一生もの

2006-06-03 13:59:30 | ねっとりネット

国内の無料メールの草分けであるAnetがあとひと月でサービスを終了します。「一生のメルアド。」をうたい文句に始まったのが1997年。「プロバイダが変わってもアドレスはそのまま!?」と何十万人もが飛びつきました。まさかこの「一生」がユーザーの一生ではなくサービスの一生を意味していたとは。

ものすごく困るわけではないですけど、9年も使ってるとアドレスに愛着が湧くもので、ちょっとさびしいですね。しかもかなりの数のメールマガジンの登録変更をしないといけないので気が重いです。実はAnetを使い始めたのも、別の「一生もの」サービスが破綻したからでした。大手出版社の「永久会員」も一年で終わりました。ほかにも似たような経験がいろいろあります。

コピーライターのみなさんには「一生」とか「永久」なんて言葉を軽々しく使わないようにお願いしたいです。キャッチーなぶん、責任を伴いますよ。「信じるほうがわるい」とか言い出したら人類全体の心の純度が下がります。利用規約やら免責事項みたいな法律の話ではなくて、言葉の意味する本質に対してもう少し敬意を払って向き合えよということです。

いま気づいたんですが、語学関係の団体の「終身会員」というのだけは二十年すぎてもまだ続いてます。さすが言葉に敏感な人たちだ。たぶん偶然だろうけど妙に納得がいきました。