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第2次大戦についての歴史認識

2005-02-14 | 歴史について
第2次大戦について、個々の事象を個別的に論じると、それこそ100人100様、異なった視点と認識があり、またお馴染みの善悪問題も発生してしまう。
既に書いていますが、歴史事象に善悪はないのです。
歴史学は、善悪を論じる学問ではない。大きな歴史の流れのなかで、特定の時代を解釈するのに都合の良い(良さそうな)歴史観を確立し、それに従って叙述する。
叙述されたものが“書かれた”歴史。
ゆえに書かれた結果の歴史が主観的なのは、当たり前なこと。
自国や自国民に有利な解釈をするのが、当たり前。
主観を排することのみに拘泥すると、歴史のダイナミックな変化、人、ひとりひとりの存在の偉大さが見えなくなってしまう。
歴史は、特に大国の滅亡時などに、似たような経過をたどるように見えることもありますが全ての事象は、一回限りのもの。
人の心が1億あれば、1億の違った想いがあるように、歴史に同じ事象は存在しない。
歴史を参考に、愚かな選択を避けることはできるが、常に正しい、言い換えれば、常に選択の主体たる人間集団にとって利益的な選択肢を示すことはできない。
経営はある種の芸術(アルテ)であって、経営学は、その美と醜を論じるに過ぎない。
経営学の理論通りにすれば成功するなら破産する企業なんて存在しない。
どのような学問も、人間集団の行動選択において、最終的に最も有利な選択肢を提示することは不可能。いずれにしろ、負けようと思ってした戦争ではない。
とするならば、第2次大戦に於ける日本の行動の意味を解釈する場合、大戦前と大戦後の世界地図(特にアジアの)を広げて見る。というのも、無意味ではない。
如何なる理由や事件があったとしても、結果として日本の行動が、アジアにおける植民地の減少に一役買ったことは事実である。
日本軍の行動が原因の一つとしてあって、結果としてアジアの植民地が減少した。
だから、東アジアの一部の地域の人々を除いて、殆どのアジアの人々は日本の卑屈さを憎む。
それは、それが彼らの歴史観だから。
「戦争してごめんなさい」
「何だって?あの戦争のおかげで独立できたのに。じゃあ、俺たちが今も植民地住民として収奪されてたほうが良かったとでも言うのか?」
これがアジア人の意見。自己の行動を卑下することは、人に対して失礼になることもある。
第2次大戦などよりも、アジア人同士なのに、白人のようにえばっている方が恥ずかしい。
相手の文化を無視して行動する方が恥ずかしい。

さて、半島と台湾、日本に所属した2つの地域が、戦後の日本に対して、非常に異なった印象をもっているのは事実。
日本に、より近い半島に関しては、不満の声が高い。
ハングルを普及させたのに、インフラを整えたのに、女性の虐待を減らしたのに、農奴を解放したのに、文化財を保護したのに、それでも半島からは、恨まれている。
でもこれは、あたりまえ。どんな人道的な政体も、政治家も、思想も、構成員の100%に満足される
ことなんてない。小泉首相は大和民族の、大和民族による首相だが、それでも支持率100%なんて、ありえない。おそらく、当時の半島も、そんなものだったはず。つまり良くて50%。
良いとも言える、悪いとも言える。当然でしょう。
中世的な国家を近代国家にするのに、同国人の明治維新だって批判はあった。
反乱だってあった(西南戦争)。
江戸っ子は、薩摩や長州の政治家を馬鹿にした。江戸文化の破壊者だから。

だから、むきになって反日の半島人と議論する必要はない。
立場が違うから。むしろ、親日の台湾人や、半島人にあったら、
「へぇー、俺達のじいさん達は、良いこともしたんだね。今の俺にもできるだろうか?」
と思えばよい。できるかな?イラクの自衛隊は、りっぱに現地の信頼を得たようだけど。

それが、私の、第2次大戦についての歴史観。
えっ、歴史観になってないですって?

じゃ一つ、日本人を特徴付けている要素の根本原因について。
もちろん、私の仮説だが。
日本列島は、昔は、とても豊かだった。海には海産物が満ち、山には山の実りが溢れた。
喰って生きてくだけなら、いまの数分の1の労働時間で生きていけた。
だから、ひまだったので、縄文時代、弥生時代と、特徴的な生き生きした文化が花開いた。
生存競争が緩やかなので、いろんなタイプの人間が生き残った。
いろんな所から、いろんな人がやってきたけど、豊かだから、みんな楽しく暮らした。
食べ物が一杯あるので、穏やかな人情が醸成された。
それで、列島の人たちは、のんびりしたなまけものになりましたとさ。
江戸時代の若隠居文化の源、近代日本の、あまりにもお人よしな行動の原因、
残酷なことが嫌いな心性、それらは、ここからきてたのでした。

そう、お人好しで、公正であろうと努力して、文明人らしくふるまおうとがんばったこと。
あるいは、これが敗戦の理由かもしれない。
でも、その同じ心性が、無謀なイラク派兵で、かえって現地の信頼を得たとしたら、良いじゃないの、何言われても。
お人好しで、すぐ騙されて、バカにされても、日本を好きな人は一杯いる。
どこが悪い?

あー、歴史は良い悪いじゃないんだっけ(自分で言ったのに)。
じゃー言い直そう。日本人はお人好しの世間知らずだったので、損しました。
でも友達はたくさんいるよ。



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