民謡(うた)でつながる仲間たち

NTT北陸民謡民舞サークル & 杉山民謡会 活動報告

忘れ得ぬ、あの時。

2019年05月31日 00時11分35秒 | 民謡
ロックにない音色に惚れて




音色と書いて、「おんしょく」と 読むそうだ。
耳に入る音には、豊かな色があるという意味を強調した読みである。
「色」は深み、と 言い換えることができるかもしれない。

    胸ぐらをつかまれた     

ロックバンドでドラムを叩いていた22歳の青年が、音というものの
魅力に本当の意味で気付かされたのは、地元の夏祭りの会場だった。
「強さがあって、弱さもあって、甘みもあれば辛さもあった。
音色に胸ぐらをカッと掴まれたようだった」
昨年、独立から20年の節目を迎えた津軽三味線「明宏会」を
主宰する一川明宏さんは、今から40年余り前、三味線との邂逅を、
こう思い起こした。
6つ違いの兄が師事していた加賀山昭さん(現・民謡加賀山流家元)が、
一川さんの地元である金沢市蚊爪町の夏祭りで三味線を披露したのである。
兄の誘いもあり「せっかくなんだから、見に行くか」と祭り会場だった村の
鎮守に何気なく足を運んだ。加賀山さんが披露した「じょんから」に
ただならぬ空気の波動を感じた。重いダンプカーが道路を通過した時の振動ではない。
まるで秋の夜にすだく虫の音のような強弱。
色彩豊かな音に、一川さんは胸の奥がじわりと満たされていく感覚を味わった。
「魂に響いた。ロックとは全く違う音。求めとったんは、これか。
いや、この音に違いないという気持ちで一杯になった」
一川さんは当時、高校時代の友人らと共に五人組のバンド「ユニオン・ジャック」を
組織していた。一川さんはドラムを中心に、求められればエレキギターも担当した。
近隣の集落の盆踊りを行脚、炭坑節の合間に寺内タケシを中心に、加山雄三、
ローリング・ストーンズ、ビートルズの曲を演奏してきた。

    寂しさに響いた     

とはいえ、一川さんは会社勤め。仲間達も社会人である。
それぞれの仕事が忙しくなると共に、バンド活動は少しずつ下火になっていた。
加賀山さんが披露した「じょんから」の音色は、一川さんがそっと抱いていた寂しさの中に
忍びこみ深く響いたと言えるかもしれない。
三味線の魅力をもっと知りたい。一川さんは早速、レコードを買って何度も聴いた。
自分で弾けるか試してもみた。この年の12月、加賀山さんの門を叩き、弟子入りした。
「夏祭りに足を運ばんかったら、津軽三味線に出会わなかったかもしれん。
偶然の出会いが、人生を変えた」
津軽三味線に打ち込み、現在は国内外に100人を越す弟子、教え子を擁する一川さんは、
来し方の原点をしみじみと振り返った。



※北國新聞より一川明宏さんの記事を抜粋。







神様からの贈りもの(津軽三味線コンサート)のご案内



■日時
2019年6月30日(日)

■開演
14:00 (13:30開場)

■会場
北國新聞赤羽ホール

■チケット料金(税込)
全席自由
(税込み) 2,500 円


【第一部】
 ・津軽三味線明宏会
 ・杉山民謡会   

【第二部】
 ・小田島旺樂(宮城県)
 ・駒田早代 (三重県)
 ・中村滉己 (愛知県)
 ・本多 凛 (石川県)

  ナビゲーター/松田隆行(青森県)



ご来場、おちしております。



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