映画と周辺

レンタルDVD映画の勝手なインプレッション。車や音楽、その他もろもろ脱線予定。。。池袋の定点観測もする。

LOVERS

2005-05-18 11:22:13 | 映画
ストーリーは男女の愛憎物語、と言っちゃったほうがわかりやすいかも。朝廷軍と反政府組織の対立、という構図の中で繰り広げられる三角関係の悲惨な結末・・・。
この映画、世間的にはかなり評価が高いようだ。

愛のためなら何でもできる?

コレって難しいね。確かに何でもできそうな気はしてくる。
ただ、何でもできるってのと、何でもしていいってのは別問題だと思うのだ。

例えば、街を歩いてて、いきなり通り魔に殴られたとしよう。
犯人は「愛する人のためにキミを殴る勇気を見せたかった・・・」と言ったとする。
コレって美談?
どう考えても理不尽以外の何物でもない。
愛し合う2人は自分たちの世界に浸ってるのかもしれないが、その他大勢にとってみれば、ただのバカップル。運悪くとばっちりを受けた人はご愁傷様といったところか。

要は、この映画こんなノリ。

愛する人を守るため仲間を殺し、愛する人を守るため組織を裏切り、愛する人を守るため自分に好意を寄せる人を殺す。
ま、ある意味、世の映画・文学・演劇などはほとんどこれだったりもするが・・・。

じゃあ、どこに違和感を感じたか?
とばっちりを受けた側が全く描かれてないのだ。自分の世界に浸る3人がナルシスティックに2時間殺戮の限りを尽くすだけ、といってもいい。
三角関係で思い悩む3人の背後では、朝廷軍と反政府軍の壮大なせめぎあいがあるはずで、そこが完璧に抜け落ちた中で、勝手に嫉妬し合い、勝手に殺しあう3人。
「おいおい、キミたち、そんなことしてる場合じゃないんだよ」と諭したくなった。

セットは素晴らいし、極彩色のバランスも破綻していない。アクションのテンポもいい。
チャン・ツィーはやっぱ可愛いし、金城武の弓使いもサマになってる。
それゆえに非常に残念。