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Vばら 

ある少女漫画を元に、エッセーと創作を書きました。原作者様および出版社とは一切関係はありません。

髪のお手入れ

2015-12-16 01:42:41 | つぶやき

 オスカルの見事なブロンドの髪は、毎朝ばあや(あるいはロザリー)がていねいにセットしていた。便利な家電製品がない時代、ばあやはどうやって日々、髪のお手入れをしていたのだろう。

 サロン・ド・マロンの秘密兵器はおそらくこれ。鉄製アイロン。火傷しないよう、持ち手は熱せず、先端部分だけ熱くする。オスカルの髪をあらかじめ霧吹きか何かで軽く湿らせておき、熱したコテに髪を挟み込み(しかしこれは、ちょっと手元が狂うと大火傷するだろうなぁ。しかも鉄だから結構重いはず。落としたら大変。)しばらくそのままにしてスタイリング。豊かなブロンドの髪を完璧にセットして仕上げるのに、熟練したばあやでも15~20分はかかるのでは?コテが冷めてきたら再度暖め直す。こうして髪全体を整えていく。その間、オスカルとばあやは鏡越しにあれこれ世間話をしていたのでは?二人にとって、特にオスカルにとって出勤前の唯一ホッとできる時間。時にはアンドレをサカナに、ああだこうだと女同士のお話で大笑いしながら盛り上がっていただろう。

 手前がコテ(アイロン)で、奥がコテを暖めるヒーター兼スタンド。

 こちらは穴が開いているタイプ。この穴に髪を挟んだのだろうか?コテが熱いから、なかなか大変。

こちらはヒーター。

 昔から女性は髪を美しく整えたいと願う気持ちが強く、それは軍人であるオスカルも例外ではなかった。髪は女の命。だからアンドレに「ほったらかしの 好き勝手なほう向いている髪」と言われると、非常にオソロシイ顔をして怒りを表す。(しかし---このアンドレが将来オスカルと結ばれるとは、この時まだ予想もできなかった。)

 サロン・ド・マロンで、オスカルが癒される時間は、とても幸せなひとときだった。

 読んでくださり、ありがとうございます。



4 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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Unknown (マイエルリンク)
2015-12-16 09:57:07
りら様 はじめまして。
いつも素敵なSSと、溢れんばかりの『ベルばら』愛に満ちた情報の数々。 もう、私はひれ伏すような気持ちで拝見しております。m(__)m

鉄製のコテ。 毎日、これでセットされていたのでしょうか。 実は私、25年程前にこれに似た物を実際に自分の髪に使われた事があります。 父親が勝手に申し込んだ「祇園で舞妓さんの衣装を着て写真を撮る」という気恥ずかしい体験。 鬘ではなく、地毛で髷を結ったんです。 祇園で昔から舞妓さんのまげを結い続けて来た方が結ってくださったのですが、鉄のコテが出てきた時は驚きました。 おかげで私の髪はパサパサになってしまいました(~_~;)。 きっと、温度調整が難しいのでしょうね。 日頃からオスカル様の髪はコテの熱で痛まないように、ばあやが又事細かにお手入れしていたことでしょう。
豪華で華やかな生活ではあっても、現代人が想像に及ばないくらい不便だし、衛生状態も悪い時代です。 それは先月『ベルサイユの宮廷庭師』を観たときにも感じました。 『ベルばら』の上流階級の生活ははあくまで華やかに美しい世界で描かれていますが、それが又『ベルばら』の魅力でもありますね。

これからも、OAの素敵な愛の物語や、『ベルばら』や、それに纏わる興味深いお話、楽しみにしております。

長々と失礼致しました。
りら様の足元にも及ばない軽薄な『ベルばら』ファンの私ですが、又お邪魔させていただけると幸せでございます。


マイエルリンク
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マイエルリンクさま (りら)
2015-12-16 16:18:25

初めまして。コメントをありがとうございます。

>。実は私、25年程前にこれに似た物を実際に自分の髪に使われた事があります。 父親が勝手に申し込んだ「祇園で舞妓さんの衣装を着て写真を撮る」という気恥ずかしい体験。 鬘ではなく、地毛で髷を結ったんです。

 マイエルリンクさま、とても貴重な体験をなさいましたね。興味深いです。今でも祇園には、昔ながらの鉄製のコテを使って、髷を結うことのできる専門の方がいるのでしょうか?マイエルリンクさまは、地毛で髷を結ったとのこと。髪のボリュームがおありなのですね。地毛が少ないうえに髪が薄い私には、うらやましい限りです。けれどコテの難点は温度調節ですね。現代の家電製品ならデジタル表示で、適切な温度を保てますが、このコテは扱う人の熟練した技能と経験がすべて。ばあやはジャルジェ家の6人のお嬢さまたちすべての髪を、整えてきたキャリアを持っているはず。6人目のオスカルの髪を手入れする頃には、プロの美容師さんも驚くくらい、手際よくスタイリングしていたのではないでしょうか?

>豪華で華やかな生活ではあっても、現代人が想像に及ばないくらい不便だし、衛生状態も悪い時代です。 それは先月『ベルサイユの宮廷庭師』を観たときにも感じました

 マイエルリンクさま、映画をご覧になったのですね。私はまだなのです。けれど数ヶ月前「ヴェルサイユ宮殿に暮らす」という本を読みました。当時の貴族たちにとって、宮殿内に住む部屋を賜ることは、とても名誉ではあったけれど、実際は日当たりが悪かったり、悪臭に悩み、冬は暖炉のススがカーテンや調度品を汚し、大変だったと書いてありました。

>『ベルばら』の上流階級の生活ははあくまで華やかに美しい世界で描かれていますが、それが又『ベルばら』の魅力でもありますね。

 そうですよね。宝塚の舞台も、あくまでも美しく華やかに。それが魅力になっていますね。

 SSは書いても書いても拙くて、記事は好き勝手なブログですが、読んでいただけると本当に嬉しいです。マイエルリンクさま、いつでも気軽にお越しくださいね。読んでくださり、本当にありがとうございました。どうかこれからもよろしくお願いいたします。
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Unknown (マイエルリンク)
2015-12-18 09:56:45
りら様
温かいお言葉ありがとうございます。

25年前に私の髪を舞妓さんの髷に結って下さった方は、年齢的に考えたら、もうご存命ではないと思います。 舞妓の扮装のサービスは、今あちこちで行われていますが、地毛で結うのはきっとないでしょうね。 鬘の方がずっと短時間ですみますし、お値段的にもお手軽ですから。^^; 今は、舞妓、芸妓、それに花魁などが気軽に体験できるそうですよ!


『ベルサイユの宮廷庭師』は、私の想像というか、期待していたのとは若干趣の違う感じでしたが、当時の貴族の生活の一部が垣間見られたのは嬉しかったですね。 ベルサイユ建造とルイ14世、広大な庭園を手掛けたアンドレ・ル・ノートルにスポットを当てたというよりは、ケイト・ウィンスレット演じる女性庭師の女として、人間としての生きかたと、 ル・ノートルとの愛を描いた作品でしたので、歴史的なスペクタクルとは違うように思いました。 ベルサイユは元々沼地だということが思い起こされるシーンもあり、劇画や舞台からは想像出来ないような、劣悪な生活環境の上に、絶対的な権力で煌びやかな仮面をかぶせ、豪華絢爛に装おうとした太陽王の強固な意志を感じました。 ル・ノートル夫人が夫を呼ぶ“アンドレ! アンドレ!” という声に、妙にドキドキしてしまう自分に思わず笑ってしまいました・・^^;

明日はいよいよエピソード7
想像に反して衛兵隊の制服のオスカル様。 私としては、アンドレの存在を大切に描いて下さっている事を祈りたいですが・・^^;
楽しみですね。
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マイエルリンクさま (りら)
2015-12-18 21:39:24
コメントをありがとうございます。

 地毛で髷を結うことができる方が、果たしているかどうか?(あっ、お相撲さんは毎日、結っていますね。)最近、京都の清水坂では、外国人観光客の方が、鬘を被り着物を着て嬉しそうに歩く姿を見かけます。

>劇画や舞台からは想像出来ないような、劣悪な生活環境の上に、絶対的な権力で煌びやかな仮面をかぶせ、豪華絢爛に装おうとした太陽王の強固な意志を感じました
 
 ただただ綺麗事で終わらせないのがいいですね。「臭いものにフタ」と言いますか、あの華やかさの影に、厳しい現実があったわけですね。ああ、この映画も見ないと!

>ル・ノートル夫人が夫を呼ぶ“アンドレ! アンドレ!” という声に、妙にドキドキしてしまう自分に思わず笑ってしまいました

 ああ、すごくよくわかります。何でも脳内変換してしまう。それもまた楽しいです。「アンドレ・ル・ノートル」という品種のばらもあります。

>私としては、アンドレの存在を大切に描いて下さっている事を祈りたいですが・・^^;

 私もマイエルリンクさまとまったく同じ想いです。オスカルはもちろん、アンドレもそばで彼女をどんなふうに見つめていたか、池田先生、描いてくださっているといいなあ。早く明日が来てほしいです。一緒に感想をお話しできると楽しいですね。


 
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