オスカル---オスカル---- 誰だ、私の名を呼ぶのは? ア、アンドレ!
オスカル---13日は、お前1人残していくことがとても心残りだった。けれどあれから俺はずっとお前のそばにいて、お前だけを見守り続けていた。昨夜のお前の慟哭、聞いているのが本当につらかった。今すぐにでも俺のいるところに連れてきてしまおうかと何度思ったことか?けれどお前は武官だ。武官は感情で行動するものでない。従卒だって同じこと。お前には地上で果たさなければならない使命がまだ残っている。それをやり遂げるまでは、こちらに来てはいけない。そしてお前なら絶対に最後までやり通すだろうと信じていた。俺は間違っていなかっただろ、オスカル。さあ、もうこれからは苦しまなくていいんだ。身分など俺たちを隔ててきたものは、天にはもはや存在しない。俺は再び光を得た。お前の眩しいブロンドの髪、サファイア・ブルーの瞳をしっかりとこの目で見ることができるのだ。そしてお前ももう血を吐くことはない。俺たちが地上でできなかったことを、これからは1つ1つ叶えていこう。愛している。俺にはお前しかいない。これからもずっと。
アンドレ---やはりお前は、私のそばにずっといてくれたんだな。だから私は臆病者にならずにすんだ。お前が耐えた苦しみなら私も耐えられた。耐えてみせたぞ。眼を閉じた瞬間、真っ先にお前が私の前に現れた。いつもの優しい微笑みを浮かべて。あっ、少し涙ぐんでいたな。あの愛の告白をした日のように、お前は私に手を差し伸べてくれた。だから迷わず飛び込んだ。あぁ、たった一晩離れていただけなのに、何と長くてつらい夜だったろう。お前なしの私はあり得ない。昨夜は何度死のうと思ったことか。けれどそんなことをしてもお前は喜ばないだろう。「武官は感情で行動するものでない」---お前が教えてくれた一言がずっと心に響いていた。そうだ、私は武官だ。最後まで武官として生き抜かなくては!物ごころついてからお前はずっと私のそばにいてくれた。それを当たり前のように感じていた。けれど今日は違った。武官としての人生は全うした。けれどお前のいない世界で1人生きても意味がない。私にはお前が必要だ。今まで遠回りさせてしまった分を、これから埋め合わせていこう。お前はこれからも私だけを愛し抜くと誓ってくれるはずだ。もちろん私もお前だけを愛している。
今度こそ、何ものにも妨げられない世界で、愛し合い幸せになろう。愛している---生まれてきてよかった。そして生まれ変わっても、私(俺)にはお前しかいない。そうだ、すぐに結婚式を挙げよう。あの日の約束は忘れていない。ちゃんと神の前で祝福を受け、本当の夫婦になろう。
オスカル---13日は、お前1人残していくことがとても心残りだった。けれどあれから俺はずっとお前のそばにいて、お前だけを見守り続けていた。昨夜のお前の慟哭、聞いているのが本当につらかった。今すぐにでも俺のいるところに連れてきてしまおうかと何度思ったことか?けれどお前は武官だ。武官は感情で行動するものでない。従卒だって同じこと。お前には地上で果たさなければならない使命がまだ残っている。それをやり遂げるまでは、こちらに来てはいけない。そしてお前なら絶対に最後までやり通すだろうと信じていた。俺は間違っていなかっただろ、オスカル。さあ、もうこれからは苦しまなくていいんだ。身分など俺たちを隔ててきたものは、天にはもはや存在しない。俺は再び光を得た。お前の眩しいブロンドの髪、サファイア・ブルーの瞳をしっかりとこの目で見ることができるのだ。そしてお前ももう血を吐くことはない。俺たちが地上でできなかったことを、これからは1つ1つ叶えていこう。愛している。俺にはお前しかいない。これからもずっと。
アンドレ---やはりお前は、私のそばにずっといてくれたんだな。だから私は臆病者にならずにすんだ。お前が耐えた苦しみなら私も耐えられた。耐えてみせたぞ。眼を閉じた瞬間、真っ先にお前が私の前に現れた。いつもの優しい微笑みを浮かべて。あっ、少し涙ぐんでいたな。あの愛の告白をした日のように、お前は私に手を差し伸べてくれた。だから迷わず飛び込んだ。あぁ、たった一晩離れていただけなのに、何と長くてつらい夜だったろう。お前なしの私はあり得ない。昨夜は何度死のうと思ったことか。けれどそんなことをしてもお前は喜ばないだろう。「武官は感情で行動するものでない」---お前が教えてくれた一言がずっと心に響いていた。そうだ、私は武官だ。最後まで武官として生き抜かなくては!物ごころついてからお前はずっと私のそばにいてくれた。それを当たり前のように感じていた。けれど今日は違った。武官としての人生は全うした。けれどお前のいない世界で1人生きても意味がない。私にはお前が必要だ。今まで遠回りさせてしまった分を、これから埋め合わせていこう。お前はこれからも私だけを愛し抜くと誓ってくれるはずだ。もちろん私もお前だけを愛している。
今度こそ、何ものにも妨げられない世界で、愛し合い幸せになろう。愛している---生まれてきてよかった。そして生まれ変わっても、私(俺)にはお前しかいない。そうだ、すぐに結婚式を挙げよう。あの日の約束は忘れていない。ちゃんと神の前で祝福を受け、本当の夫婦になろう。
原作には書かれていませんが、7月13日の夜、オスカルはどのように過ごしていたのでしょうね?アンドレの亡骸の側で泣いていたのか、それも出来ず、明日の戦闘準備をしていたのか…
この夜は彼女の生涯の最後の夜でしたが、最も長く辛い夜でもありました。己の死の予感さえ感じる余裕はなかったはず。いずれにせよ、翌日に指揮を取ったのだから、武官の人生を見事に全うしました。
オスカルとアンドレの葬儀はどのように行われたのか、想像しています。ベルナール&ロザリー夫妻とフランス衛兵隊員が参列したのは確実ですが、ジェルジェ将軍夫妻は来たのでしょうか。オスカルの墓碑銘には、「シトワイエンヌ オスカル・フランソワ・グランディエ」と
あったりして。
>この夜は彼女の生涯の最後の夜でしたが、最も長く辛い夜でもありました。己の死の予感さえ感じる余裕はなかったはず。
おそらく「死」すら怖れていなかったのではないでしょうか?25年近く、いつもそばにいてくれたアンドレがいない事実。「私の心臓の半分を 私の半分を もぎとり 引きちぎり---」と言っていますが、アンドレは「私の半分」どころか「私の100%」に限りなく近い存在になっていたと思っています。
二人の葬儀---これも多くのSSで描かれていますね。ジェルジェ将軍夫妻は、公の立場からすれば、娘が王家を裏切ったことになるので、葬儀に参列するなどありえないでしょう。しかし肩書きを抜きにして父・母の立場からすると、我が子を男の子として育て、結果として戦闘の最前線に送ってしまったこと、夫人はオスカルをアンドレと添わせてあげられなかったことを、生涯悔やんだのではないでしょうか?
>オスカルの墓碑銘には、「シトワイエンヌ オスカル・フランソワ・グランディエ」と
あったりして。
そうかもしれませんね。けれどオスカルはそれで喜んでいると思います。