バンコクから愛を込めないで (ボクシング奈落編)

ボクシングから離れていたあたしは復活するのか(゜Д゜)!?

(タイのボクシング) 「柔よく剛を制す」?「剛よく柔を制す」?結果は果たして…

2011年04月06日 11時45分37秒 | タイのボクシング
しばらく前から思ってたことがあります。それは「ムエタイでタイ人が強い、というのはある種幻想が混じっているのではないか」ということです。今回である程度証明されました。今回はその仮説についても少し語ろうと思います。


  タイへの旅のホテルの予約はこちらからどうぞ♪
  
 

あたしがこの仮説に至るきっかけになったのは以前ナコンパトムで行われたペッインディーのワンデー・トーナメント「ムエタイ・マラソン」でのことで、ここではセンチャイ・ソー・キングスターが並み居る体格の大きい外国人選手をものともせずに優勝を飾りました。
その結果だけ見れば


  やっぱタイ人はムエタイめっちゃ強いよね


という話なんですが、しかし試合内容を見れば登場した「○○国ムエタイ王者」といった選手たちが「ムエタイ」という競技に慣れていないのは素人のあたしが見ても明白。これでもなんやかやでムエタイの試合を見てきたあたしが見ると「○○国ムエタイ王者」の選手ってどう見てもやってるのがキックボクシングか、キック風にアレンジされたムエタイなんですよね。体の動かし方も違うし、タイ人のムエタイ選手があまり使わないハイキックを多用するし。(ムエタイ選手の腕のガードが高いので中々決められない)、膝蹴りの打ち方も全然違う(これは一番わかりやすい)。
3月25日に行われた同じプロモーターのムエタイ・マラソン決勝戦はタイ人がアルジェリア人選手にローキックを打ったところ1回目で思い切り痛がって、2回目には戦意喪失してタイ人選手が追撃に入ったところでレフェリーが試合を止めちゃいました。

このムエタイ・マラソンでタイ人選手が圧勝出来る理由のひとつが相手の外国人選手が「ムエタイ」という技術とルール、その上に構築された戦い方に習熟していないから、という理由が大きいと思います。技術レベルと戦い方が違うから


  柔(技)よく剛(力)を制す


が可能になると思うんです。じゃあ


  体力に勝る「外人さん」に技術もつくとどうなるか?


あるいは


  「柔」の側のレベルが高くない場合はどうか?


それが3月27日の興行で見れるのではないか、と期待していました。


現場はペッブリー県の県庁所在地の入り口に程近い、観光名所としても名高い「カオワン離宮」のふもとにある学校の向かいの敷地でした。



<これがカオワン。山の上に離宮がある。昔の王室の避暑地のひとつ。途中にめっさ猿がいる>


ちなみにボクシング会場のすぐ近くでタイ南部のこの時期の風物「ノック・グランフアジュック」という鳥の鳴き声コンテストをやってました。



<判定している審判員。向こう側に並んでいるのが鳥かご>


この鳥の鳴き声の音色、規定時間内に鳴いた回数などによって判定するそうです。鳥の飼い主は鳥の場所から離れた白い線の外から自分の鳥に声をかけて出来るだけ多くの回数鳴かせるようにするわけです。役員席の脇には各賞のトロフィーがずらりと並んでました。


さて、本題です。

[[ 2011年3月27日(日) ]] ゴーキェット・ペッブリー興行9カ国国際ムエタイ大会
場所:タイ中部ペッブリー(ペチャブリー)県ムアン郡ベンジャマーテープウティッ学校特設会場


☆この試合の写真はフェースブックのフォトアルバムに大量アップ中~!(ログイン不要)☆


なお今回はTV放送の枠が1時間半のため、メインイベントが第1試合になっています。

▼第1試合:5回戦、157ポンド
チャナチャイ・ゲオサムリッ(タイ) VS ムスタファ・アブドラヒム(イラン)

ラジャダムナンスタジアムの154ポンド級王者のチャナチャイがイラン人選手と対戦。しかし相手のムスタファがめっさいいガタイしてます…(汗)案の定チャナチャイは力では押し負け、またパワフルなパンチを食らったりもします。



<チャナチャイVSムスタファ戦>


しかしムスタファは組んだときに自分が「下からの膝」を使いたいせいか体と体の間のスペースを作ってしまい、そこを逆に膝で攻められます。最後は前かがみになったところで顔に膝をくらってKO負け。

  *チェックポイント1*
  タイのムエタイボクサーは下からボディーを打たせないために組むと体を密着させるので、タイ人同士の試合で下からの膝蹴りは中々出ません。


  <タイ人1勝0敗>


▼第2試合:5回戦、140ポンド
アルバート・ムエタイプラザ(ウズベキスタン) VS ジョンアーンデーッ・ポー・シリパッ

前回ランタ島ではあたしがプリティーの写真を撮りに行ってる間(おいおい)にあっさりKO勝ちしてしまったアルバート(写真)だったんで期待してたんですが試合振りはかなり大ぶり。両腕も振り回すような感じのパンチといい、蹴りも荒い。途中その試合運びにあわせるような試合を見せたジョンアーンデーッはしかし勝利を確信したのか最終5Rは自分から攻めようとせず。逆にアルバートは最後まで必死に攻めに行きました。結果、



<アルバートVSジョンアーンデーッ戦>


  余裕かましたタイ人が敗北、アルバートが判定勝ち!!


  *チェックポイント2*
  この4Rまでで「自分勝手に勝敗を判断」してしまって5Rはろくに戦おうとしないというのはムエタイの試合でよく見る光景。勝ちを確信している側も負けを悟った側も、本来負けている側などは戦えばKOでの逆転勝ちという可能性もまったくないわけではないのに、そちらも早々に諦めてしまうのが情けない。こういうアルバートのような試合振りを見せるタイ人選手は正直少ないです。


  <タイ人1勝1敗>


☆この試合の写真はフェースブックのフォトアルバムに大量アップ中~!(ログイン不要)☆


▼第3試合:5回戦、135ポンド
ジョニー・ウォン(香港) VS メーキン・チョー・ラーッパスドゥックイサーン(タイ)

前半ジョニーが攻めようにも、相手に組まれると密着されて「下からの膝」が出せずにうまく攻められず。逆に相手はタイ人に一般的な横からの膝叩き(下の注参照)でポイントを稼ぎます。後半進化っていうか対応してきたジョニーの膝蹴りが徐々に斜め下から横方向になってきたのが良かった。試合中によく変えられたものです。最後はこれまたお互いの体勢が崩れて空間が出来たところに飛び込んだジョニーの膝蹴りがボディーに入ってKO勝ち。ランタ島では負けただけ今回はリベンジを果たした格好です。



<ジョニーVSメーキン>


  *チェックポイント3*
  タイのボクサーの膝蹴りの多くは横に張り出した膝でわき腹を「叩く」という感じで日本人の思ってる「膝蹴り」とはかなりイメージが違います。これは「下からの膝蹴り」を封じるための密着した体勢からの攻め手として進化したものと思われます。ポイントは取られますが体へのダメージは少なく抑えられます。


  <タイ人1勝2敗>


▼特別試合:女子ムエタイ、112ポンド
ナムターン・ゴーキェットジム(タイ) VS ワンディー・スウィッガーンチャン(タイ)



<おめかしモード(父親談)のナムターン。でもポージングは全然知りません…>


相変わらず綺麗なナムターンのワイクルー。序盤何故か両者とも組んでもあまりヒザを使おうとしなくて、くんずほぐれつの展開が多いっすね。2Rとかは体格で劣るワンディーが組み勝ちます。しかし後半ナムターンが「組んでからのヒザ」を使い始めると形成は逆転、明かにナムターンの優勢になります。ところが試合は3Rにナムターンがワンディーをロープにつめたところでレフェリーが試合ストップを宣言しました。ありゃりゃ…もしかしたらあの日か?(けっこうあったりします)ちょっと唐突過ぎる終わり方でした.



<ナムターンVSワンディー>


▼第4試合:5回戦、126ポンド
ベンドゥロン・ムエタイプラザ2004(フランス) VS ランボー・ラーッパスドゥックイサーン(タイ)

フランス人のベンドゥロンが今回参加の男性陣で一番綺麗で丁寧なワイクルーしてる~~~~~~~!!!しかし試合振りはあまりムエタイ慣れしていない感じだったりします。(汗)パンチのだし方はボクシング式、ヒザも下から出すタイプ。しかし西洋人は力があるので腕力でランボーとの体の間にスペースを作って下からの膝蹴りを入れていきます。それと接近戦でしつようにエルボー落としてきますね、この選手。最後は3Rベンドゥロンのパンチがランボーの顔面にクリーンヒットしたあと追撃かましてロープ際でエルボーを連続して落としたところでレフェリーがストップしました。



<ベンドゥロンVSランボー>


  <タイ人1勝3敗>


☆この試合の写真はフェースブックのフォトアルバムに大量アップ中~!(ログイン不要)☆


▼第5試合:5回戦、154ポンド
アーウィン・カーンジム(ドイツ) VS サムーチャイ・シッサイトーン(タイ)

外国人勢の力を見ていたせいか、タイ人のサムチャーイが両腕を振るったグルグルパンチ(BY列海王)で攻めます…(汗)アーウィンの方がちゃんとムエタイしてるんだけど、サムチャーイの力に押されていまいち攻め切れない。2Rの後半にすでに疲れを見せていたサムチャーイが3R序盤にダウンを奪ったものの後半疲れてヘロヘロになったところをアーウィンに攻め込まれたところでレフェリーが試合をストップしました。



<アーウィンVSサムチャーイ>


  <タイ人1勝4敗>


▼第6試合:5回戦、140ポンド
フィリッポ・エンジェルジム(スペイン) VS サーイロムノーイ・シッサイトーン(タイ)

9人の対抗戦で早くも土俵際に追い込まれたタイ陣営(汗)。この試合もまた力の強い西洋人とタイ人でしたが、しかしキックの裁きのテクニックはサーイロムノーイが上。そしてフィリッポがヒザによるボディー攻撃を嫌がります。結局、うまくヒザを入れて攻めたサーイロムノーイが判定勝ち。



<フィリッポVSサーイロムノーイ>


  <タイ人2勝4敗>


▼第7試合:5回戦、154ポンド
ジミー・レプタージム(イギリス) VS アーティチャイ・シッチャンプ(タイ)

けっこう激しい試合が続いた後のこの試合は両者カウンター狙いで膠着する時間がめっちゃ多い…ジミーはパンチはあるけど技術ではアーティチャイが上。結果は左手を痛めたジミーが4R開始時に棄権を申し出てアーティチャイの勝ち。



<ジミーVSアーティチャイ>


  <タイ人3勝4敗>


☆この試合の写真はフェースブックのフォトアルバムに大量アップ中~!(ログイン不要)☆


▼第8試合:女子ムエタイ、5回戦、?ポンド
ファニー・ゲオサムリッ(イタリア) VS ニュースター・シンソーンムアン(タイ)

土俵際で粘りまくるタイ陣営。この試合は女子の試合ですが気合の入ったファニーと技術での優位を確信してか余裕の表情のニュースター。必死にインファイトに持っていこうとするファニーをさばくニュースターだったので比較的安心して見れてたんですが…3R組んでの崩しあいの攻防で小さめながら力で勝るファニーが強引にニュースターを押し倒したところでニュースターが頭を痛打したようで立ち上がれず、ファニーがTKO勝ち!!



<ファニーVSニュースター>


  <タイ人3勝5敗 タイ人側の敗北確定!!!>


▼第9試合:5回戦、108ポンド
ワンチン・パームサックジム(中国) VS キァオモラコッ・ポー・サターンムアン(タイ)

この試合はちょっと可愛そうでした、ワンチンは一応ムエタイ習ってはいるようですがレベルは初心者の子供。相手は年は同じくらい(中学か高校?)くらいだけれど小さい頃からムエタイをやってきているベテラン。って感じ?泣いた子供が殴りに行くように奇声を上げて突進するワンチンですが軽くキャオモラコッにあしらわれた末、ボディーに蹴りを入れられてダウン、KO負け。お腹を押さえながら奇声(中国語なんでなんと叫んでるのか分からない)を発しながらダウンしてたワンチンは痛々しかったです。



<ワンチンVSキァオモラコッ>


  <タイ人4勝5敗 タイ人側の敗北確定!!!>


☆この試合の写真はフェースブックのフォトアルバムに大量アップ中~!(ログイン不要)☆


今回は意外と言うかタイ側が外人連合軍に敗れる結果となりました。原因として考えられるのは、

  1)今回参加したムエタイ選手の中には明らかにムエタイの技量で劣る選手だった。
  2)外人選手もある程度ムエタイに習熟した選手たちだった。
  3)このため外人選手の「剛」を抑えきれるだけの「柔」も「剛」もいまいち不足してたタイ人が敗れる試合が多くなった。

という感じでしょうか。第3試合はちょっと運不運があった気がしますがやはり体力に勝るものが技量を身につければ強力な敵になることがはっきりしてきたかな?と思いました。今回参加の外人選手たちは最後の1組を除いて力でタイ人を凌駕しており、タイ人得意の

  組んで体を密着して横からヒザで叩く

という戦術が使えていないのがほとんどでした。珍しい。正直、「競技ムエタイ」(タイ側)と「格闘技ムエタイ」(西洋人側)のしのぎあいの中で今回は「競技ムエタイ」の技術が力に押されて本領を発揮出来なかった、といえます。西洋人選手との切磋琢磨の中で、新しいタイプのムエタイ技術が必要になるのかも知れませんが、それはまだまだ先の話、かな??


最後に今回の美人子さんたちです♪








☆タイの美人子さんたちの写真はフェースブックのフォトアルバムに大量アップ中~!(ログイン不要)☆


ではまた



皆さん、クリックお願いね♪♪
にほんブログ村 格闘技ブログ ボクシングへ

にほんブログ村 海外生活ブログ タイ情報へ

タイ・ブログランキング


下のスポンサーサイトもクリッククリック♪♪

最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
とことんですね (ただ)
2011-04-06 22:12:11
前回の記事中において削除して謝罪したのではなかったのですか?

原発内で命を懸けて頑張ってくれている人達がいるんです。

日本中が一丸となって、手を差し伸べ固唾を呑んで見守っているんです。

一度ならず二度までも。。。

とことん見下げ果てた人でしたね。 二度と日本の土を踏まないでください。
返信する
Unknown (バンコク愚連隊)
2011-04-08 04:20:23
単純に修正漏れです。コピペをしていたので気づきませんでした。
すみません。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。