~step by step~[ 側弯症ライブラリー]患者の皆さんへ

側弯症(側わん症/側湾症/そくわん)治療に関する資料と情報を発信するためのブログです

側弯症と遺伝について

2007-02-22 03:32:21 | 遺伝子研究
ホームページ http://sokuwan.googlepages.com/ にカウンターをつけたり、掲示板を取り付けてみたりと、なれないことに汗流しています。あれこれと時間を見つけては、ネット情報を検索しています。少しづつ、整理して、カテゴリーごとに視認性のよいサイトを作れればと考えています。そして、目標は、米国の VEPTR.COM のような支援サイト。.....相当のパソコンとインターネットの知識がないとああいうサイトの構築は難しいでしょうから、そこまではの自信はないのですが....

患者さん、あるいは患者さんの母親のご心配のひとつに「遺伝」の問題があるのですね。病気では、「遺伝」のことを考えるのは当然の心理ですから、ご心配される気持ち、とってもよくわかりました。
国内と海外のネット検索をしてみますと、遺伝についての記事や文献もかなりの数を見つけることができました。

下記は、英国のものですが、専門家の皆様の研究発表をみることができました。
http://www.ndos.ox.ac.uk/pzs/

Etiology of Adolescent Idiopathic Scoliosis
Funded by the British Scoliosis Research Society

でも、患者さんには、それら記事にしても、研究発表にしても、混乱と心配と、
そして、偏見を生み出すもとにはなっても、何の解決策も提示していないなあ、と感じました。

たぶんそれは、側弯症に限らず、「病気」というものを「語る」ときの、その人の「職業的立場」や「どういう場の、誰に向かっての発言(発表)」かに左右されているのだろうなあ、と思います。

私は、医者でも、遺伝子の専門家でも、研究者でもありませんから、「素人」の立場で、ひとりの社会人として発言させていただくことになりますが、この問題について整理できたことは、

 1. 別の遺伝性の病気により、症状として「側弯症」が発現しているものと
  いまだに原因不明である「特発性側弯症」との区別を明確に説明したものが
  見あたりません。
 2. すべての病気を遺伝子レベルで解析し、遺伝子レベルでの治療をしようと
  考えている研究(者)は、すべての病気は、遺伝子が関与しているという
  スタンスで発言している。
  このスタンスに対して反論するには、遺伝子レベルでの知識と研究結果が
  必要ですから、現実的には、「反論」も「否定」もできない。という事態に
  陥ります。.......相手は、その道の専門家。しかも、発見されていないとは
  いえ、遺伝子が様々な「因子」になることの可能性は、いまや小学生でも
  知っていることなのですから、誰も「可能性」を否定できる人はいない、
  ということになります。
  これは、つまり、「否定できない」イコール「肯定」する。という図式を
  生み出しています。
 3. あたかも疫学調査結果のような「言い方」で、片親のどちらかが側弯症の
  場合、こどもに発症する確率が 5~10%ある。というような記事がある。
  
  素人なりの質問をさせていただくなら
  * その数字の元になった調査/研究が示されいない
  * 仮にその元となった調査/研究が示されていたとしても、なぜ、その結果を
   一般理論に適用できるのか? そもそもその調査方法、研究方法が科学的に
   正しいといえるものなのか?
* 5~10% という数字は何を示すものなのか?
こどもを10人生んだら、そのうちの一人は側弯症になる、という確率?
どこの世の中に、10人もこどもを生むひとがいるというのか !
それとも、10人の側弯症の女性が、こどもをひとり生んだとき
   その中のひとりは側弯症だというの ?

研究者は、ちまたのテレビで、前世を占っている誰かと同じ次元で発言して
 いるということに気づいているのでしょうか ?

神以外の誰も、「100%安全」とは言えないわけですから、
 ゼロ以外の確率....可能性と言い換えてもいいけど.....を述べておけば
 「間違い」は犯さない。ということです。

 これから、10年以内(こどもを生むであろう期間的背景)に、
 東海地方(側弯症の母親....発生可能性のある因子)で
 震度6以上の地震(側弯症のこども)が発生する確率は
 5~10%ある、という発言に、誰も「うそつき」とは言えないのと同じです。

 遺伝子が関与しているのかもしれないし、関与していないのかもしれないし
 何もわかっていない、という病気は側弯症に限らず、まだまだ多くあります。
 わかっていないことは、「わかっていない」のであり、
 その上で、わかっていること.....早期発見方法があること、どこの病院、
 どこに専門医師がいるかということ、治療方法があるということ、
 治療におけるメリットとデメリット、治療しなかった場合のリスク、
 治療中、治療後のQOLや、生命予後などについて、患者に啓蒙と説明をして
 ほしいものです。

 ヒポクラテスの時代から側弯症は広く知られた一般的病気(病態)であり
 近代、現代社会になっても、その「原因」は不明であり、疫学調査も
 行われてきたけど、いまだに、結論は何もでていなくて、わかっているのは
 その治療方法が改善され、進歩してきている、ということであって
 患者は、その母親は、遺伝などという幻に惑わされないで、治療に取り組む
 ことが、いますべきことであり、これからもすべきことであり、その過程の
 なかで、家族としての絆を深め、理解ある伴侶を見つけて、人生を歩んで
 いくことなのでは、と思うしだいです。

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