涼しい風が吹くのは、旧友が訪ねてくるかのように清々しい。
はじめてこの文章を読んだとき、「涼しい風が吹いて、死んだ人が幽霊となってやってくる」ということなのかと思った。怪談では、(涼しい風ではなく)なまあたたかい風が吹いて、「うらめしやー」と幽霊が登場する。吹く風は生暖かいが、遭遇した人はゾッとして涼しくなる。
ぜんぜん違っていた。
杜牧(とぼく)という人の「早秋詩」という詩の一節だそうだ。杜牧は唐の終わりごろの詩人(803年から853年)。杜甫に対して、小杜とも呼ばれるとか。
「故人」には「死んだ人」という意味のほか、「ふるくからの友。旧友」という意味と、「古老」という意味がある。
旧友が訪ねてくるのは、涼しい風が吹くように清々しい、ではないところが不思議だ。ぼくならこう歌うのに。
「せいふう」にもいろいろある。「凄風」は「すさまじい風」で、「腥風」は「なまぐさい風」。「月と星。なんてロマンチックな字なんでしょう」と、子どもの名前に使おうとした親がいる、という笑い話を聞いたことがあるけど、昨今のキラキラネーム・ブームでは作り話とも思えない。
このブログが本にまとまりました!
はじめてこの文章を読んだとき、「涼しい風が吹いて、死んだ人が幽霊となってやってくる」ということなのかと思った。怪談では、(涼しい風ではなく)なまあたたかい風が吹いて、「うらめしやー」と幽霊が登場する。吹く風は生暖かいが、遭遇した人はゾッとして涼しくなる。
ぜんぜん違っていた。
杜牧(とぼく)という人の「早秋詩」という詩の一節だそうだ。杜牧は唐の終わりごろの詩人(803年から853年)。杜甫に対して、小杜とも呼ばれるとか。
「故人」には「死んだ人」という意味のほか、「ふるくからの友。旧友」という意味と、「古老」という意味がある。
旧友が訪ねてくるのは、涼しい風が吹くように清々しい、ではないところが不思議だ。ぼくならこう歌うのに。
「せいふう」にもいろいろある。「凄風」は「すさまじい風」で、「腥風」は「なまぐさい風」。「月と星。なんてロマンチックな字なんでしょう」と、子どもの名前に使おうとした親がいる、という笑い話を聞いたことがあるけど、昨今のキラキラネーム・ブームでは作り話とも思えない。
