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かかりつけのお坊さん 奮闘編

転勤も定年もリストラもない、失うものは何もない最強な坊主が日頃の“感謝”を言葉にこめて、日常を綴ります。

普通ということ

2012-09-25 16:02:38 | 日記
最近、体と心がいささか重い。

秋の涼風にあたったためなのか。

そんな、微妙で繊細な情緒なんて、もうとっくに枯れ果てて

しまって、今の私には、持ち合わせはないはずだ。(笑


午後から、気分は温泉に向かっている。

「久しぶりに、極楽寺に行ってみようか」

その途中で、気づいた。

管理業者が、つい最近撤退したばかりだ。

ただいま休業中!


進路を変えて、いつもどおり、湯来へ向かう。

駐車場に入ると、四葉のクローバーをつけた“プリウス”が

目に入った。なんとなく、違和感がある。

帰りに直売市場で野菜を買って、駐車場に戻ると、

そのプリウスの運転席に、80過ぎと思われるおじさんが

座っていた。

少しして、同じく野菜を買った奥さんらしき人が、その助手席に

乗り込んだ。

そのプリウスのあとに続いて、私も帰路につく。

すると、ほどなくして、私に、「お先にどうぞ」のサイン。


プリウスって、お先にどうぞ、なんて車じゃないだろ。

 俺さまにも、プリウスを回せよ。


 ひがみっぽくなった、初老のおじさんがここにいる。


明日からの法座のために、生花を“ホームセンター”に坊守を

乗せて、買いに行く。買い物を終えて、

その駐車場から、市道に出るのだが、私は左折するために、

出口の左側に車を寄せて、左右を確認していた。

すると、私の右側に、ぴったりと寄せてくる1台の車。

みると、40代の女性が運転している。


コラッ。右側が、見えねえだろうが。


 車を凶器に変えた、初老のおじさんがここにいる。


私は、物心ついたころから、

「何で自分は、普通の家庭に生まれなかったのだろう」と

いつも思っていた。

ときどき、「お寺のお坊ちゃん」という、得体の知れない魔物に

襲われた。普通とそうでないものの線引きは、どこでするのか。

とにかく、お寺を継ぎたくない。絶対に東大に入ってやる。


しかし、付属中もS中も、落ちた。


父といつも喧嘩で言い争うとき、父がこう言った。

「お前は、2つも大学に行っとる。だから、何でも
 できるんじゃ。でも、わしゃあ、行きたくても
 行けんかった。そんなワシの気持ち、わからんじゃろ」

私は、いつもそこで黙り込んだ。

きのうは、東大の受験生のことを書いた。

東大卒とか京大卒の文字をみると、胸くそ悪い。

私も、父の血を受け継いでいるのだろう。


「東大を出て、そんなこともできんのか」と言ってみたい。


 劣等感に苛まれた、初老のおじさんがここにいる。


坊守に、こそっと聞いてみたい。


 「お寺に嫁いできて、ほんまに後悔してへんか?」

でも、答えが怖い(笑


 臆病になった、初老のおじさんがここにいる。



広島ブログ いつも、ありがとうございます
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