■栄冠は君に輝く

今年の夏、全国高校野球の大会歌「栄冠は君に輝く」を
東日本大震災で被災した岩手、宮城、福島の３県の高校生たちと、
阪神・淡路大震災の頃に生まれた兵庫県の高校生たちが
合同で合唱することを、朝日新聞の方を通して知りました。

今日、その録音会が福島県で行われましたが、
僕も２００９年に大会歌「栄冠は君に輝く」を
歌わせていただいた縁で会場に応援に伺いました。

約２０の学校から合唱部と吹奏楽部みなさんが３００人集まって、
今日顔を合わせたばかりとは思えない歌声を聴かせてくれました。

合唱の素晴らしさ。
参加するすべての者が自分のパートに責任を持って歌いきる。
メロディとメロディが調和し、
美しく力強いハーモニーとなって耳を傾ける人々の心を震わせる。

大勢で何かを為し遂げ、歌を作り上げたという達成感。
心を合わせ、ことばを合わせ、声を合わせ、
人と人とがつながり合う中から、
限りないエネルギーが生まれるのです。

今日の彼らの歌声が夏の甲子園球場に響き渡り、
球児たちはもちろん、スタンドで応援している同級生や家族、
テレビ・ラジオで観戦するすべての人たちを繋ぐ「声の糸」となり、
それはひとりひとりの胸の中で力となり、たくさんの心を励ますことでしょう。

「栄冠は君に輝く」の録音が終了したあとで、
僕も五十嵐さんとともに「スタートライン」などを歌わせてもらいました。

野球ができる。ありがとう。

歌が歌える。ありがとう。

そんな感謝の中にこそ、
僕たちをもう一度立ち上がらせてくれる勇気と力がある。
そう思って目をこらすと、昨日まで見えなかったスタートラインが、
見えてくるような気がします。

声を合わせて、いま、ここから。