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ぽよ熊さんのテレビ観戦記

活字好きはどうぞ!「昭和後期」(新命名)にTVと蜜月期を送った元女の子(笑)で、かつてのバブル世代が死語満載で送ります

徹子の部屋と宇津井健

2006年11月29日 | バラエティ
「徹子の部屋」って、いうまでもなくテレビ朝日の長寿番組だけど。
それに黒柳徹子って、テレビ草創期から出ているタレントの一人という。
「あたしより古い人はそうはいない」と番組で自分で言っていたから、たいしたもの。
あたしたちの世代には、一大ベストセラーになった本「窓ぎわのトットちゃん」、黒柳さんのお母さんが出て来る「チョッちゃんが行くわよ」でも、おなじみ。
そして、もちろん忘れはしない、久米宏さんと一緒に司会をしていた歌番組「ザ・ベストテン」。
サザンも百恵ちゃんも聖子も明菜もたのきんトリオもチェッカーズも、この番組で毎週見ていた。

最近、お昼のテレビをよく見るようになって、「徹子の部屋」を改めて見ていたところ、出演者にある層の人たちが多いなーと思うようになった。
名付けて、「昭和40年代から50年代に有名だった人たち」。
もちろんそうじゃない人たちもたくさんいるけど、たとえば中村メイコと神津カンナ母娘、中尾ミエ、欧陽菲菲といった、他の番組では最近ほとんど見れない人をここでは見ることができる。
当時の婦人公論や暮らしの手帖によく出てきてた人たち、という感じで。
この番組は、定年を迎えてしばらくたったぐらいのシニア世代をけっこう対象にしているのかもね。
その人たちが「古き良き(?)時代」を振り返って懐かしむことができるようなゲストを迎えているのかな。
黒柳さんのリクエストも入っているのかもしれないけど。

で、なんで宇津井健さんかと言うと、あたしはこの人が今年8月この番組に出たのを見たんだけど、なぜかその時の彼が、3か月以上たった今でも忘れられないからだ。
宇津井さんと言えば、前にもこのブログで「追悼藤岡琢也さん」という記事(10月20日付)を書いたとき、ちょっと触れた。
大の山口百恵ファンだったあたしにとって、宇津井さんは百恵ちゃんの赤いシリーズの父親役、という印象が強い(っていうか、それ以外よく知らない)。
その意味ではこの人も、昭和50年代を強く思い出させる人だ。

当時からピシッとしたジャケット姿の印象があったけど、「徹子の部屋」に出ていたこの時も、宇津井さんの体格と姿勢のよさが目立った。
これほどジャケットの上着が似合う人も、なかなかいないと思う。
黒柳さんのお願いで、上着を脱いでワイシャツ姿になった時、ちょっとこの年齢の方にしては驚くほど筋肉が目立った。
「実は運動フリークで、いつも体を鍛えているんです」と話していて、それもこの春亡くなった奥さんの注意を今も実行しているらしい。

つまり、「あなたは俳優なんだから、いつ見られてもいいように、ちゃんとしていなさい」。
近所に行く時もピシッとして、ファンが持っている夢やイメージを壊さないように、と何十年も奥さんに言われてきたとか。
そして体を鍛えるため、実はテレビショッピングで買った運動器具をたくさん持っているんだ、と話していた。
価格も2万円ぐらいで手ごろで、けっこうよく出来たものが多いんだとか。
何より、「宇津井健」と電話口で名前を言うと、「俳優さんと同じですね」と窓口の人に言われて、「本人ですよ」と言うと、「えっ!」と驚かれるとか(そりゃ、そうでしょう)。
一度言った住所をもう一度繰り返させられたり、他の窓口の人に回されたりして、なかなか電話を切ってくれない、と笑っていた。

そういう話をしながら、行きつ戻りつしたのが、やはり、亡くなった奥さんの話。
もともと闘病中で、死期が近いのもわかっていて、亡くなる前自分で葬式から何から全部手配していかれたという。
一人になる宇津井さんが、今後息子家族と同居するため、家の改装までやっておいてくれたとか。
そんなことまで面倒をみてくれた奥さんがいなくなって、「今は何を着て外に行ったらいいかわからないんですよ」「今日の服、大丈夫ですか。一応、行く前に息子に見てもらったんだけど」と徹子さんに聞いていた。

おん年75歳にはとても見えない宇津井さんだから、今後再婚だってあるんじゃないんですか、と徹子さんが水を向けたら、「いや、60代なら考えたかもしれないけど、もう今は。あの人はそこまでデザインして逝ったんですよ」と奥さんのことを語っていた。
何十年も連れ添って、そんな日常の隅々まで染みとおっていた奥さんの存在がなくなって、宇津井さんは今どんな毎日を過ごしているのだろう。
その「徹子の部屋」に出た時は、亡くなって四か月ぐらいだった。もうテレビカメラの前で話しても十分大丈夫なくらいになったので、こうして出て来て話しているんだろうけど。

でも、その時の宇津井さんの顔が、こうやって三か月以上たった今も、あたしには忘れられないのだ。
泣きながら笑っている、笑いながら泣いている、というのはこういう顔のことをいうんだろうか、と思った。
からから、と笑っているというか、はらはら、と泣いているというか。
人との別れと、それでも残るつながりというものは、こういうふうに人の顔に出て来るものか。
意志の力でコントロールできる範疇にはない、言葉にならない気持ちが出て来た顔、という感じだった。
そんな場面ではないのに、あたしは思わずもらい泣きをしていた。

ところが、この時の情景が強く心に残ったあたしの頭に、「テレビショッピング」という言葉も、同時に強く注入された。
そして最近のことだが、生まれて初めて、このテレビショッピングなるもので運動器具を買ってしまったのだ。
だが、商品の注文が完了したところで、窓口の人はさらりとあたしに言った。
「お届けするのは、一か月先になります」。

え、一か月先?と思いながら、その至極当然っぽい口調に、「あ、わかりました」とそのまま電話を切ってしまった。
でもそれからしばらくして・・・やっぱり変じゃない?という気がわいてきた。
一か月も先では、その器具を使って運動を始めよう、というせっかくの意欲が衰えてしまうではないか。
もともとXX台限定、と言っていたから、製造が追いつかないとかそういう話ではないはずだし。
テレビショッピングの常識は知らないけれど、だいたい、一か月も先にならなければ発送できないようなものを、今売るのはおかしいのではないか。(だったらあたしは買わなかったし)
少なくとも、申し込みの最初にそれを断るべきではないか?

といった疑問がむくむくとわいてきて、そのテレビショッピング会社に電話して聞いてみようか、いや、いっそこれを薦めたテレビ局に電話して、などと悶々としていたところで、突然その器具が届いた。
結局、注文してからわずか数日後。
あの、「お届けは一か月先」という担当者の言葉はなんだったのか。
でもまあとにかく、届いたのはめでたいので、早速それを使って運動に励みながら、あの「徹子の部屋」に出て来た宇津井さんのことを思い出したりしている。

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