この5月に会社法が施行されて、決算書の表記ルールも変更された。
中でも最も大きな変更点として、「資本の部」が「純資産の部」になったために、初歩レベルの財務・会計分野の教材資料も全面的に改訂することに。
5月から順次、改訂作業を進めており、今月になってほぼ全部片付いたのだが、やっかいな点が2つある。
●その1 「資本」≠「純資産」
用語を換えるだけなら簡単なのだが、その内訳が変わり(*1)、「資本」という区分がなくなったために、
「負債や資本というかたちで調達してきた資金を、事業に必要なかたちに換えて資産として保有する」
というような説明がしにくくなった。
《資産》=《負債》+《資本》
という等式も、
《資産》=《負債》+《純資産》
では説明しづらい。
*1: 純資産の部の内訳
(※の項目(名)は従来の《資本の部》になかったもの)
------------------------------
《純資産の部》
------------------------------
株主資本 ※
資本金
資本剰余金
利益剰余金
自己株式
評価・換算差額等 ※
その他有価証券評価差額金
繰り延べヘッジ損益 ※
土地評価再評価差額金
為替換算調整勘定
新株予約権 ※
少数株主持ち分 ※
------------------------------
●その2 ROEの定義
従来は、
《資本》=《純資産》=《株主資本》=《自己資本》
だったが、定義上、この等式がくずれてしまった。
(上場企業以外では、実際の数字上、等式が成り立つ
ケースは多いと思われる。)
そのため、金融庁と東証(東京証券取引所)の開示ルールでは
《自己資本》= 《純資産》-《新株予約権》-《少数株主持ち分》
と定義した上で、とくにROEと呼ばずに
《自己資本当期純利益率》=《当期純利益》÷《自己資本》×100
としている。(*2)
*2: 詳細は東証の決算短信の様式についてのページ
からダウンロードできるPDFファイルのp.4に記載。
まぁ、いろいろ検討した結果だとは思うのだが、こと会計だけに、
もう少し誰にでもわかりやすい用語になるよう、今後の改善を期待する。
中でも最も大きな変更点として、「資本の部」が「純資産の部」になったために、初歩レベルの財務・会計分野の教材資料も全面的に改訂することに。
5月から順次、改訂作業を進めており、今月になってほぼ全部片付いたのだが、やっかいな点が2つある。
●その1 「資本」≠「純資産」
用語を換えるだけなら簡単なのだが、その内訳が変わり(*1)、「資本」という区分がなくなったために、
「負債や資本というかたちで調達してきた資金を、事業に必要なかたちに換えて資産として保有する」
というような説明がしにくくなった。
《資産》=《負債》+《資本》
という等式も、
《資産》=《負債》+《純資産》
では説明しづらい。
*1: 純資産の部の内訳
(※の項目(名)は従来の《資本の部》になかったもの)
------------------------------
《純資産の部》
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株主資本 ※
資本金
資本剰余金
利益剰余金
自己株式
評価・換算差額等 ※
その他有価証券評価差額金
繰り延べヘッジ損益 ※
土地評価再評価差額金
為替換算調整勘定
新株予約権 ※
少数株主持ち分 ※
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●その2 ROEの定義
従来は、
《資本》=《純資産》=《株主資本》=《自己資本》
だったが、定義上、この等式がくずれてしまった。
(上場企業以外では、実際の数字上、等式が成り立つ
ケースは多いと思われる。)
そのため、金融庁と東証(東京証券取引所)の開示ルールでは
《自己資本》= 《純資産》-《新株予約権》-《少数株主持ち分》
と定義した上で、とくにROEと呼ばずに
《自己資本当期純利益率》=《当期純利益》÷《自己資本》×100
としている。(*2)
*2: 詳細は東証の決算短信の様式についてのページ
からダウンロードできるPDFファイルのp.4に記載。
まぁ、いろいろ検討した結果だとは思うのだが、こと会計だけに、
もう少し誰にでもわかりやすい用語になるよう、今後の改善を期待する。