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医業類似行為の規制 - 誇大広告に対する規制

2008-02-27 22:37:46 | 側彎症をめぐる法規制
医業類似行為とは ウィキペディアより一部引用
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8C%BB%E6%A5%AD%E9%A1%9E%E4%BC%BC%E8%A1%8C%E7%82%BA

医業類似行為(いぎょうるいじこうい)とは、医師以外が行う医業又は類似する
診察・治療行為のことをいう

法で医業類似行為を行うことが認められているのは、「あん摩マッサージ指圧師」、
「はり師」、「きゅう師」、「柔道整復師」である

あん摩マッサージ指圧・はり・きゅう・柔道整復以外の医業類似行為については、
あはき法第12条で「何人も、第一条に掲げるものを除く外、医業類似行為を業とし
てはならない」と原則禁止されており、違反した場合は刑罰の対象となる。

このように包括的に医業類似行為を業とすることを禁止しているのは、人の健康に
害を及ぼす恐れがあるためである。また、「医発第二四七号の一各都道府県知事あ
て厚生省医務局長通知」においては、「無届の医業類似行為業者の行なう施術に
は、医師法違反にわたるおそれのあるものもあるので注意すること」と通知されて
いる。

最高裁判例後の解釈
最高裁判例により、無届医業類似行為は 「当該医業類似行為の施術が医学的観点か
ら少しでも人体に危害を及ぼすおそれがあれば、人の健康に害を及ぼす恐れがある
ものとして禁止処罰の対象となる」が 「実際に禁止処罰を行なうには、単に業とし
て人に施術を行なったという事実を認定するだけでなく、 その施術が人の健康に害
を及ぼす恐れがあることの認定が必要」 となった。
(昭和三五年三月三〇日付医発第247号の一各都道府県知事あて厚生省医務局長通知)

→(august03より)
これは逆にいえば、「健康に害のないものは含まれない」という解釈を生みました。
「その施術が健康に害があること、害となる恐れがあることの立証が必要」と
解釈されますので、これが、民間療法者が「整体」等を開業することが放置されて
いる現状を生むことになってしまいました。

しかし、同時に、「治療を受ける機会を奪うこと」を無視することも許されない、
という法律/行政/法学界の考え方もあります。
これを「消極的弊害」といいますが、この消極的弊害は、その後の最高裁判所判決
においても次第に認められるようになってきました。
昭和36.2.15の「あはき法」広告制限に関する判決として、最高裁判所は民間療法者
の広告制限の合憲性を認めています。
理由は、「無制限に許容するときは、虚偽誇大に流れ、一般大衆を惑わすところが
あり、その結果、適時適切な医療を受ける機会を失わせるような結果を招来する」
というものです。

つまり、何の規制もしなければ、どこまでも無制限な手前かってな広告を流して
いったん流れだすと、それを信用する一般人があらわれて、どこかで大変な事態
が起こる。それは防がなければならない、という考え方です。

その後もこの消極的弊害を認める判決は続き、最高裁判所判決昭和40.7.14,
最高裁判所判決昭和54.3.22、鹿児島地方裁判所判決平成3.9.20、などにおいても
消極的弊害を認めています。

このような時代の流れの中で、カイロプラクティック業界が自主規制を制定して
います。

# 「治ります」の語句等医師法に抵触する内容の禁止。
# 禁忌症等誇大広告の禁止。

治療の保証
カイロプラクターはいかなる病気にも「治る」保証をしてはならない。医学的診断
をしてはならない。治療に対しては、その安全性に配慮する。

誇大広告の禁止
カイロプラクターは誇大広告を行ってはならない。常に適切な表現を心掛け、国民
一般に誤解を与えるような表現や詐称を禁止する。


これが、時代の流れです。
何をしても、何をネットで言ってもかまわない、と考えているほうが時代の趨勢
から取り残されています。

病気は、病気として治療されなければなりません。それは医学に基づくものであり
医学に基づいた治療が患者さんには提供されなければなりません。
カイロプラクティック業界が欧米諸国のように統一され、整然とした体制を作る
のにはまだまだ時間がかかるでしょうが、少なくとも、カイロ業界を適正にしよう
という流れは動いています。
しかし、その流れを遮っているのが、ネットに誇大広告を流し続けている一部の
整体等でしょう。彼らがあのような状況を変えない限りは、カイロプラクティック
が欧米諸国のように、国に認められる存在になることもあり得ないと思います。

側弯症治療に対して、何が正しいことなのか、誰が正しいのか......
医学的に何が事実で、法的に何が正しい道なのか....と、
聞く必要があるでしょうか?


(本文は、有斐閣ジュリストを参照しています)

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ブログ内の関連記事
「カイロプラクティックの自主規制について」
http://blog.goo.ne.jp/august03/e/473f9b6543c09b4b6b5b55e7a32198b3









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1 コメント

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医業類似行為について (鍼灸師)
2009-02-25 12:53:04
世間一般には医業類似行為の認識がまだ薄く、各学校の教員の認識も無く、間違った指導、教育がなされているので訂正させていただきます。

歴史的経緯を話すと長くなってしまいますので省略しますが、あん摩マッサージ師、はり師、きゅう師等に関する法律第12条中の「医業類似行為」とは

「あん摩マッサージ師、はり師、きゅう師等に関する法律に基づく資格免許を有する者がその範囲でする行為以外のもので法に基づかないものを指す」

との回答が行政機関よりあります
(平成12年11月18日 厚指第1886号)

よってあん摩マッサージ、はり、きゅう限定の医師、医業ということになります。

あ・は・き法には無い文章の真相です。
当事者の既得権益云々ではなく事実です
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