夕方、地面をはうようにして吹いて来る風。
地面をはうようにして、というところがちょっとホラー映画みたいで怖いが、悪いイメージのものではないようだ。
用例として山家集(西行の歌集)から「夏山の夕下風の涼しさに」が紹介されている。『広辞苑』に載っているのは上の句だけだが、下の句は「楢の木蔭のたたまうきかな」と続く。意味は、夏山にいると夕下風が吹いてきて、ナラの木の陰から立ち去りがたいんだよね、という感じか。
これ、わかります。山登りに夢中だったころ、小休止して木の根元なんかに腰かけていると、じつに気持ちのいい風が吹いてくることがある。ほんとうは日が暮れる前に山小屋やキャンプ地まで行かないと困ったことになるんだけど、「動きたくない。このままずっとここにいたい」という気分。
猫を見ていると、彼らはもっとも快適な場所を見つけるのがうまい。夏の場合は、風の通り道を上手に見つけて寝ている。ほんのわずかな空気の動きや気温の違いが、彼らにはよくわかるようだ。年中裸で暮しているからか。もしかしたら全身を覆う毛が、風向きや気温の変化をキャッチするのかもしれない。人間も全裸で暮せば、猫のように空気に敏感になれる?
地面をはうようにして、というところがちょっとホラー映画みたいで怖いが、悪いイメージのものではないようだ。
用例として山家集(西行の歌集)から「夏山の夕下風の涼しさに」が紹介されている。『広辞苑』に載っているのは上の句だけだが、下の句は「楢の木蔭のたたまうきかな」と続く。意味は、夏山にいると夕下風が吹いてきて、ナラの木の陰から立ち去りがたいんだよね、という感じか。
これ、わかります。山登りに夢中だったころ、小休止して木の根元なんかに腰かけていると、じつに気持ちのいい風が吹いてくることがある。ほんとうは日が暮れる前に山小屋やキャンプ地まで行かないと困ったことになるんだけど、「動きたくない。このままずっとここにいたい」という気分。
猫を見ていると、彼らはもっとも快適な場所を見つけるのがうまい。夏の場合は、風の通り道を上手に見つけて寝ている。ほんのわずかな空気の動きや気温の違いが、彼らにはよくわかるようだ。年中裸で暮しているからか。もしかしたら全身を覆う毛が、風向きや気温の変化をキャッチするのかもしれない。人間も全裸で暮せば、猫のように空気に敏感になれる?