今月1日に買ってきました(ようやく写真にスマホや自分の手などが写り込まないように撮れました)。
ジャズ、クラッシックともに楽しんで聞けております。ジャズはともかく、クラッシックは自分の好みがまだ掴めてない感じ。でもこれは先の楽しみということで。
では早速、感想などを。まずはクラッシックから。
フェリックス・メンデルスゾーン:
ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 作品64
ペーター・チャイコフスキー:
ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品35
ミシェル・オークレール(ヴァイオリン)、インスブルック交響楽団、
指揮:ロベルト・ワーグナー
*写真左、2250円(税込)
シューマン:交響曲第1番「春」、第3番「ライン」、「マンフレッド序曲」
ジョージ・セル指揮、クリーヴランド管弦楽団
*写真右、1050円(税込)
さて、メンデルスゾーンの方なんですが、ミシェル・オークレールのヴァイオリンは音が澄んでますね。
クラッシックを聞いていて、何となくわかってきたんですが、名演奏家の演奏は皆、こういう感じですね。清澄で、雑味がなく、高音で、とてもよく響く。その楽器の持つ性能を最大限に引き出しているといったところでしょうか。
シューマンも、非常に軽やかです。メリハリが効いていて、キビキビしております。演奏は良いんですが、シューマンはあんまり好みでないのかなと。
お次はジャズ。
モブレイズ・メッセージ/ハンク・モブレイ
*写真左、550円(税込)
モダン・アート/アート・ペッパー
*写真右、650円(税込)
「モブレイズ・メッセージ」ですが、「一生モノのジャズ名盤500」の紹介記事に「年季の入ったジャズファンがゴタク抜きで日常的に楽しんでいるのが、こういうアルバム」と書いてありますが、聞いてみて、その意味がわかりました。
何て言うんですかね、こう、しつこくないとでも言えばいいのかな。京料理みたいなもんですかね(「薄味だけどしっかり味がついている」の意)。
そして「モダン・アート」なんですが、こっちは完全にあっさり、さっぱり系ですな。爽やかというんでもないんですが、何て言うんですかねえ、うまいお茶漬けみたいな感じ(でもこのアルバムの凄味はわかっていないと思う、私)。
以上、今月の4枚でした。
こうしてジャズを聞いていて気づいたことがあって、ロックのアルバムは約46分であるのに対して、ジャズのアルバムは約38分と短い(もちろんそうでないのもありますが、大体は)。
ジャズのアルバムは演奏を収めたという印象が強いのに対し、ロックのアルバムは曲を収めた印象で、アルバムとしての構成を意識している。
これって、やっぱりビートルズの「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」の影響、つまりはコンセプト・アルバムの創出に端を発しているわけで、そう考えると、ロックというのは、クラッシック同様に、意外と形式的なんですね。型にはまっているところがある。
ところがジャズは非常に即興的で、アルバムは演奏者の演奏を活写したとでも言うべきで、アルバムとしての形式をあまりどころかほとんど意識していないんじゃなかろうか。
だから形式ばっていないし、演奏が生き生きとさえしていれば、そういう演奏が収録されていればそれで良し、みたいな。もっと言ってしまえば、ジャズのアルバムは、演奏の収録ではなく、演奏を通して演奏者を活写するのが目的であるという。
ジャズのアルバムって、骨董みたいなものかも。何かが封じ込められており、鑑賞者はそれを愛でて楽しむ。慈しむ。非常に狭い、個人的な空間で楽しむ、私的な行為。
そういえば、渋谷陽一が「ロックはジャズやクラッシックと違って名盤を決めにくいところがある」と言っていたが、確かにロックは基本的には若者の音楽であるため、時代の影響を受けやすく、そのアルバムの評価や価値は変動しやすい。
片やクラッシックは歴史が古いだけに、今に伝わっている楽曲自体が貴重で、つまり歴史的価値があるため、評価の変動はない。もはや厳然とした存在で、あとは指揮者や演奏者の解釈を楽しむだけになっている。
ジャズは今や拡散し、自由すぎて、人間というのは、何でも好きにやってみろと言われると案外、悩んでしまうもので、そこで指針となるのが、過去にどんな曲が、どんな演奏があったのかということで、影響を与えたアルバムが名盤として記憶される。
そんなところじゃないのかしらん。つい、要らんことをあれこれ考えてしまった次第です。
蛇足)ロックの名盤は発表当時、売れなかったものが実は多いのだそうです。昔はロック・ミュージシャンは自分の信念を曲げなかったので、容易に自分の音楽を変えなかった。皆頑固でその音楽は個性的。だから売れたときの喜びも多きかった。
ところが今やロックは産業化し、売れるのが当たり前、売れてなんぼの世界。流行は追いかけるものではなく、自らで作るもの。こうなってしまってはロックもつまらない。