域。
ただし、我が国と同じように大量破壊兵器の不拡散政策をとり、厳しい輸出管理をしている、いわゆるホワイト国については、規制対象地域から外れる。次に掲げる26ヶ国を仕向地(輸出令別表第4の2に掲げる地域)とする場合:輸出令別表第4の2
アイルランド、アメリカ合衆国、アルゼンチン、イタリア、英国、オーストラリア、オーストリア、オランダ、カナダ、ギリシャ、スイス、スウェーデン、スペイン、大韓民国、チェコ、デンマーク、ドイツ、ニュージーランド、ノルウェー、ハンガリー、フィンランド、フランス、ベルギー、ポーランド、ポルトガル、ルクセンブルク

上記の判断手続きは、社内的に行う。当該制度は、各企業の自主性に任される部分が大きく、社内にCP(コンプライアンス・プログラム)を整備し、輸出管理を適切に実行する自主管理が強く求められている。 貿易比率の大きい会社では社内規定として「安全保障輸出管理内部基準」を策定し、各自のフォーム(雛形あり)にて輸出担当部門、管理部門が中心となって、輸出のつど、このフォームにしたがって、判定を行っている。

4. 非該当証明及び非該当判定書
上記(ア)(イ)(ウ)の「リスト規制」の規制対象貨物・技術を輸出する場合や、(エ)キャッチオール規制対象となる場合は経済産業大臣の輸出許可が必要。逆に言えばそれ以外は輸出許可不要→ただし、税関にて、該非判定を適切に行っているか問われる場合がある。輸出許可が不要なら不要で税関に許可不要であることを証明(非該当証明)しなければならない。 
①その証明方法の1つとして、通関業者から「パラメータシート」や「項目別対比表」が求められる場合がある。パラメーターシートや項目別対比表は、法令で定められた様式ではなく、CISTEC(財団法人 安全保障貿易情報センター)が該非判定用の書式として独自に作成し、販売しているものであるが、許可申請や税関申告時には一般的にこれが利用されている。 「パラメータシート」や「項目別対比表」は、税関で最終的に輸出許可の要否を判断するためにメーカーが作成し、輸出者へ提供する資料。CISTECのパラメータシートの様式を真似たものもあり、一般的には非該当判定書とよぶ。
・輸出者が商社の場合、当該貨物の該当非該当の判定を商社等が行なうことは一般に困難→通常、商社はメーカーに依頼し判定結果を入手する。商社はこれを基に非該当判定書を作成し、メーカーの判定結果を添付して税関に提出。
・輸出者がメーカー自身である場合:メーカー自らが「非該当判定書」を発行し、通関業者経由税関に提出。
② CISTEC(財団法人安全保障貿易情報センター)の公表リスト
現在通商産業省の関連団体である財団法人安全保障貿易センター(CISTEC) において、企業(メーカー等)が輸出令別表第1(16の項を除く。)に非該当であると判定し、CISTEC (財団法人安全保障貿易情報センター)の「自主判定公表規約」に基づき、CISTECに公表依頼を行なった貨物の「型及び銘柄」を詳しくリストアップして公表しており、これが税関側における非該当であることの判断材料の一つとなっている。 これをCISTEC「公表リスト」と言い、ここに公表済みであれば、個別のパラメータ・シート提出は不要。輸出通関時に、インボイスに公表年月を表示する。CISTEC「公表リスト」は、CISTECから購入する。

4.輸出「承認」が必要な場合----(オ)国際収支均衡維持ならびに外国貿易および国民経済の健全な発展。
(1)輸出貿易管理令別表2の貨物
①国内需給物資の確保:配合飼料、うなぎの稚魚など
②取引秩序維持:漁労施設を有する船舶など。
③国際協定:ワシントン条約の動植物(付属書I,II)、冷凍のアサリ等、特定有害廃棄物(バーゼル)、モントリオール
④輸出禁制品:麻薬、偽造貨幣、特許権等侵害物品等、風俗、国宝など

5.その他
・輸出について、原産地虚偽表示の規定は関税法には無い。(輸出入取引法に規定あり)輸入は関税法70条で税関長が許可しない。
・輸出貿易管理令 仮陸揚げ貨物でMade in Japanまたは類似の表示をした外国製貨物→経済産業大臣の承認要。
・輸出入取引法:「外国貿易の健全な発展」を図るため「不公正な■■■■」を禁止
輸出入取引法第2条
1.仕向け国の法令により保護される工業所有権または著作権を侵害する貨物の輸出禁止。
2.虚偽の原産地を法事した貨物の輸出禁止(同様の貨物の輸入取引について禁止の定め無し)
3.不公正な商慣習、、品質誤認表示した貨物の輸出
(答)輸出取引
相手国の工業所有権などを侵害すべき貨物や原産地を偽った貨物、契約要件など著しく公正さを欠く場合など。
経済産業大臣は1年以内の期間を限り、品目または仕向け地を定めて貨物の輸出停止を命ずることができる。
・日米政府間の協定で実施されていた我が国からの米国向け繊維製品のビザ制度はWTO繊維協定がGATTに統合した事から2005年1月1日より廃止された。
・FAO採択の木製梱包の規制ガイドライン(ISPM No.15)
EU 2005/3 米、カナダ 2005・9中国、台湾韓国 済み
 日本:未定

カルネ(通関手帳)

2009年01月12日 | 貿易実務
【1】ATAカルネ
①世界の主要国の間で結ばれている「物品の一時輸入のための通関手帳に関する通関条約(ATA条約)」に基づく国際的制度による通関用書類。
社団法人 日本商事仲裁協会で発行。
②展覧会、博覧会等に出品するための物品または、巡回興業用の興業用物品等を日本から一時持ち込み、期間終了後再び外国へ持ち出す場合、持ち込む前に日本でATAカルネを取得しておくと、先方での輸出入の通関手続が免税扱いにより簡単で速くできる。
③カルネ利用の要件
・ATAカルネ発給国が、ATA条約に加盟していること
・有効期間:カルネ発給日から1年以内
・利用できる物品の主なもの:商品見本、職業用具、展示用物品等で法律で定められているものであること
・利用者は、持ち込んだ物品はATAカルネの有効期間内に必ず持ち出す義務がある。→再輸出免税が適用され、「輸入時」に関税が免除される。
④商品見本をATAカルネで一時輸入しようとする場合には、輸入申告書に代えてATAカルネで輸入申告できる。


【2】SCCカルネ:日本・台湾の間で締結された民間協定に基づいて社団法人日本商事仲裁協会が発給する台湾向けの特別通関手帳。
SCCは、Special Customs Clearance(特別通関)の略称であり、カルネ (Carnet:仏語) は手帳の意味。

海上運賃

2009年01月12日 | 貿易実務
【1】海運同盟
①運賃延戻制
一定期間(通常6ヶ月)同盟船だけに積んだ荷主に対して、その後の一定期間も同盟船に積むことを条件に前の一定期間に支払った運賃の一部(通常9.5%以内)を戻すこと。

②契約運賃制(二重運賃制)
(原則)同盟船にのみ船積みすることを契約すると、安い運賃が適用。違反すると違約金等の制裁。
(例外)「盟外船積の特認」FOB契約の場合、本船の指定権は輸入者にある→輸入者が盟外船を指定したときは、その事実を証明するL/Cや書信電信の写しを添付した「盟外船積の特認」の申請を同盟に提出し承認を受ければ契約違反とならない。

アメリカの1998年改正海運法→海運同盟の規制が認められず、海運同盟は弱体化。

【2】傭船
(1)定期船(Liner Vessel)個品運送契約
①バースターム, Berth Term、積地、揚地の船内荷役費を運送人が負担するという取引条件。定期航路では殆どこの運賃条件。ライナータームと同義。定期在来船、定期コンテナ船に使われる。
②在来定期船に適用されるライナーターム(バースターム)運賃条件(貨物の積込み、荷揚げ費用含む)における船会社の責任:Takle to Takele→責任開始:船会社が船積港で荷主の貨物を船側で吊り上げて受け取ったとき。責任完了:荷揚げ港の船側で荷受人に貨物を荷卸して引き渡したとき
③(Box Rate)コンテナ建て運賃
(イ)FAK (Freight All Kinds Box Rate):品目に関係なく適用
(ロ)CBR(Commodity Box Rate):品目別運賃

(2)不定期船(Tramper)傭船契約 傭船契約船荷証券(Charter Party B/L)→UCC25条
L/Cが要求しているのならB/Kは買取る。
①バースタームBerth Term:積地、揚地の船内荷役費を運送人が負担
②FIO(Free In and Out):積込/荷卸費用の両方を荷主が負担。
③FO(Free Out): 荷卸費用は船会社からみて無関係すなわち荷主負担。
④FI(Free In) :積込費用のみを荷主が負担。

(3)CQD (Customary Quick Dispatch) − 慣習的早荷役
上記の傭船契約に際して、船舶の効率的運用の見地から荷役のための本船停泊期間Laydays (Laytime)について許容される期間。
その港での慣習的な荷役方法及び能力に従ってできるだけ早く荷役するという取決め。その港の標準的な能力に対比し、荷役が遅れた場合は滞船料の対象となる。当該港の荷役能力や施設など情報が十分でない時に多く利用される。

この条件の他に傭船契約では、荷卸のための特定の日数を取決める。
・それよりも早ければ船会社が荷主に早出料Dispatch Moneyを払う。
・遅ければ滞船料Demurrageを荷主が船会社に払う
・連続停泊期間Running Laydaysや 好天荷役日Weather Working Daysなどの条件がある。

【3】海上運賃
(1)①従量建運賃 メトリックトン M/T タリフ上Wと表記。1m3を以って1容積トンとする。
  ②従量・容積建運賃 タリフ上W/Mと表記。
(2)Tariff
海運同盟が協定して公表 Base RateはBerth Term(バースターム 船舶への貨物積込・荷卸費用込)で設定。 
CAF (Currency Adjustment Factor)  
BAF (Bunker Adjustment Factor)
CFSチャージ(コンテナ内に混載する費用)→積み地、揚げ地の双方で発生する。
コンテナ・ターミナル・チャージ
(3)貨物が少量かまたは貨物の容積もしくは金額が極めて小さいため、最低運賃を課するに至らない場合には、パーセル運賃(Parcel Freight)を適用し、船荷証券の変わりに荷物運送状(Parcel Receipt)が発行される。
(4)Optional Charge
揚地選定条件付貨物(Optional Cargo→積み付けに特別な配慮が必要。割増運賃としてOptional Charge 荷送り人または荷受人は本船出港後本船が最初の陸揚げ地に到着する一定日時(通常24時間前)に陸揚げ地にある船会社の代理店に通知する。

【4】NVOCC (Non Vessel Operating Common Carrier)
米国海事法上の定義:非船舶運航業者。船舶などの運送手段を自ら所有せず、海上運送人など実運送人のサービスを使って輸送する者。わが国では一般に、運送取扱い事業法に規定する外航海運利用運送事業者を指す。


信用状

2009年01月11日 | 貿易実務
信用状(L/C)
貿易決済手段としての「信用状」

海外の企業と取引を行う場合、果たして本当に売買代金を支払ってもらえるかは、重要な問題である。これを解決するひとつの方法に「信用状」信用状(L/C : Letter of Credit)がある。

一般的な貨物の流れ

貨物船で荷物を運ぶとき、船会社は貨物を積んだ場合、いわば貨物の引換証として「船荷証券」(B/L: Bill of Lading)を荷主(輸出者)に発行する。輸出者はこのB/Lを輸入者に国際郵便等で送る。これを受け取った輸入者は貨物が到着したら船荷証券と引き換えに貨物を受け取る。船荷証券が無ければ貨物を受け取ることはできない。

ここで、輸入者にただ単に船荷証券を渡してしまっては、輸入者が契約した代金を払わなければ、輸出者は代金を受け取れない。 そこで、L/Cを使い、代金回収を確実なものとする。

L/Cを使った貨物の流れ

L/Cを使う場合の特徴は輸出者と輸入者との間に銀行が入り、輸出者から輸入者に直接貨物引換証であるB/Lを送っていたのを、銀行経由で送ることとし、輸入者が確実に代金を支払うようことを輸入者の取引銀行が保証する点である。

その流れは下記の通りである。

(1)買主(輸入者)が買主の取引銀行にL/Cを開設するように依頼する。この場合買主はL/C Applicant (開設依頼人)と呼ばれる。

(2)買主の銀行はL/Cを開設(L/Cという書類を発行すること)し、その旨を輸出地の銀行に通知する。L/Cを開設した買主の銀行をIssuing Bank (開設銀行)と呼ぶ。

(3)L/Cの開設を知らされた輸出地の銀行は、売主にL/Cが開設されたことを連絡する。この場合の輸出地の銀行をAdvising Bank(通知銀行)と呼ぶ。

(4)L/C開設の通知を受けた売主は、L/Cの条件(L/Cにはいつまでに船積みしろとか、B/Lのほかにどんな書類を準備しろとかの条件が書かれている)にしたがって船積みし、船会社から船荷証券(B/L)を受け取る。売買契約がCIFやCIPの場合は輸出者が保険の手配をする。

(5)輸出者はL/Cで指定された必要書類(B/L、保険証券、Invoice(請求書)、Packing List(梱包明細書)等)とBill of Exchange(荷為替手形)をそろえて輸出地の銀行に持ち込む。輸出者はかようなL/Cの制度のメリットを享受することができるのでBeneficiary(受益者)と呼ばれる。

(6)輸出地の銀行はL/Cで求めている書類と、輸出者が持ち込んだ書類が合致していればその書類と引換に売買代金を輸出者に立替払いする。この場合の輸出地の銀行をNegotiation Bank (買取銀行)と言う。輸出地の銀行は輸出者から買い取ったB/Lを始めとする一連の書類を輸入地のL/C開設銀行に国際郵便等で発送する。

(7)それを受け取った輸入地のL/C開設銀行は買主(輸入者/Applicant)に対して代金の支払い(荷為替手形の決済)を請求し、代金が支払われるとB/Lを始めとする一連の書類を買主に手渡す。買主はB/Lを輸入地の船会社に持って行きそれと交換に貨物を引き取ることができる。

(8) 買主から支払いを受けた開設銀行は、その代金を輸出地の買取銀行に返金(REIMBURSEMENT)する。

L/Cを利用することにより、輸出者は船積と同時に輸出代金を回収でき、輸出代金の取り損ねを回避できる。輸入者は、輸入代金を前払いしたのに係らず貨物が届かない心配をする必要がなくなる、というメリットがある。

関係者

(1)輸入地

取引銀行に、外国向け為替手形取引約定書を提出。付帯貨物と付属書類はすべて買取に伴う担保として差し入れる。



①Applicant→発行依頼人(輸入者)

②Issuing Bank, Opening Bank→発行銀行

(2)輸出地

③Advising Bank→通知銀行

(Issuing B/Kの支店があるときは自行支店、無いときはAdvising B/KのコルレスB/K)

④Beneficiary, Adressee, User →受益者(輸出者)

⑤Negotiation Bank→買取銀行

輸出手形の買取が特定の銀行に指定されているRestricted L/Cの場合は、通知銀行と買取銀行は必ずしも一致しない。


(3)第3国

⑥Reimbursement Bank 補償銀行

・L/Cに基づいて手形の買取を行った銀行に対し、信用状発行銀行自らがその手形代金を送金などで直接支払うのではなく、第3の銀行に買取銀行への支払い処理を委任し、その銀行が発行銀行の本来支払うべき代金を買取銀行に支払う。この委任を受けた銀行を補償銀行Reimbursement Bankという。通常ロンドンやNYなど国際金融の中心的都市に所在する発行銀行のコルレス先が指定される。

・L/Cネゴ→買取B/Kが輸出代金をBeneficiaryに支払う(立替払い)→(i)決済手形を作成し、Reimbursement B/Kに。→(ii)船積書類はIssuing Bankに送付。(ここで作成される手形は、買取銀行作成のもの。 Shipper作成の手形は船積書類として別途送付。)

・Reimbursement Bankは、(i)L/C発行銀行の口座から引落し、買取銀行の口座へ入金。(ii)L/C発行銀行には引落し通知 (iii)買取銀行には入金通知。

・TT Reimbursement方式では買取銀行は補償銀行に電信で支払い請求を行い直ちに決済するため輸出者側にMail Intは発生しない。輸入者側が補償銀行の決済から金利を負担する。そこで、L/CにはTT Reimburusement prohibitedという条項が付け加えられることがある。

一方、輸出者の船積書類を買取った輸出地の銀行は買取代金をL/C発行銀行に請求(償還請求:Reimbursement Claim)するが、これを電信(TT)で行うことを買取銀行に輸入者が許す場合、TT Reimbursement acceptableという文言がL/Cに書かれる。(通常、償還請求は郵送)

輸入地のL/C発行銀行が、輸入代金を立替払した形となり、輸入者はL/C発行銀行に対し手形取立期間立替え金利(Mail Days Interest)を余分に支払う。(手形取立期間立替え金利を為替相場に織り込んだ為替レートがAcceptance Rate)

【2】もっとも重要な原則
① 信用状独立の原則(UCP600第4条a)
② 書類取引性(UCP600第5条)
③ 厳密一致の原則(UCP600 7a, 15a)

【3】L/Cの種類
① 取消不能信用状・取消可能信用状
UCP600では全ての信用状は取消不能信用状 Irrevocable L/C となっている。
② 確認信用状 Confirmed L/C
確認銀行は発行銀行の支払い確約とは別個に独立して、かつ並列的に受益者の主たる債務者として支払い等を確約する。通常は輸出地の通知銀行がなることが多い。
③ 償還請求権付信用状 With Recourse Credit
手形振出人(輸出者)が償還義務を負う信用状。手形の名宛人(輸入者)が手形の支払いが出来なかった場合に、手形の振出人(輸出者)に償還請求される信用状。日本では手形法上、振出人に対する償還請求権を認めているので、償還請求権の無い信用状は日本の手形法では問題が生じた場合は Without Recourse の文言が無効となり、With Recurseとして取り扱われる。
④ Restricted L/C →荷為替手形の買取を特定銀行に指定。 
・This credit is restricted to *** Bank. 
・We (advising bank) are holding instruction for reimbursement.
・Reimbursement as arranged
Restricted L/Cでも、輸出者は特定銀行以外の、自社の取引銀行に書類を買い取りに持ち込むことができる。その場合、書類はL/Cの有効期間内に特定銀行に再買取に持ち込む必要があるので要注意。

買取銀行は必ず指定された銀行を経由して信用状発行銀行に手形の引受けや支払いを求める。

cf. Open L/CとかGeneral L/C: Credit available with ANY BANK BY NEGOTIATION

⑤ Revolving L/C
⑥ 譲渡可能信用状
Transferableと明示されている事。譲渡は1回限り。
⑦ 前貸信用状 (Packing Credit)
輸出商品の製造、集荷資金の前貸しを発行銀行が信用状通知銀行に許容し、その元利を保証するもの。 その約款は赤色で印刷されているので、Red Clause Creditとも呼ばれる。
⑧ 現金信用状 Cash Credit

輸入地の銀行が輸入者の依頼にもとづいて、輸出地の支店もしくはコルレス先に、予め輸入資金を送金の上、これを預金としておき、この資金を引き当てに輸出者がその銀行宛に一覧払い為替手形を振出す事を認め、さらにその支払いを確約したL/C.

⑨ Standby L/C
契約上の債務者が支払いを実行しない場合だけ支払いが行われる銀行信用状。相手が代金決済できなければ売り手はその証拠を提示、スタンバイL/Cに基づき開設銀行から支払いを受ける。→債務不履行の旨を証する書類は要求されるが、船積書類を要求しない。

【4】L/Cのネゴ

国際商業会議所(International Chamber of Commerce、略称ICC)は国際ルールとして「信用状統一規則」を制定しているが、これまで1993年改訂規則が用いられていた。

Uniform Customs and Practice for Documentary Credits, ICC Publication No.600 (UCP 600) is the fully revised rules covering the use of documentary letters of credit produced by the International Chamber of Commerce. These rules was implemented worldwide when they come into force on July 1, 2007. UCP 600 replaced UCP 500.

UCP600は法律ではないが、これに準拠していないL/Cは銀行が買い取ってくれない。

UCP 600 Article 2

"Negotiation means the purchase by the nominated bank of drafts (drawn on a bank other than the nominated bank) and/or documents under a complying presentation, by advancing or agreeing to advance funds to the beneficiary on or before the banking day on which reimbursement is due to the nominated bank."

L/Cに基づくB/LのConsignee

(1)L/C: made out to the order of shipper

① S/I: To order of shipper

② B/L: To order of shipper

(2)L/C: made out to the order

① S/I: To order

② B/L: To order

(3)L/C: made out to the order of ABC Bank

① S/I: To order of ABC Bank

② B/L: To order of ABC Bank

(4)L/C: made out to the order of Applicant

(ApplicantはXYZ Importer Inc.)

① S/I: To order of XYZ Importer Inc.

② B/L: To order of XYZ Importer Inc.

(5) 直送B/LをL/Cで認める場合:

①輸入者に信用あるとき

②B/Lのconsigneeはto order of L/C発行銀行とする→B/L裏面に発行銀行の裏書がないと輸入者は貨物を引取れない。

【5】L/Cネゴの時のBill of Exchange  (貿易実務ハンドブックp438)

(1)For欄→手形金額を数字で記入 US$1,230.00.-

(2)日付欄→ネゴ持込日TOKYO, July 25, 2005 (L/Cの有効期間内である事。)

持込地の地名も明記する。

(3)At欄→L/Cのサイトatxxxxsight of this FIRST of exchange (Second of the same tenor and date being unpaid)

(4)pay to 欄→買取銀行名 The HINODE Bank Ltd, Tokyo or order

(5)the sum of欄→手形金額を文字で記入 dollars one thousand two hundred thirty only in U.S. currency

(6)Value received and charge the same to account of欄(対価文句:この手形について輸出者は既に対価を受領済みに付き、同一額を輸入者に要求されたし。

①L/Cに示された、荷為替手形の名宛人(支払人)要求が at sight drawn on us (drawn on~ ~に手形を振出す)の時 usとはL/C発行銀行つまりABC Bankの事。ABC Bank宛てに手形を振り出す。



Bill of Exchangeには

・Charge the same to account of XYZ Importer Inc.+住所

・Drawn under ABC Bank (L/C発行銀行)L/C No.

(この手形はABC BankのL/CNo.に基づき発行された)

・To ABC Bank(L/C発行銀行)+住所 (Drawn on us=ABC Bank 名宛人、支払い地)


②L/Cの名宛人要求が at sight drawn on applicantの時 →輸入者宛に手形を振り出す。

Bill of Exchangeは、

・Charge the same to account of 記載不要。

・Drawn under ABC Bank L/C No.(この手形はABC BankのL/CNo.に基づき発行された)

・To XYZ Importer Inc.+住所 (Drawn on applicant=輸入者)


【6】Application for Irrevocable Credit (信用状開設依頼書)の留意点(輸入)

(1) Credit available by Beneficiary's Draft(s)

(x) At sight

100% invoice cost とか Full Invoice cost

Drawn on you or your correspondent at your option

荷為替手形はインボイス金額と同額になるため。

(2)T.T.Reimbrusement 、

①acceptedだと買取銀行から信用状発行銀行または補償銀行(決済銀行)に対して電信手段で補償請求→輸出地の買い取り銀行はすぐ補償請求を行ってくる。輸入者は補償銀行の決済日から金利を負担する。

②prohibitedだと、信用状発行銀行は船積み書類が到着後に買取銀行に支払うので、輸入者の金利負担日数は減少する。





船荷証券(1)

2009年01月11日 | 貿易実務

【1】B/Lの性質
①船会社が受け取ったことを示す貨物受取証→要因証券
②船会社が運送を引き受けたことを示す証拠(契約書では無い)
③船荷証券の所持人が貨物の引渡しを請求できる権利証券→債権証券
④船荷証券の裏書きや引渡しにより、他に転売できる有価証券→引渡証券
⑤受託優先約款:B/L一通回収で他は無効となる。
⑥要式証券:国際海上物品運送法第7条にて記載事項法定
⑦文言証券:行使しうる権利の内容が証券記載の文言によって決まる。

【2】B/L揚げ(業界用語)
(1) 輸出者は船会社に連絡し、B/L発行の確認(B/L揚げ)を行う。
(2) 海上運賃がPrepaidのときは、支払いを済ませB/Lを入手する。
(3) 輸出者は、船積終了後、輸入者に船積通知(Shipping Advice)する。
(4) L/CにShipping adviceを行った事の証明を要求される場合もある。

【3】B/Lの裏書
Consignee欄 "to order" "to order of shipper"
 ↓
白地裏書(Blank Endorsement)
輸出者がB/Lの裏面に単純にサインすることにより
B/Lの権利は「輸出者の指図人」(白地裏書されたB/Lの所持人)に移転。
Japan Boeki Co.,Ltd
サイン
--------------------
Manager

輸入地では、輸入者の手形決済または引受け後、B/Lの紛失や盗難に備えて銀行は白地裏書ではなく、輸入者への記名指図人式裏書を行う。

【4】B/Lの約款
(表面約款)
・外観上良好な状態で荷送人から受け取った RECEIVED by the Carrier from the shipper in apparent good order and condition unless otherwise indicated herein(この部分がリマーク)
・B/L一通回収で他は無効となる。
・正当に裏書されたB/Lと引き換えに運送品を引き渡す。
(裏面約款)
・表面に Shipper’s weight, load and count Shipper-packed container または類似の表現の反対の表示が無い限り、運送人が表面記載の運送品を受け取った事を証明する推定証拠となる。→Shipper’s weight, load and count Shipper-packed containerの記載があると、(不知約款)B/L記載の貨物の明細は荷主によって申告されたもので、その正確性について運送人は責任を負わない。
・「ヘーグウイスビールール」に基づく日本国の国際海上物品運送法による
・海上運送人の賠償責任限度額は1梱包または1単位あたりで設定。1荷主が1個のコンテナを使用するFCLの場合、「B/L上にパッキング数が記載されていなければ」1コンテナが1梱包ないしは1単位となり、運送人の責任限度額は1コンテナあたり666.67SDRまたは1Kgあたり2SDRのいずれか多い金額となる。
・譲渡禁止と書いてない限り、裏書によりB/L記載の運送品を譲渡できる。
・不測の事態の場合、運送が終了したものとして処理でき、運送人は運賃前払いでも返還せず、運賃あと払いでも請求できる。
・荷主に通告することなく、甲板積みとし、その旨をB/Lに記載することを要しない。
・B/Lに甲板積みと記載された運送品のいかなる滅失損傷についても運送人は責任を負わない。
・B/L上のNotifyに通知しなくても運送人は責任を負わない。
・クレームの対象になるのは損失のあった運送品そのものの価値だけ。
そこから発生する費用すべては「間接損害(Consequential Loss)」となり、「遅延」について一切免責を謳っている。
・荷主により詰められ封印に異常が無い状態で引き渡されたコンテナ内の貨物の貨物損傷については運送人を責任を負わない
・共同海損はヨーク・アントワープ規則による。
・ニュージェイソン約款を運送人は援用できる。New Jason Clause:船長、船員の過失で貨物に滅失、損害が生じても共同海損が成立し、船会社が荷主に対してその費用の分担を請求できる船会社側の免責条項

【5】B/LのFreight欄

_______ オリジナルB/L上  B/Lコピー上

As Arranged______運賃表示ない      運賃でる

Actual_____________運賃でる          運賃でる

Blank_______________運賃

【6】コンテナ船 
(1)コンテナ船の種類
① LO/LO方式 (Lift On / Lift Off):クレーンで荷役
② RO/RO方式 (Roll On / Roll Off):トラックやクレーンがコンテナを積んで本船内に運び込む。
③ コンテナ:20ft、40ft ISOで規格化されている。
(2)FCL (Full Container Load)
・荷主:コンテナ扱いの承認を税関長から得る
    ↓
・船会社は荷主から空コンテナの借入れの申し込みがあると、ブッキングリストと照合し、コンテナを荷主に貸し出す。
・空コンテナ貸出し時に、コンテナ機器引渡し指図書(Equipment Dispatch Order:EDO)をCYオペレータに発行する。
    ↓
・荷主は空コンテナを、船会社の代理人であるCYオペレータより借受け、機器受渡証(Equipment Interchange Receipt Out=EIR-out)を取り交わし、荷主の倉庫まで運ぶ。
・船会社所定のコンテナ・シールが交付される。
・無料借り出し期間を過ぎるとコンテナ留置料 Container Equipment Detention Chargeが徴収される。
    ↓
・借りた空のコンテナに貨物を詰め、施封(シール)する。
コンテナ扱いは検査の必要性の少ない貨物に認められるので、通常、検査が省略されることが多い。
    ↓
・コンテナ内積付表(Container Load Plan;CLP)を作成
    ↓
・海貨業者はS/Iに基づき船会社にD/R(ドックレシート)により船積申し込み。
    ↓
・通関手続き(ヤード通関)
    ↓
・CY(Container Yard)へ搬入
 D/Rドック・レシート(COPY)、CLP、輸出許可証をCYに提出。
    ↓
・ゲートクラークGate Clerkが書類とコンテナの封印等外観をチェック。
    ↓
・異常ないと、CYオペレーターはD/Rに署名し、貨物の受取証として輸出者、海貨業者に引渡す。
    ↓
・船積(税関よりE/P Export PermitとD/R返却)
    ↓
・Received B/L
(Received apparently good order...for shipment)
    ↓
・船積証明追記 On board notation (Laden on board the vessel欄に船積日+本船名+署名で受取船荷証券 は 船積船荷証券となる。)

1)Shipper欄
Japan Boeki Co.,Ltd
1-2-3 Marunouchi Chiyodaku, Tokyo, Japan

2) B/LのConsignee欄
L/Cの表現による。to the order of shipper , to order of shipper 裏書必要
to the order of **** Bank 裏書不要
3)Notify欄
L/Cの表現による。Thai Smile Co., Ltd.
Soi 456 Bangkok, Thailand

4)B/L No. 欄(右上)、その上にForwarding Agents欄があり、乙仲名が入る。

5)Place of Receipt欄
コンテナ輸送のReceived B/Lの場合、B/L dateは運送人が貨物を受け取った日であり、船積日を表していない。 この場合、船積の証拠は On Board Notationとなる。

シッピングインストラクションによる。
FCLは YOKOHAMA CYとか LCLはTOKYO CFSとか。 CY CFS名が入る。

6)Ocean Vessel欄
シッピングインストラクションによる。
MIKADOMARU Voy 43Sとか。

7)Port of Loading欄 港名+国名
シッピングインストラクションによる。
YOKOHAMA, JAPANとか。

8)Port of Discharge欄 港名+国名
シッピングインストラクションによる。
Bangkok, Thailandとか

9)Place of Delivery欄 
シッピングインストラクションによる。 Bangkok CFSとか。 

10)Container No.
Seal No.
Marks & Numbers欄

 Container No. PWSU 000/40
 Seal No. PWS 12345
 Marks & No.

Thai Smile Co., Ltd.
BANGKOK
C/No. 1-10
Made in Japan

11) No.of Containers or Pkgs

(FCLの場合)
1 Container
===========
10 Cartons

(LCLの場合)
 10 Cartons

12)Description of Goods欄
MACHINE TOOL
MODEL FB-59

13)Gross Weight 欄
(KGS)
1490

14)Measurement欄
(M3)
23.00

15) Shipper's pack FCLの場合、不知文言が記載される。
"Shipper's load and count, said to contain"

16) Kind of Packages; Description of Goods欄の一番下に
"FREIGHT PREPAID" (CIFやC&F (CFR)の時)

17) Total number of Containers or other Packages of Units (in words)
SAY:ONE(1) CONTAINER ONLY OR TEN(10) CARTONS

18)FREIGHT & CHARGES欄
・Freight as arranged
・明細表示の場合
Base Freight US$ 22.707 / Revenue Ton
Per US$39.00M3
Collect US$***885.57
B.A.F. / C.A.F. 32.0% 12.3%
Collect US$***392.31
Total US$1,277.88

19)Prepaid at Payable at欄 Destination

20)Number of Original B/L欄
Three(3) 読みをつづって、( )内に数字を書く。

21)Place and Date of Issue欄
YOKOHAMA, JAPAN APR.23, 2005
コンテナ船輸送のReceived B/Lの場合、B/L dateは運送人が貨物を受け取った日であり、船積日を表していない。そこで、船積みの証拠は On Board Notationとなる。

22)Laden on Board the Vessel欄
Vessel MIKADOMARU Voy 43S
Port of Loading YOKOHAMA, JAPAN
Date APR.23 2005

23)As Carrier欄
FUJISAN LOGISTICS CO.,LTD.


②LCL (Less than Container Load) (上屋通関)
貨物を保税蔵置場に一時蔵置

港頭保税地域で通関
 ↓
小口貨物をCFSへ搬入
 ↓
CFSで他のLCL貨物とともにコンテナに混載
 ↓
CLPはCFSで作成。CFSでコンテナにシール
 ↓
Container Freight Operatorがコンテナ詰めの終わった貨物を受け取る
 ↓
ドックレシート発行
(在来船のときに発行される本船貨物受取証M/R Mate's Receiptに相当。)
 ↓
・Received B/L
(Received apparently good order...for shipment)
 ↓
船積証明追記 On board notation
(Laden on board the vessel に船積日+本船名+署名
追記で受取船荷証券 は 船積船荷証券となる。)

【7】在来船

(1)在来船の書類の流れ
①S/I Shipping Instruction (輸出者 船積依頼書)
 ↓
②S/A Shipping Application (海貨業者)
 ↓
③S/O Shipping Order(船会社 船積指図書)
          ↓
①輸出申告書 ↓
 ↓       ↓
②輸出許可書 ↓
 ↓       ↓
④検数人 Tally Man 
 ↓
⑤M/R Mate's Report(一等航海士)
 (本船貨物受領書)
 ↓
⑥ B/L

(2)在来船の船積み
①(自家積み または 直積み)大口貨物:在来船に積む貨物は、工場などから出荷→保税上屋である海貨業者の施設で通関→輸出許可→保税運送により岸壁または艀により、本船まで運ばれ海貨業者により船積み。
②(総積み)小口貨物:本船入港前に、あらかじめ船会社指定の船積み代理店(Shipping Agent)またはステベ (Stevedore:本船への貨物積卸し、積みつけ。作業範囲は本船内のみ)に引渡→本船入港後Shipping Agentによって一括船側に運搬→船積み
③Shipped B/L
(Shipped in apparent good order on board)

【8】貨物に異状
(1)船積時
①コンテナ船→ドックレシートにリマーク記入
②在来船→本船貨物受取証(M/R)にリマーク記入
③リマークの例
10 cartons partly Band off
2 cases corner crushed
3 cases damaged, contents exposed
3 cases broken, contents OK
3 cases broken repaired
15 pieces shrot in dispute
15 pieces over in dispute
3 outer bags torn
Mark indistinct
 ↓
Foul B/L
 ↓
L/Cネゴできない
 ↓
L/I : 輸出者は船会社に保証状(L/I Letter of Indemnity)~実質的な商慣習と国際海上物品運送法21条原則で有効、第三社欺く意図は無効
 ↓
Clean B/L発行へ。

(2)引取時
①コンテナ船→デバンニングレポートにリマーク記入
②在来船→ボートノートにリマーク記入

船会社や運送会社の責任を明確にしておく

(3)引き取り時は発見できなかったが、貨物受領3日以内→予備クレーム
表示ない      運賃表示ない

海上貨物保険(2)

2009年01月11日 | 貿易実務
【1】保険期間の終期
***予備クレーム***保険期間終期*賠償の時効
(貨物受取日から) 
船******3日****60日*****1年 →「時効延長願い」
AIR*****14日*** *30日*****到着から2年
(1)保険証券記載の仕向け地にある荷受人の最終倉庫または保管場所に引渡されるとき
(2)運送の通常の過程としてではない貨物の保管場所あるいは貨物の区分けや配分のために使用する場所に引き渡されるまで。
(3)但し、本船荷卸し後仕向地の最終倉庫に引き渡されるまでの期間が不定となることを避けるため:
・本船荷卸し完了後60日
・飛行機の場合は 30日
(4)貨物海上保険において戦争保険を付保した場合の担保期間:
・貨物が陸上にある間は担保されない。
・担保期間は本船積込→荷卸まで。
・荷卸が遅れた場合、担保期間の終期は最終荷卸港に本船が到着した日の午後12時から起算して15日間。積替港にて第2船待ちの間も15日間を限度として担保される。
・ AIRの場合は航空機に積込から最終荷卸地で荷卸または到着後15日
(5)被保険者の支配し得ない事情により本船の運送契約打ち切り→その事情を知った後、直ちに保険者に通知し、請求に応じて割増保険料を支払うならば、保険契約は期間の制限はあるが(打切り港到着後いわゆる倉庫間条項に基づいて60日以内に保険証券記載地もしくは他の地に継搬される場合)契約上の仕向地まで継続する。
(6)被保険者の左右し得ない遅延、離路、再積込等や、運送契約上船主または傭船者の自由裁量権から生じる危険の変更→割増保険料とらないで保険は継続する。

【2】保険金額 CIF金額の110%
(1) 保険金額 1.1X(Cost + Freight) / (1-1.1R)
R=保険料率 C&F $100,000.とすると、$110.608.35→端数切上げ$110,609.
(2) 保険料 (Cost+Freight)X1.1R / (1-1.1R)

【3】保険の担保の仕方
(1) フランチャイズ(Franchise)方式:損害が一定割合に達した場合、全額を填補するが、一定割合未満の場合は填補しないフランチャイズ(Franchise)→現実の損害が3%とか5%の免責歩合を超過した場合、その損害全部が填補される。
・保険条件を単にWAとして契約すると、保険証券本文の免責歩合条項(メモランダム条項)が適用されてフランチャイズ方式が適用される。
・そこで、通常は証券上に WA(I.O.P)と表示してメモランダム条項を適用しないようにしている。Irrespective of Percentageの略。

(2) エクセス(Excess)方式:貨物海上保険において、一定割合の損害は取引に常に伴うものとして損害が一定割合を超過した場合、その超過した部分のみを填補する。
エクセス(Excess) の場合は、免責歩合をこえた貨物の損傷について、超過部分についてだけが填補される。
(3) 損率協定
①貨物が被損状態で到着した場合に備え、あらかじめ保険金額の何%を被保険者に払うかを約束する協定。
②損害貨物の手入れ、売却、損害額確定後保険の填補では時間がかかる。
③そこで、損害貨物の処理方法、現状回復のための費用、貨物の値引率などを検討し、保険者と損率を協定、早期に支払いが受けられるようにする。
④CIF価格を基準
⑤英米法上、その評価が貨物の実価を相当超える場合でも、被保険者に詐欺が存在しない限り、また、実価を超えることが保険者に告知され、保険者も了承していれば、後日保険者からその減額を求めることはできない。

【4】保険証券の裏書
CIF、CIPで輸出者が保険料支払い
 ↓
保険証券上保険金受取人は「輸出者」のまま
 ↓
しかし、契約の危険負担はCIFなら船積時
CIPなら運送人への貨物引渡し時に、輸入者に移転している。
 ↓
そこで、保険金を輸入者が受け取れるように、保険証券に
輸出者による裏書をする。Blank Endorsement
裏書の方法
Japan BOEKI
(サイン)
----------------------
Authorized Signature

【5】クレーム(貨物引取り時)
①船:貨物引渡しまでに発見
・ボートノートに:在来船
・デバンニングレポートに:LCL
・E/R OUTに: FCLでCY搬出時にコンテナおよびシールの損傷、破損を点検→シールに異常の旨を機器受渡証E/R Outにリマークとして明記→CYオペレータと受取人双方が署名し一部ずつ保管→それが書面での事故通知とみなされる。

cf船積時
M/R:在来船 ドックレ:コンテナ船 にリマーク→L/G→Foul B/L→Clean B/L

②船:貨物受け取り後発見→貨物受取り「3日以内」に船会社に事故通知Claim Notice、損害賠償請求する権利を留保する申し出である「予備クレーム」 Preliminary Claimを提出する。
Claim Notice
We hereby report you that damage has been found in connection with the following goods, for which we reserve the right to file a claim with you.

③AIR:貨物受け取り後発見→ヘーグ改正ワルソー条約(ヘーグ議定書)にもとづき、損害賠償請求の明細を貨物受取日から14日以内に運送人に提出。

④わが国における海上運送人への損害賠償請求権の消滅時効:貨物が引き渡された日から「1年以内」に裁判上の請求がなされないとき。
・期限切れになる前に解決が不可能と判断→時効期間延長のために運送人に■■■■を届ける。
答:時効延長願い Application for Time Extension

⑤AIR:到着から2年以内に裁判上の請求がなされないとき。

【6】全損の場合 推定全損Constructive Total Loss
(1)Abandonment (委付)
全損の場合、被保険者が全損金を受け取るために、その被保険貨物について有する一切の権利を保険者に委付。
(2)保険会社は貨物の損害について保険金を払った場合に荷主が有する運送人に対する損害賠償請求権を継承。
(3)Subrogation Receipt ■■■■
答:権利移転領収書
保険会社が保険金支払いにより求償権を取得した場合は、被保険者は権利移転領収書Subrogation Receiptに署名し、保険会社に提出。
(4)保険会社:権利移転領収書、損害立証書類を添付して運送人に対し代位求償。

【7】保険会社への保険金請求に必要な書類
Documentation of Claim
①Claim Note 保険金の請求書
②保険証券(まはた保険承認状)
③B/L
④Invoice
⑤損害検査報告書
⑥荷卸港における重量証明書 
⑦船会社に対する求償の往復書簡

・保険額が保険価額を超過:超過部分は無効とされ、保険金支払い対象とならない。
・ 損害防止費用は物的損害との合計額が保険金額を超過しても全額が填補される。
・告知義務違反がなく、事故の発生を知らずに申込があった保険契約は、既に事故が発生していても所定の保険期間の開始時にさかのぼって填補される。→保険契約は、1906年英国海上保険法が規定する通り、最大の善意にもとづく契約。旧証券本文約款の遡及条項(Lost or Not Lost)、新ICC第11条、11.2項。

【8】【輸入】 FOBやC&Fで輸入する場合の付保の方法
(1)手続き
①予定保険 Provisional Insurance→カバーノート→確定保険Definite Insurance
・付保モレを防ぐため、予定保険をつけておく。個別・包括あり。
Cf輸出:船積み前に保険申し込みできるので、必ずしも包括予定保険をつけておかなくても良い。
・日本では輸出の場合に保険証券を発行し、輸入の場合は保険証券の発行を省略している。
・ FOBでもCFRでも一旦CIF価額を算出してからその10%増しで輸入貨物保険をつけている。
・包括予定保険で、個々の確定通知の遅延または脱漏があっても、それらが被保険者の故意または重過失によるものでないことが立証された場合に限り、保険者は確定通知を受けて損害を填補する。通知漏れになっていた貨物が無事故で到着した場合でも、被保険者は確定通知を行い、その分に対する保険料を支払う義務がある。
・個別予定保険申込書の記載例
(イ)(予定)にチェック
(ロ)Claim, if any, payable at (保険支払地)Japan
(ハ) Amount Insured
例:CIF TokyoがYen10,000.- 10%アップで付保。輸入税はCIF15%。
Amount Insured Cargo: abt Yen11,000.-
Duty: abt Yen 1,500.-
(Dutyは、貨物が滅失損傷して質が劣化した場合、関税はInv金額を基準に取られるが、その内の損傷部分の関税をコンペするため。 輸入税率が高率の場合、貨物価額に加算せず、貨物とは別に輸入税の保険をつける方が保険料も割安となり、輸入税支払い後は貨物価額が増額されるので得策である。)
(ニ)Conditions
ALL RISKS
Special Transit Clause (により、陸揚げ後の延長を申し込むとして)
Duty Clause(上述)
(ホ) Ship or Vessel
Approved Air Craft (機名未詳ゆえ。保険者の承認する航空機)
(ヘ) From Los Angeles, USA
(ト) Sailing on or about xxx thru xxx 2005
(チ) To Tokyo
(リ) Thence to (最終仕向港(地)) interior places in Japan
(ヌ) Description of Goods
(ル) Amount Insured (%) (保険金額付保割合)
Cargo 10% up
Duty 15% up
(ヲ) Dated 申込日

②Certificate of Declaration 保険確定証明書(別名Acknowledgement of Declaration)
輸出者は出荷明細が判明したら、すぐに指定された輸出地の保険会社に知らせ、輸入地の保険会社に通知するよう依頼する方法。→輸出地の保険会社は輸出者にCertificate of Declarationを発行→これをNEGO書類の一部とする方法もある。

(2) FOB attachment clause
原則:日本の保険会社の保険証券ではICC1条の「輸送約款-倉庫間約款統合Warehouse to Warehouse条件」により、保険期間は 輸出者の倉庫出発→仕向地の倉庫引渡まで付与される。
しかし:FOB,CFRで輸入する場合で、輸入者が保険契約する時はてすり通過までの危険負担は輸出者。日本の保険証券でかけると輸出者の倉庫出発→てすり までの保険は本来不要。
そこで:FOB,CFRで輸入される貨物の保険を日本の保険会社が引き受ける場合、通常「FOB attachment clause」をつけ、この間のリスクはカバーしないこととし、危険負担の移転時と保険者の責任の始期を一致させる。
・FCA,CPTの場合はFree Carrier Attachement Clause, FASの場合はFAS Attachement Clause。

cf. EX Works Attachment
EXW条件で輸入される貨物について、日本で保険付保する場合、輸入者の貨物に対する危険は貨物が輸出者の倉庫を搬出された時から始まる。→その旨を申し出てICC約款上の保険期間をそのまま適用する必要あり。→この場合保険会社は、FOB時点から保険が開始するのではない事を明確にするため、Ex Works Attachmentという表示をして保険を引き受けるのが通常である。

【9】航空貨物の保険
(1) AWBを利用した荷主保険→AWBの項参照。
(2) 協会航空貨物約款による貨物海上保険証券を使用するもの CIF,CIPの場合、輸出者の保険証券に輸出者が白地裏書して保険金請求権を輸入者に譲渡する事により、輸出者の付保する保険証券で輸入者の危険が担保される。

海上貨物保険(1)

2009年01月11日 | 貿易実務
【1】保険の必要性
船荷証券統一条約(ヘーグルールおよび改正議定書):
・運送人は商業過失および堪航担保主義(航海中における通常の海上危険に堪えうる能力(堪航能力)を備えた船舶を提供すること)のみ責任を負う。
・航海過失(航行または船舶の取り扱いに対する船長、船員、水先人または運送人の使用人の行為、怠慢、または過失)を免責としている。
・故意、過失によらない船舶火災による損害:免責
・天災、戦争、内乱、ストライキ等の不可抗力も免責
・梱包の不備等による貨物損害についても免責。

航海中の荒天遭遇があった場合、貨物に損傷が生じても、運送人(船会社)が「不可抗力あるいは航海過失による貨物損傷であるもの」との主張をすれば、受荷主としては商業過失(運送貨物の積み揚げ、取扱い、積み付け、運送、保管に関する過失)を立証しなければならない→着荷不足を除いて損害賠償請求を求めることは事実上不可能。
・仮に船会社の商業過失が認められ、運送人が有責となったとしても、その責任限度額は1包装または1単位あたりきわめて低い(666.67SDR約10万円、あるいはキロあたり2SDRのいずれか高いほう)ため、荷主の損害をカバーすることができない。

そこで、海上保険を締結:船会社が免責されている航海過失も全額填補し、さらに運送人に対する求償権留保の手続きをとっておくならば、船会社に対する賠償請求部分を含めて保険会社に保険金請求ができる→運送クレームへの対策として貨物に適した保険条件で保険契約を行うことが必要。

【2】保険証券のフォーム
1906年英国海上保険法(Marine Insurance Act, 1906 MIA)
海上保険の判例を整理・訂正し、集大成したもの。海上保険証券の様式はロイズ・フォームによることを規定。 
保険証券にはS.G.フォームとMARフォームの2種類があり、ともに英国海上保険法に準拠。
S.G.フォーム:現在でも17世紀の英語が海上保険証券約款に使用されている。文言が難解で現代商取引上適合しない条項が多いため、別途の規定や約款により内容を補足している。SGとはShip(船舶)and Goods(貨物)の略。
MARフォーム:1982年1月1日にロンドンで制定、S.G.フォームを大幅に簡素化して現代英語による新協会約款(新ICC~SGフォームを使用せず、MARフォームによる)を適用。

【3】ICC約款
海上保険には、ロンドンの保険業者協会が作成した「ICC約款」という保険条件が使用されている。ICC約款には、ICC旧約款とICC新約款があり、どちらも使用されている。

【4】インコタームズによる付保責任
(1)CIF,CIP →輸出者は必ず付保
①保険条件:ICCまたは同様の保険約款の最小限度の保険条件でよい。
「最小限度の保険条件」とは、ICCならFPA、新ICCならC。
現実にはAll risks War Clauses, S.R.C.C.Clause
②保険期間:運送約款に、「Warehouse to Warehouse条件」: 仕出地の倉庫から本船船積までの期間+本船陸揚後、指定倉庫までの期間。→ICC第1条輸送約款-倉庫間約款統合が規定、仕出地の倉庫を出たときから仕向地の倉庫に搬入されるまでの危険を担保。→CIFの場合FOBポイント以前も付保されている。

(2)FOB C&F →輸入者が必ず付保しなければならないものではない。

【5】 貨物保険でカバーされるリスク
①貨物の物的損害 救助料、共同海損費用などの各諸費用損害も。
②損害防止費用だけは、物的損害との合計額が保険金額を超過しても全額が填補される。

【6】 保険会社の免責
①航海遅延に起因する損害
②自然消耗
③梱包不備

【7】1963年(旧)ICC ロイズSG保険証券フォーム
①FPA [分損不担保] Free from Particular Average
FPA条件でカバーされる損害
1. 共同海損による損害 →ヨーク・アントワープルールにて、共同海損の精算を国際的に統一している。
2. 全損:SSBC(沈没Sink、座礁Strand、大火災Burning、衝突Collision)やPerils of the seas(沈没、衝突、座礁などの他、低気圧などによる暴風雨、高波など)による全損。
3. SSBC(沈没、座礁、大火災、衝突)による分損(特定分損) 
(注:潮濡れによる分損はFPAではカバーされない) 
4. 積込、積替、荷卸中の貨物墜落による梱包一個ごとの全損 (FPAではカバーされるが、新ICC(C) ではカバーされない。)
5. 避難港での荷卸の際に生じた損害
6. 救助料、損害防止費用、特別費用

FPAでは、海上輸送の中心的な事故である潮濡れ(Sea Water Damage)のリスクがない原油、石炭、鉄鉱石、木材、大理石といった鉱業品を中心に利用。
*盗難、不着、破曲損、雨淡水濡れ、汚れ、その他:特約で付保。

②WA(With Particular Average 単独海損担保、分損担保)
WA[分損担保] With(Particular)Average
WA条件でカバーされる損害
1. 共同海損による損害
2. 全損:SSBC(沈没、座礁、大火災、衝突)やPerils of the seas(沈没、衝突、座礁などの他、低気圧などによる暴風雨、高波など)による全損。
3. SSBC(沈没、座礁、大火災、衝突)による分損。 
4. 積込、積替、荷卸中の貨物墜落による梱包一個ごとの全損。
(*以上の段階では潮濡れによる分損はまだカバーされていない) 
5. 担保危険による上記以外の分損→ここで、その実質的な内容である潮濡れリスクがカバーされる。潮濡れリスクの高いバルク積み小麦や大豆などの農産品を中心に利用されている。
6. 避難港での荷卸の際に生じた損害
7. 救助料、損害防止費用、特別費用
*保険条件を単にWAとして契約すると、保険証券本文に書いてある免責歩合条項(メモランダム条項)が適用されて「フランチャイズ方式」が適用される。(海難によるものか、貨物の性質によるものか、保険価格の3% 5%などの判断が困難なため)→そこで、通常は証券上にWA(I.O.P : Irrespective of Percentage)と表示してメモランダム条項を適用しないようにする。
*盗難、不着、破曲損、雨淡水濡れ、汚れ、その他:特約で付保。

③ALL RISKS(全危険担保) 1951年の約款。 免責歩合なく、損害全額てん補。
1. 共同海損による損害
2. 全損:SSBC(沈没、座礁、大火災、衝突)やPerils of the seas(沈没、衝突、座礁などの他、低気圧などによる暴風雨、高波など)による全損。
3. SSBC(沈没、座礁、大火災、衝突)による分損。
4. 積込、積替、荷卸中の貨物墜落による梱包一個ごとの全損。
(*以上の段階では潮濡れによる分損はまだカバーされていない)
5. 担保危険による上記以外の分損→ここで、その実質的な内容である潮濡れリスクがカバーされる。
6. 避難港での荷卸の際に生じた損害
7. 救助料、損害防止費用、特別費用
8. 盗難、不着、破曲損、雨淡水濡れ、汚れ、その他もカバーされる。
・保険証券の本文約款では戦争、ストライキ、暴動は担保されていた。それを後に追加されたイタリック約款で免責にしてある。

保険会社が絶対に免責となるもの:
・被保険者の故意→絶対に免責
・固有の瑕疵・性質に起因して生ずる滅失・通常の自然消耗
・不完全梱包→絶対に免責
・通常の損害(通常の損失、重量または容積の自然消耗)→絶対に免責
・放射能汚染損害→絶対に免責
・ISMコード不適合積載貨物に生じた損害→絶対に免責
・化学兵器、生物兵器、生化学兵器または電磁兵器による損害→絶対に免責
・ 航海の遅延→免責MIA55条2項b→絶対に免責

特約で付保するもの
・捕獲拿捕不担保約款(FC&S Clause) 海賊による拘束、抑止、抑留による航海の中絶に基づく損害→戦争危険は免責 War Clausesにて特約可  ICC(A)では標準で担保。
・FSR&CC Clause→港湾ストライキ危険を免責
 →SRCC(Strikes, Riots and Civil Commotion)特約可

【8】売買契約書への記載例
・Insurance: All Risks, War Clauses, S.R.C.C. Clauses for 110% invoice value
・航空貨物は海上貨物とは異なり、海固有の危険がありえないのでA/Rで付保される。

【9】 損害の分類
・Total loss 全損 現実全損
・推定全損
・Particular loss 分損 単独海損

【10】 共同海損(ヨーク・アントワープ・ルール、1974)
船舶と貨物の両方に共同の危険による損害→損害発生→船会社・荷主共同して損害を負担する。
共同海損の成立要件
(イ)船舶、積荷に共同の危険を免れるためであること
(ロ)船長の故意、異状の処分である事
(ハ)損害および費用が生じた事
(ニ)船舶および積荷が保存されたこと

【10】FPA,WA条件でつける保険証券上の表現 (AIRでは一括担保されている)
(Extraneous Risks)
TPND: Theft, Pilferage &/or Non-Delivery
    (盗難、抜荷、不着危険)
ND: Non-Delivery
S'tge: Shortage
RFWD: Rain &/0r Fresh Water Damage
L'kge: Leakage
B'kge: Breakage
H&C: Hook, Mud, Oil, Grease,Acid
Contact with other carge
RV:Rats & Vermin
SH: Sweat & Heat
HSC: Heating & Spontaneous Combustion
JWOB: Jettison投荷
&/or Washing Overboard波ざらい危険

わが国を含む諸国は依然として1963年旧ICCを使用

【11】 新ICC 1982年ICC Institute Cargo Clause
コンテナリゼーションの進展による国際複合輸送に対応。
①ICC(A)→列記された一般免責、不堪航、不適合、戦争、ストライキの各免責条項以外の一切の危険を担保。All Risksとほぼ同じだが、船会社の倒産、原子力関連は免責。海賊行為は担保。
②ICC(B)→しいて言えばWAに対応。 積込み、荷卸し中の水没、または落下による梱包1個ごとの全損を担保しない。
③ICC(C)→しいて言えばFPAに対応。最低限の保証。
④ディスクレ
・L/C要求→Institute Cargo Clause(A)なのに Policy→All Risk はディスクレ
・L/C要求→All RiskなのにPolicy→ICC(A)はL/C条件充足(ISBP186条)

【12】付 保
(1) 貨物海上保険申込書 Application for Marine Cargo Insurance
① Assured被保険者→ CIF売主は買主のために貨物保険を取得しなければならない→CIF売主が貨物海上保険契約を結ぶ。 別段の合意が無ければ、売主は最小担保の保険条件 FPA,ICC(C)を取得すればよい。保険料の支払いは売主)→CIFの場合、Assuredは売主。
② Invoice No.
③ Claim, if any, payable at/in (_) Japan (X)Destination
④ Conditions
(X)All Risks (_)WA (_)FPA (_)ICC(A) (_)ICC(B) (_)ICC(C)(INCL.WAR&SRCC RISKS)
・Sales Noteの記載
Insurance: All Risks, War Clauses, S.R.C.C.Clauses for 110% invoice value

・L/C記載L/C Requires:
Marine Insurance Policy or Certificate endorsed in blank for full CIF value plus 10% covering Institute Cargo Clauses (All Risks), Institute War Clauses and Institute Riots and Civil Commotion Clauses

保険証券の記載
CONDITIONS ALL RISKS
あと、印刷文言としてThis insurance is subject to the following clauses printed or attached on the front or the back of this Policy
Institute Cargo Clauses Institute War Clauses Institute Strikes Riots and Civil Commotion Clauses
⑤ Ship or Vessel 船名
⑥ From YOKOHAMA
  ↓
保険証券の記載は From (Interior port or place of loading)欄に
INT PLACE(S) IN JAPAN
at and from欄に YOKOHAMA
⑦ Sailing on or about May 21, 2005
⑧ TO Bangkok
⑨ Marking & Nos
⑩ Description of Goods→ L/C上の Covering 10units of Machine Tools model FB-59 
→保険証券上には Goods and Merchandises欄に10units of Machine Tools model FB-59 (IN CONTAINER UNDER &/OR ON DECK)
⑪ Documents Required
保険会社からの受け取り枚数(X)Policy (_)Certificate
⑫ Amount Insured(%)
希望利益として保険金額をアップさせる率は10%以上でも良い。10%は慣習。
L/C 上 Full CIF value plus 10%  CIFがUS$150,000.-とすると

申込書 10% of CIF Value

10%とかは出ない Amount Insured欄に10%UPの金額を表示
US$165,000.-
⑬ Dated
⑭ Signature of Applicant

(2)貨物海上保険証券
①Assured(s),etc欄→被保険者
②Amount Insured欄→InvがCIF US$200,000.00.-ならUS$220,000.00.-
③Claim if any欄→Immediate claim must be given to保険代理店
④From欄→INT.PLACE(S) IN JAPAN
⑤Goods and Merchandises欄→ (IN CONTAINER UNDER &/OR ON DECK)

(3) Rider 特約条項
①保険証券に記載された保険の内容をアメンドないし訂正するため、保険会社が発行する保険証券の追加書類。 Endorsementとも言う。
②保険金額の減額、担保条件の縮小訂正:原則として保険証券を回収して行う。

(4) DIC Difference in Condition
条件差保険。一次的に付保されたオリジナルの保険の保険条件が十分でなく、保証が不足する場合に手配される、オリジナルとは別の保険。
例:CIFで輸出者がWAしか手配せず、輸出者からの条件変更が期待できない→輸入者が不足する条項を自ら付保 A/R-WAといった形で表記。

(5) 保険証券上の適用順位
①書き込み部分(Writing Clause)
②紙片添付部分(Printed Slip)
③欄外約款(Margin Clause)
④本文(Body Clause)

【13】輸出FOB保険
・コンテナ船を利用しながらFOB,C&Fを利用すると、手すり通過前の地震損害は付保されない。売主倉庫から手すりまでの輸出FOB保険は地震免責。
・CIFのAll Risks, A,B条件なら、売主の倉庫から本船の手すりまで付保。

【14】輸出者が付保する「未必利益保険」Contingency Insurance
FOB,C&F FCA,CPTで輸出→信用状無しD/P D/A決済だった→売買契約が解除された→出港済み→貨物は無保険状態→「未必利益保険」を付保