半澤正司オープンバレエスタジオ

20歳の青年がヨーロッパでレストランで皿洗いをしながら、やがて自分はプロのバレエダンサーになりたい…!と夢を追うドラマ。

ブルーカーテンの向こう側…(男バレエダンサーの珍道中!) 第83話

2023-06-11 08:52:48 | webブログ

バレエ教師の半澤です。

平日は朝は11時から初中級レベルのレッスン、水曜日、金曜日の
夕方5時20分は子供の初級、夜7時から中級レベルのレッスンです。
土曜日は朝11時からのレッスン、夕方6時です。ポアントもあります。
日曜日と祭日も朝11時から初級のレッスン、ポアントもあります。

皆さま、お待ちしております!

ホームページ半澤正司オープンバレエスタジオHP http://hanzanov.com/index.html
(オフィシャル ウエブサイト)

私のメールアドレスです。
rudolf-hanzanov@zeus.eonet.ne.jp
http://fanblogs.jp/hanzawaballet3939/

連絡をお待ちしてますね!

2023年12月24日(日曜日)枚方(ひらかた)芸術文化センターにて
半澤正司オープンバレエスタジオの発表会があります。

Dream….but no more dream!
半澤オープンバレエスタジオは大人から始めた方でも、子供でも、どなたにでも
オープンなレッスンスタジオです。また、いずれヨーロッパやアメリカ、世界の
どこかでプロフェッショナルとして、踊りたい…と、夢をお持ちの方も私は、
応援させて戴きます!
また、大人の初心者の方も、まだした事がないんだけれども…と言う方も、大歓迎して
おりますので是非いらしてください。お待ち申し上げております。

スタジオ所在地は谷町4丁目の駅の6番出口を出たら、中央大通り沿いに坂を下り
、最初の信号を右折して直ぐに左折です。50メートル歩いたら右手にあります。

バリエーションは「海賊」二幕から花園より、グルナーラのヴァリエーションです。
男子は「バヤデール」のヴァリエーションです。
さ、やりましょう!!

連絡先rudolf-hanzanov@zeus.eonet.ne.jp

ブルーカーテンの向こう側…(男バレエダンサーの珍道中!)
第83話
ピアノの前の椅子に座っていた芸術監督の
ゲルト・ラインホルム氏がいきなり叫び、
バレエマスターを彼の元に呼び寄せた。
ショージは咄嗟に直感した。「これはいけない…
彼はとうとう激怒したかもしれない…。多分、
追い出されるであろう…」と。

レッスン受けているショージの乞食のような
格好と言い、また好き勝手をやってしまって
いるステップ…それは神聖なバレエダンサーの
レッスンを汚してしまったものとも言えるかも
しれなかった。芸術監督に腰を折って耳を
寄せるバレエマスター、ショージは上目遣いで
2人をジーッと見つめてその逆鱗に対応出来る
のか…ショージ自身不安でその結果がどの
ようになるのか、時間が恐ろしいほど長く感じた。

バレエマスターがショージに歩み寄り、小声で
「あー、君ね、あそこに座ってる人は、我々の
バレエ団の芸術監督なんだがね…」ショージは
「はあ、、そうなんですか…」「その監督がね、
君一人のジャンプが見たいそうだから今から
君一人でやってみよう。じゃあ、プレパ
レーション…!」ショージは「えっ!?ここから
出て行けって、あの人は言ったんじゃないん
ですか…?」

完全に的が外れ、ずっこけた。ダンサーたちも
シーンと静まり返りそしてニヤニヤと笑って
いる。ショージには彼らの心の声がはっきりと
伝わって来た。「やれ!やってしまえ!」
ショージの目的は最初からそこにあった。
「やるっきゃない!」そしてピアニストが
コクンと頷くと、前奏が響きショージの
全筋肉と神経が一点に集中して行った。
「今回は誰に遠慮しなくても一人だけで
踊るんだ。アドリブに次ぐアドリブで
やろう。そして仕上げにはパラプリに急遽
変更するぞ!」

パラプリとはフランス語で「傘」の意味だが、
まさしくジャンプしてから両足を大きく
開いたまま空中で回転する技術なのだ。
このパラプリこそショージが秘かに温めて
きた最大の大技だ。それを見ていた周りからも
呻き声が響いた。「おお~っ!!」その瞬間に、
ピアノの前の芸術監督であるミスター、
ゲルト・ラインホルム氏が大きな口を思いっきり
広げ、両手を狂ったようにバシバシと叩き
ながら、「グワッハッハハ!いいぞっ!
グーッド・ダンサー!決まりだ、お前を
ソリストで決めよう!ワッハッハ!よし、
こっちへ来てくれ今から私の部屋で契約だ!」

すると、ススッと秘書の女性が出て来て彼の
耳元に小声で何かを囁いたらゲルト氏の顔が
平家蟹のしかめっ面に戻り、ドイツ語で
何かを言うとショージに向き直り笑顔に
なって「じゃあ3時にしよう!3時に私の
部屋へ来てくれ!じゃ後で…」と言ってさっさと
行ってしまった。

ショージがこのドイツ最高のバレエ団のソリスト
だって!?信じる事が出来ずに呆然とした。
レッスンが終わりダンサーたちが次々と
稽古場から消えて行ったが、ショージは
暫し呆然と立ち尽くした。起きた現実が
信じられなかったのだ。レッスンを受けられた
だけでも幸せだと思っていたからだ。仮に
最低レベルの群舞としてこのバレエ団に入れた
としても、それさえ奇跡であるにも関わらず、
まさかのソリスト!?「まさか~!」と
頬っぺたを抓ってもまだ信じられない。

 ショージは即カフェにある公衆電話から、
スウェーデンのバレエ団に電話を入れるよりも
前にまずはあの頭が素晴らしく切れる明朗
快活な黒人の友人グレゴリーに電話を
入れる事にした。
(つづく)



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