Vばら 

ある少女漫画を元に、エッセーと創作を書きました。原作者様および出版社とは一切関係はありません。

ロシアのテレビドラマ 「エカテリーナ」

2018-12-31 20:50:23 | つぶやき

 BS日テレで2018年12月6日(木)から2019年1月4日(金)まで、全22回にわたりロシアのテレビドラマ「エカテリーナ」を放送。

 年末年始休みに入り、たまたまテレビを見ていたらこのドラマが放送されていた!月曜から金曜まで毎日午後2時30分から約1時間放送。今日は第18話だった。うわっ、もっと早く知っていたら!残念なことに、かなり見逃してしまった。ネットで調べたところ、本国ではシーズン1が2014年に放送され大好評を博したので、アメリカ・オーストラリア・ポーランド・中国など世界20カ国でも放送されたとある。2016年にはシーズン2が放送。今回BS日テレが放送するのは、シーズン1と2の両方。ちなみにシーズン3はロシアで2019年9月から放送予定。

 「エカテリーナ」は、「ベルばら」よりも約20~30年前の1760年代を舞台に、ドイツから嫁いだ少女ゾフィが広大なロシアの女帝となって統治していく過程を描いたドラマ。モスクワやサンクト・ペテルブルクにある本物の宮殿を使ってロケが行われた。美術や小道具は18世紀の本物のアンティークを使用。俳優さんたちは、鬘は着用していない。豪華な宮廷ドレスや軍服は、イタリアやスペインから生地を取り寄せ、当時の縫製技術を用いて復元。第10話だったかエカテリーナが入浴後、謁見に向かうため、宮廷ドレスを身につける過程を映して見せたが、シュミーズやパニエ、コルセットなどが、アントワネットの時代のものとほぼ同じ作りで「あぁ、こんな感じで毎日、侍女たちに手際よく着付けしてもらっていたのね。」と妙に納得。

 エカテリーナが無能な夫に反旗を翻し、クーデターを起こす決意をする場面では、それまでの豪華なドレスを脱ぎ、ロシアの軍服を着て将校たちに「自分についてきてほしい」と訴える。(夫はプロシアに心酔していたため、プロシア風の軍服を着ていた。)このシーン、エカテリーナがオスカルに被って見えた。軍服のデザインはオスカルが着用していたものと全く違うが、18世紀の女性軍人ってこんな感じかなと思わせるものがあった。エカテリーナが馬にまたがる場面があれば、更に良かったなぁ。

↓ 戴冠式の場面。

↓ エカテリーナを演じているのは、女優マリーナ・アレクサンドロワ。過去にNHKのドラマ「坂の上の雲」に出演したこともある。とても美しい。(この人がオスカルを演じたら、どうなるだろう?)

 このドラマでは、王家に嫁いだ女性が早期に後継ぎを生むことをいかに期待されていたかを、これでもかというほど描いている。では男子が生まれれば一件落着かと言うとそうでなく、息子が成長したのちは、その子が男性として子孫を残す力を持っているかどうかさえもチェックする。このあたりの事情はロシアだけでなく、おそらくどこの王国も同じだったろう。マリア・テレジアが、いつまでも懐妊しないアントワネットを案じていたように。

 エカテリーナの場合、息子パーヴェルが年頃になると、男性としての務めを果たせるかどうか確認するため、自分の侍女に彼の相手をさせる。めでたく侍女が懐妊すると、後継ぎ騒動を恐れて侍女に「お腹の子を堕胎しなさい。」と命じる。何ともすさまじい世界である。いや、これくらいの強さがなければ、広大なロシアを治めることなどできないだろう。

 BS日テレの放送は残りあと4回。見逃さないようにしないと。そしてシーズン3もぜひ放送していただけるとありがたい。

 本年も拙いブログを読んでくださり、本当にありがとうございました。自分の置かれている環境がブログ開始当初と変わり、PCに向き合う時間が以前ほど取れなくなりました。しかし来年も細々と続けてまいりますので、どうかよろしくお願いいたします。皆さま、良いお年を!



2 コメント

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ロシアの歴史ドラマ (鍋鶴)
2019-01-15 14:47:18
歴史考証に手抜きが無い骨太なドラマ、一度見てみたいものです。池田理代子さんの漫画で彼女を知りました。外国人の女性が帝位に付く…日本の歴史に鑑みると考えられません。当たり前に捉えるロシア人、というより、ヨーロッパの歴史って度量が広い。生殖能力の有無の調べ方が露骨でドン引きです。でも最高権力を握ったら、人間的な感情を持つのは致命的なんでしょうね。個人の幸福よりも国家の安泰と国益。大帝と呼ばれる資格があります。
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鍋鶴さま (りら)
2019-01-17 21:05:40
 コメントをありがとうございます。1~8回目は見逃しましたが、それ以降はすべて見ました。ロシアを近代国家にするために、時には冷酷に事に当たる。温情に流されては、あの広大な大地を治めることなんて、到底できません。実の子に対しても容赦しない。母親から無償の愛を得られない息子たちが、かわいそうになりました。

 第3シリーズが日本で放送されるのが、いつになるかわかりませんが、このドラマを最後まで見届けたいです。
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