半澤正司オープンバレエスタジオ

20歳の青年がヨーロッパでレストランで皿洗いをしながら、やがて自分はプロのバレエダンサーになりたい…!と夢を追うドラマ。

ブルーカーテンの向こう側…(男バレエダンサーの珍道中!) 第42話

2023-04-23 08:28:06 | webブログ

バレエ教師の半澤です。

平日は朝は11時から初中級レベルのレッスン、水曜日、金曜日の
夕方5時20分は子供の初級、夜7時から中級レベルのレッスンです。
土曜日は朝11時からのレッスン、夕方6時です。ポアントもあります。
日曜日と祭日も朝11時から初級のレッスン、ポアントもあります。

皆さま、お待ちしております!

ホームページ半澤正司オープンバレエスタジオHP http://hanzanov.com/index.html
(オフィシャル ウエブサイト)

私のメールアドレスです。
rudolf-hanzanov@zeus.eonet.ne.jp
http://fanblogs.jp/hanzawaballet3939/

連絡をお待ちしてますね!

2023年12月24日(日曜日)枚方(ひらかた)芸術文化センターにて
半澤正司オープンバレエスタジオの発表会があります。

Dream….but no more dream!
半澤オープンバレエスタジオは大人から始めた方でも、子供でも、どなたにでも
オープンなレッスンスタジオです。また、いずれヨーロッパやアメリカ、世界の
どこかでプロフェッショナルとして、踊りたい…と、夢をお持ちの方も私は、
応援させて戴きます!
また、大人の初心者の方も、まだした事がないんだけれども…と言う方も、大歓迎して
おりますので是非いらしてください。お待ち申し上げております。

スタジオ所在地は谷町4丁目の駅の6番出口を出たら、中央大通り沿いに坂を下り
、最初の信号を右折して直ぐに左折です。50メートル歩いたら右手にあります。

バリエーションは「ファラオの娘」からアスピシアのヴァリエーションです。
男子は「エスメラルダ」のヴァリエーションです。
さ、やりましょう!!

連絡先rudolf-hanzanov@zeus.eonet.ne.jp

ブルーカーテンの向こう側…(男バレエダンサーの珍道中!)
第42話
週が明けて友人がイギリス版「ダンスマガジン」
と言う雑誌を見せてくれた。そこには特報として、
「Shoji Hanzawa, Scottish Ballet as soloist 」
(ショージハンザワ、スコットランドバレエ団と
ソリスト契約)と書いてあり、ショージは驚いた。
どのようにして雑誌社の編集部はそんな事が直ぐに
分かったのだろうか。

1985年 3月 最早、絶望…

コベントガーデンのオープンバレエレッスンへ通う
日々、ショージは新しい仕事場であるスコットランド
へ旅立とうと希望で胸を膨らませていた。21歳に
なった。 渡英した時から、バレエのタイツと
シューズ、やる気と夢の他には何も持っていない。

ショージが住んでいる安アパートの小さい空間は
ガランとしていて、本当に何も持っていないとは
この事だ。朝早くから薄い布団を跳ね除けて
「よっしゃ~!」と飛び起き、「そうだ!部屋を
綺麗にしないといけないな…」しかし部屋の片づけ
などは、全く必要がないほど生活用品は何もなかった。

「中国人の オーナーにスコットランドへ引っ越す
事を伝えておかなければいけないな…」翌日、学校の
校長に挨拶をしに行くと、何やら校長が心苦しそうな
表情でショージにゆっくりと言った。「ショージ
、労働許可がどうしても国からおりないのよ…
スコットランドのディレクターのピーター・ダレル氏も
かなり掛け合ってくれたのに…とても残念ね…。」

ショージは耳を疑った。「ど、どういう事だろう?
仕事が出来ないって!?僕は先週でバイト先を辞めて
しまったよ…ど、どうしたらいいんだろう?」担任の
教師であったビビアンのオープンクラスでレッスンを
すると、レッスン後にビビアンが、「ショージ、
話しがあるわ…カフェに行きましょう」

カフェとは、そのバレエ学校の一階、稽古場の直ぐ
脇にあるグランフロアの中にある小さな店と椅子が
5脚ほどおいてある所で、ビビアンが静かにじっと
ショージを見ながら言った。
「ショージ…話しは校長先生から聞いたわ…オ~、
ショージ、とても 残念でしょうけど、イギリスわね、
沢山の失業者がいて、イギリス籍を持たない外国人
にはとても厳しいのよ。でもね、イギリス人の女性と
結婚すればイギリス籍を取れるわ。一緒に暮らさ
なくても結婚してくれる人がいると言う話を私は
聞いた事があるのよ。ショージ、結婚さえすれば
あなたは自由に仕事をする事が出来るようになれる
のよ、それしかないわ!」

「ビ、ビビアン先生…僕が結婚ですか!? 考えられ
ないです…でも、心配して頂きありがとうございます…」
ビビアンに頭を下げ、心配して自分を黙って見続ける教師の
元からショージは立ち去った。

「ああ、進退極まったとはこの事だ…もはや絶望だ。
ああ、何故こんな事が起きるんだろう。労働許可証が
もらえないだって?仕事が見つかったのに労働許可証
が出ないのなら仕事が出来ないだけではなく、仕事を
見つけても意味が無いと言う事じゃないか!じゃあ、
僕はこれから先、バレエ団で働けないって事なのか。
ずっとこの国の日本レストランの店の主人に足元を
見られ、雀の涙ほどの僅かなバイト代を稼いで生きて
いかなければならないのか!?僕は何と言う所に
来てしまったのか!バレエも出来なきゃ、着る物も
無く食べる物さえ無いじゃないか!日本に帰る金も
無ければ生きて行くのに必要な最低限の物さえ
買えない生活がこれからもずーっと続くのか!
何て事になってしまったんだ…」
(つづく)