口に出す者よりも、口に出さない者の方がかえって心中の思いが切であるの意。
うまいこというねえ。都々逸なんかに出てきそうな言葉だ。前半を省略して「鳴かぬ蛍が身を焦がす」だけ使うこともあるそう。
少女マンガにはよくあるパターンだ。「好き、好き」と大騒ぎしている子よりも、教室の隅からじっと見つめている子のほうが……。純文学でも、忍ぶ恋がよく題材になった。
感情は、言葉にしてしまうと、ほんとうのこととは少しズレて、うその部分ができてしまう。ほんとうの気持ちは言葉にできない。
そもそもよくしゃべったり、自分の意志や感情を積極的に示すことは軽薄だとみなされていたのだ。「沈黙は金、雄弁は銀」とか、「巧言令色鮮(すくな)し仁」とか、西洋でも中国でも、おしゃべりでポジティブな人間は、沈思黙考型の人間に比べて劣るとされてきた。
ところが最近はどうだ。経営者は強いリーダーシップを求められ、就職活動では明るく積極的で自己アピールのうまい学生ばかりが内定をとる。鳴く蝉が受ける時代なのだ。鳴かぬ蛍の情熱は誰もわかってくれない。
このブログが本にまとまりました!
うまいこというねえ。都々逸なんかに出てきそうな言葉だ。前半を省略して「鳴かぬ蛍が身を焦がす」だけ使うこともあるそう。
少女マンガにはよくあるパターンだ。「好き、好き」と大騒ぎしている子よりも、教室の隅からじっと見つめている子のほうが……。純文学でも、忍ぶ恋がよく題材になった。
感情は、言葉にしてしまうと、ほんとうのこととは少しズレて、うその部分ができてしまう。ほんとうの気持ちは言葉にできない。
そもそもよくしゃべったり、自分の意志や感情を積極的に示すことは軽薄だとみなされていたのだ。「沈黙は金、雄弁は銀」とか、「巧言令色鮮(すくな)し仁」とか、西洋でも中国でも、おしゃべりでポジティブな人間は、沈思黙考型の人間に比べて劣るとされてきた。
ところが最近はどうだ。経営者は強いリーダーシップを求められ、就職活動では明るく積極的で自己アピールのうまい学生ばかりが内定をとる。鳴く蝉が受ける時代なのだ。鳴かぬ蛍の情熱は誰もわかってくれない。
