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春日井市の絵画教室、あとりえPOPアートスクールの教室風景や内容を中心に、アートについて広く記事にします。

Windows

2014-07-16 19:54:41 | アート紹介




三輪隆司さんの展覧会「Windows」をご紹介いたします。

名古屋市守山区上志段味にあります「オリコーヒー上志段味店」の壁面スペースを使って展示されています。

三輪隆司さんは、私の生徒ではありますが、それは恐らく名ばかりで、既に水彩画のエキスパートであり、その独自性の強い画風が人気の作家です。
個展、グループ展を精力的にこなし、公募展も多数入選、入賞されています。

しかし、三輪さんが素晴らしいのは、展覧会や入選の数ではなく、生まれ持ったとしか思えないフロンティアスピリッツと、飽くなき探求心で、常に自分に新しい表現を探されていることです。
いや、探すだけではなく、閃きを信じ、必ず挑戦されるのです。
頭で考えたことを、頭の中で終わらせず、実際手を動かしながら作品にすることで悩み、前に進んでいかれる。
その姿が「開拓者」を思わせます。
ただのミスター・ダンディーでも酔拳でもありません

例えば味わい深い水彩画は、その世界観を生涯追求していくに堪える個性とテクニックですが、ガラッと変わり、油絵による抽象画で絵本を作り発表され、そうかと思えば、街で見つけた配電盤を画面の中で切り取り、独特な抽象的具象画を描かれたりもします。

それは「アート」という括りでは、当たり前のことです。
画材にこだわるのはよいですが、縛られ捕らわれるのは間違っていますから。
本来画材ではなく素材。興味の対象と料理こそがアートであり、それが「表現」ですから。
私は表現者として、三輪さんを尊敬しています。

三輪さんの想像の泉は枯渇することなく湧き出るのでしょう。
今回は「金つぎ」をイメージした作品作りでした。
確かに外界と内界を分け隔てるゴールドの線が、陶芸の修復技法である金つぎを思わせます。

この切り取られた窓はなんでしょう?
じっと絵を見つめていると、どちらが内で外なのか、わからなくなります。
それは、どちらが現実でどちらが虚構なのか、いや、絵の世界ではどちらが見せたい世界、どちらが主役でどちらがそうではないのか、といういわゆるパラドックスに陥るようです。

今回のオリコーヒーの展示は、以前同じく生徒である苅谷幸美さんも展示をされた場所ですから(こちらはご紹介できませんでしたが、面白い展示でした)初めて観る場所ではありませんでしたが、間を開けて個性が違う作品の展示を観ると、まるで別の空間で作品を見たようで、非常に新鮮でした。

始まってずいぶん時間が経ってしまいましたが、この展示は7月1ヶ月の展示です。
よろしければ、コーヒーを飲みがてら展示をお楽しみ下さい。
オリコーヒー上志段味店は、橋を渡れば高蔵寺です。
高蔵寺駅からは南へ徒歩10分。
お車がオススメです。


※写真は今回展示の一部と油絵の配電盤。
面白いですね。
コメント (3)
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