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アブリル - どこにでもあり、どこにもない

岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

カンザキアヤメ - ロウバイといっしょに咲く

2025-02-18 07:00:00 | みんなの花図鑑

冬の寒い時期に花を咲かせる珍しいアヤメ。




「カンザキアヤメ」はアヤメ科アイリス属の多年草で、原産地は地中海沿岸のギリシャ、小アジア、スペイン地方と言われています。
学名 : Iris unguicularis




アヤメの仲間は通常5~6月頃に咲きます。1~3月頃に咲くのはこの「寒咲きアヤメ」だけのようです。





よく似た小型の花に イチハツがあり、春一番に咲くというところから「一初」と名付けられたようですが、イチハツの実際の花期は「4月下旬~5月中旬」のようです。





この網目模様、ジャーマンアイリスの模様と ちょっとだけ似てますね




ただし、ジャーマンアイリスの花期は 5月~6月で、網目模様の真ん中に ブラシ状の毛があります。






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冬は温室(^^)/ - デンパーク・コレクション

2025-02-17 07:00:00 | みんなの花図鑑
冬は温室(^^)/
安城デンパークの大温室フローラルプレイスより恒例のデンパーク・コレクションを紹介します


ソランドラ・マキシマ



先だっても「ドンベア’セミノール’」をご紹介しましたが、これも デンパーク・コレクションのひとつです。



(以下、解説板より)
ソランドラ・マキシマ(班入) (Solandra maxima 'Variegata') は、メキシコ原産、ナス科の熱帯花木です。
開花時期:1月ごろ〜
デンパークへは2005年に導入されました。



巨大なラッパ状になる黄色の花は、直径15cm〜20cmにもなり、甘い香りが特徴です。



蕾が出来てから開花までには1カ月以上かかりますが、花は短命で開花後2日ほどで変色して終わります。




花はもちろん、葉にも斑が入る珍しい熱帯花木です。(以上、説明板より)
大きなおしべが5本、めしべが 1本。
めしべより おしべのほうが長そうですが、おしべは途中で湾曲しています。




花冠には紫色の筋があります。
花弁はやはり5枚で途中まで合着して筒形になっています。
ということで、この花は5数性ですね (^_-)-☆




検索すると、京都府立植物園や 宮崎県立青島亜熱帯植物園 にもあるようです。
「和名の「ウコンラッパバナ」や英名の「ゴールデンカップ(Goldencup)」はこの花の特徴をよく表しています。」(宮崎県の紹介記事より)



カリアンドラ






















ツバキ ’金華美人’








ベトナムツバキ ’ハイドゥン’

ベトナムは漢字文化圏です。ベトナムでは「海棠」と書いて「ハイドゥン」と読みます。



「越南」とかいて「ヴェトナム」と読んでいます(^_-)-☆





金花茶(キンカチャ)








パラモンガイア










マイソルヤハズカズラ








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ソシンロウバイ - いつまでも

2025-02-15 07:00:00 | みんなの花図鑑




安城デンパークにて。
永いこと咲いているソシンロウバイ(素心蝋梅)です。
でも、花の時期は 雄しべがめしべを取り囲み 花粉を放出する花の時期としては後期の花です。







通常のロウバイは花びらの内側が茶色から紫色ですが、 名前のようにロウ細工のような黄色の半透明な花で、花の中心まで黄色い種類をソシン(素心)ロウバイと言います。




また香りも良く、近づくと すっきりとした香りが漂います。



近づくと白っぽい花弁に見えますが、遠くからみればちゃんと黄色い花弁です。




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ロウバイ - 立ち上がる雄しべ(後編)

2025-02-14 07:00:00 | みんなの花図鑑

ロウバイの雄しべは 開花後 4、5日すると起き上がって雌しべを覆うというお話の後編です。
上の画像には 白いバナナの房のような雄しべと 糸くずのような雌しべが写っていますが、雄しべはいつもこのような位置にあるのではなく、おそらくこの2日前には 花被片に密着して横たわっていたのであり、この1日後には さらに雌しべのほうに集まり雌しべを覆うように密着するだろうという筋書きがあります(^^)/




映りが良くないので後回しにしましたが、一枚目の画像よりほんのわずか前の雄しべの状態です。
雄しべは雌しべから離れているし、雄しべの葯は 花被片の方向を向いて付いていますし、葯はまだ割れていないので花粉も出ていません。この花に虫が蜜を吸いに来たばあい、他の花で付けてきた花粉が めしべに付く形になります。




この花も 雄しべが立ち上がって めしべを取り囲もうとしています。
雄しべに取り囲まれる前に めしべは他の花からの花粉を受粉しているべきなのですが、どうやらこの雌しべにはまだ花粉が付いていません。




この画像も 前のとほぼ同じ時期です。「雌しべ活動期」から「雄しべ活動期」への移行期の花です。






この花は 雄しべがきれいに雌しべを囲んでいます。雄しべ活動期の始まりです。




雄しべの葯が割れて 花粉が出て来ています。




やや赤紫色をしている一番内側の花被片には 蜜が出ています。(上の画像では もう一回り外側の花被片に 光る蜜らしきもののが見えます)
この時期、蜜を吸いに訪れた虫たちは、めしべに触れることなく、雄しべの花粉を体につけて 別の花に運ぶ役目を果たすことになります。




雄しべの葯に襞(ひだ)が現われ、盛んに花粉が出ています。




同じ雄しべ活動期ですが、よくみると、雄しべの襞の中から めしべの先らしき器官が一本、顔をのぞかせていますよ(^^)/
受粉できなかったのでしょうか?




終期の雄しべです。
雄しべの付け根あたりから出ている 一番内側の花被片の花柄が 切れています。脱落が始まったようです。




花粉を出し終わった雄しべは これでもかというくらいしっかり雌しべを覆っています。





その雄しべの葯の襞(ひだ)をアップしてみました。
ケーキのモンブランみたいです \(^o^)/






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ロウバイ - 立ち上がる雄しべ(前編)

2025-02-13 07:00:00 | みんなの花図鑑

上の2つの画像は 同じ株に咲いていたロウバイの花です。ちがいはどこでしょう?
(花被片の色が 左は黄色で、右はそれが薄れてきていますが、光の加減です。あるいは 時間とともにだんだん黄色が薄れていくのかもしれませんが、今日の本題は ここにはありません)
ちがいは 6本の白い雄しべが、左は 広がって開いているのに対し、右は 中央に集まって握りこぶしのようになっていることです。





ロウバイの花の開花直後の状態(一枚目の画像で、左の状態)です。
白い6つのシベが 雄しべです。
このように 雄しべは花被片に密着して、正面から見ると開いています。




雄しべは花糸が太くその先に付いた葯も大きいです。でもよくみると 葯は花被片のほうを向いて付いていて、こちら側(正面)を向いていません。なぜでしょう?
さらに、めしべは、雄しべの付け根にある(中心にある)突起物のようですが、突起物すべてが 雌しべ ではないというのです。





小さな花を次々と覗いて調べていくと、同じ日でも、雄しべの状態の違う花に出会います。この花のおしべは 横たわっているのでもなければ、中心に集合しているのでもない、その途中の状態です。
そうです、花被片に張り付いていた雄しべは 開花後4日ぐらいすると、起き上がって雌しべのほうに集合しだすのです。




上と同じ時期の花ですが、雄しべが集まっていく方向に めしべの柱頭が光って見えます。
この糸くずのような部分だけが めしべで 一緒にある白い棒(2本見えます)は めしべではなく 仮雄しべなのだそうです。





だいたい開花してから 5日後には 雄しべはこのように めしべを覆うように取り囲みます。取り囲んだ直後は 葯(花粉の入った袋)はまだ開いていません。




それからしばらくして 葯が割れ、中から花粉が出てきます。葯は外側を向いているので、自分の雌しべに付くことなく、花を訪れた虫たちに付くようになっています。




上の花粉を出している雄しべの 拡大図です。


後編では、別のロウバイで、こんどは中心に集まった後の雄しべを観察してみたいと思います。






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プリムラ・ジュリアン ‐ 花の2タイプ

2025-02-12 07:00:00 | みんなの花図鑑

ミニ花壇に植えてあった花は プリムラ・ジュリアン。
プリムラというのは サクラソウ科の花で、このジュリアン以外にも ポリアンサ、オブコニカ、マラコイデス、シネンシスなどがあるということです。雲南サクラソウもプリムラの仲間でした。



で、トピックの おしべめしべ に移りますが、この花、前のスウィートアリッサムのおしべ・めしべと比べて ちょっと変わってますね?



見えているシベは 大きな葯を付けたおしべです。めしべが見えないのです。




ということは??
キク科などのように、雄しべが成熟するときと めしべが成熟するときと タイムラグを作っているのでしょうか?




別の株の花を見てください。 こんどは 丸いめしべだけがあり、おしべは見当たりません。




もっと近づいて花筒の奥を覗き込んでみると、下のほうに 雄しべらしき環状の器官が見えます。雌しべが先行して成長したあと、これが 今の雌しべの位置まで成長して 雄しべ活動期になるのでしょうか?




調べてみると、「雌しべ期・雄しべ期」の仮説は間違っていることが分かりました。
実際は めしべとおしべは同時に活動するのだけれど、 株によって、めしべのほうが背が高くおしべのほうが背が低い花(長花柱花)と、 おしべのほうが背が高くめしべのほうが背が低い花(短花柱花)と 2種類あるというのです。
なんのために??

プリムラのばあい、ちょっと花筒があって判りにくいので、ソバの花で説明します。

ソバの 長花柱花 (めしべのほうが おしべよりずっと高い)

アリ さんが花粉媒介者(ポリネータ)になるケースで 説明します。
アリさんが長花柱花の蜜をなめにやってきました(↑)。アリさんは背の低いポリネータです。雄しべが背の低い長花柱花の蜜を吸うとき 体に花粉が付きます。(めしべは高いところにあるので 触れません)


ソバの 短花柱花(めしべは 雄しべの半分くらいの高さしかない)

さっきのアリさんが 今度は 短花柱花のところにやってきました。こんどは アリさんと同じくらいの高さにあるのは めしべの柱頭です。こうして 先ほど長花柱花のところで付けた花粉が 短花柱花の めしべに付きました。無事 他家受粉成功です(^^♪

身体の大きな ハチさんのばあいは 今の逆です。
(雄しべのほうが背が高い)短花柱花で花粉をつけ、(めしべのほうが背が高い)長花柱花に行って授粉すると、これまた他家受粉がうまくいくというわけです\(^o^)/

さらに、ミソハギのおしべには 一つの花に 長いおしべと 短いおしべとあって、
 a. 長いおしべ > 短いおしべ > めしべ (短花柱花)
 b. 長いおしべ > めしべ > 短いおしべ (中花柱花)
 c. めしべ > 長いおしべ > 短いおしべ (長花柱花)
のように、3タイプの株があるということです。

このプリムラのばあい、先ほども言いましたように、トランペット型の花筒なので、たとえば ハチさんが筒の奥の蜜を吸おうとすると、雄しべにも雌しべにも触ることにはならないのか、少し 疑問です。

ソバのばあい、同じタイプの株同士で 人工受粉しても ほとんど結実しないと言われています。
プリムラの花の人工受粉の記事を読んでも、同じ花のおしべとめしべで手っ取り早く自家受粉させる方法が書いてありますが、「自家受粉を続けると株の性質が弱ってきます」。

植物が長い時間をかけて、自家受粉を避ける意匠を編み出してきたのですから、人工受粉するときもその心意気を大切にしたいものです。






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雪氷 - 和志山古墳にて

2025-02-11 07:00:00 | みんなの花図鑑

寒いですねぇ
2月8日(土) の朝は当地でも珍しく雪が (うっすらとですが)積もっていました。




町内に 宮内庁管轄の前方後円墳があるのですが、雑木林化していて 普段は写真撮っても 古墳と分かりやすい写真が撮れません。



それで、朝起きて雪を見て 真っ先に この古墳に行きました。

何とか、いつもと違う古墳(私たちは 御陵と言ってますが)の写真が撮れたような気がしました(^^)/
和志山古墳は、一応、第12代景行天皇の皇子・五十狭城入彦皇子(いさきいりひこのみこ)の陵墓ということになっています。



でも掘り返して調べたわけでもないので、だれが葬られたのかは、ほんとうは確定していません。
奈良の景行天皇の御陵と同じように うっそうと木が繁っていて その根が墳墓を侵しています。







そのあと、ナンテンに積もった雪とか、いつもの写真を撮ろうとしたのですが、もう雪が溶けだしていました。




これは カタバミなどの上に積もった雪が凍り付いたのを撮ったものです。










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アメリカセンダングサ - 野のクリスマスローズ

2025-02-10 07:00:00 | みんなの花図鑑

アメリカセンダングサの痩果が、昨日アップした クリスマスローズに似ている?!と思ったのはたぶん私だけ (^_-)-☆




私だって いつもそう思ってるわけじゃないんですけど。




そう思ったのは、痩果のこの渋い抹茶色の色合いが クリスマスローズの奥ゆかしい萼片の色に似ているなと一瞬思ったからでしょう。



センダングサの ひっつき虫というと、単に 暗褐色とか 濃く褐色などモノトーンが多いですけど、このアメリカセンダングサの幅広の痩果は時に 花のような色になります。




アメリカセンダングサ(キク科センダングサ属)の痩果は「長さ5~10㎜、扁平、長さ2.5~5㎜の芒(冠毛)が普通2個あり、小さな逆刺が多数つく。」(三河の植物観察「アメリカセンダングサ」)




「頭花の外側につく痩果は幅が広くて短く、内側につく痩果は長く、鱗片の幅も外側のものが広い。」(同上)






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クリスマスローズ - 蜜腺(ネクタリー)

2025-02-09 07:00:00 | みんなの花図鑑

↓ 毎年、お決まりのコメントですが、
「クリスマスローズの花弁のように見えるのは萼片です。」



ということは 花弁はどこに?




「本来の花弁は退化して蜜腺になり雄しべの周りに並んでいます。」(はるなつあきふゆ夕菅の庭「クリスマスローズの蜜腺」)
そうそう、そうだったんだよね (^^)/
この黄色い筒のことだよね



「クリスマスローズ入門の頃は蜜腺より萼片の色や形を追ったものです。
 今年は「蜜腺」を見つめてみます。」(同上)
ハイ、今年もよろしく \(^o^)/




「蜜腺(ネクタリー)は漏斗状、長さ5mm前後で、短い柄があります。
数は10〜20枚前後。1列に並ぶものも、二重・三重になるものもあります。
その色も様々で黄緑、緑、褐色、紫などの濃淡があり、濃いものはダークネクタリーと呼ばれます。」(同上)





蜜腺(ネクタリー)以外の器官では、大麦みたいな葯と 米粒みたいな花粉をつけた たくさんの雄しべが目につきます。




おしべの群れの中心にある めしべが受粉すると、周囲のおしべや 蜜腺(元の花弁)が次々と脱落して、子房が膨らんで 果実になるんですね(上のほうの画像の花の中心にあるクチナシの実みたいな器官がそれ)








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