アルバレス 3-0判定勝利
考察 ~アルバレス~
上半身の厚みの差がそのまま体力差になって、
距離の戦いを制する一助になった。
コットのアウトボクシングを攻略するには至らなかったが、
各ラウンドで明確なパンチを当て、また見せ場を作り、
文句のつけようのない勝利を得た。
前々から気になっていたのは、攻撃力ではなくパンチ力。
カークランドは綺麗に一撃でKOしたが、
これまでのKO勝利はほとんどがコンビネーションによるもの。
本格的にミドル級に戦線をシフトした時、
一発の威力の欠如に泣かされる場面が、
ゴロフキン戦以外でも想像ができるのが気がかりだ。
考察 ~コット~
一言、作戦負けか。
中間距離での細かいパンチの“工作”で優位に立つ狙いが、
パンチの“交錯”で制空権を奪取できなかった。
パンチの工作とは、利き手による強めの左ジャブから距離を詰めての左右コンビネーション。
これが相手のガードの固さで効力を発揮しなかった。
オースティン・トラウト戦あたりから、
Sライト級時代から猛威を奮っていたトレードマークの左ボディ打ちが
鳴りをひそめるようになったように思う。
また、試合後半からはパッキャオ戦でも見せたような、
ポイントを稼ぐというよりも打ち合いを避けるがためのフットワークを多用した。
ジャッジからポイントを取れるアウトボクシングではなかった。
瞬間的に効いた場面でも、目のフェイントで何度か凌いだのはキャリアの為せる技。
だが、この階級、この相手にはそれだけでは明白に及ばなかった。