俺LOG

今年も偉そうに物を書いていきます。

マラソンについて語ってみる

2004年08月30日 | Weblog
起きてはいけない事件が起きた。
オリンピックのマラソン。1位を走っていたブラジルの選手が襲われた。
これでこの選手はペースを乱す。
肉体的なダメージは少ないとは思うのだが、
精神的なダメージは計り知れないだろう。
30秒以上もあった差は10秒に縮まり、やがて彼は3位に落ちた。
だが彼は、止まることなく走りつづけた。
何年もかけて臨んだオリンピックの舞台で、
こんなアホな男一人の所為で、彼の努力は打ち消された。
警備に不備はなかったと言っているが、
日本のマラソンのように1位の選手を囲むように
白バイが先導していたら、こんなことはなかった気がする。

ただ驚いたことに、ブラジルのデリマ選手。この3位を喜んだ。
そして誰も責めることなく、その結果に満足していると語った。
アトランタ、シドニー過去2回のオリンピックに出場していたらしいが、
いずれもアクシデントにより成績が伸びなかったらしい。
負けず嫌いのイメージがあったブラジルに
こんなに紳士的な選手が居たことに正直驚いた。
この紳士的な彼の振る舞いに対し、
IOCはクーベルタンのメダルを贈ったそうだ。
これはオリンピックが、金メダルを取るという、
結果だけの競技でないことをあらわしているのだと思う。
オリンピックはスポーツの平和の祭典であって、
ただの競技会ではない。勝てばいい訳ではないのだ。
本来ならば、こういう選手だけでオリンピックは行われるべきで、
記録が良いだけで参加資格を得てはいけないのだと思った。

残念なのはブラジルのオリンピック委員会が金メダルを要求していること。
気持ちはわかるが、本人がこんなにクリーンな銅メダルを獲得したのに、
なんだか価値を下げるような気がしてならない。
それよりもブラジルが国として、この選手をバックアップ
してあげたほうがずっと良いのではないか?

この選手。北京でも見たい選手である。