仕事の結び目

コンサルタント&ファシリテーターの朝尾直太が仕事に関係するテーマについて記すコラム。

損金算入

2006年12月15日 | 会計ルール等
2006年12月15日付 日経新聞朝刊、与党税調の「2007年度税制改正大綱」についての記事。リード文には次のように書かれている。

「設備投資を促すため、投資額の全額を損金算入できるよう減価償却制度を見直すなど企業の税負担を軽減したのが特徴」

「(なんとなくわかるが)ピンとこない」という方のために説明しよう。
決して難しい話ではない。「損金算入」と税金の関係がわかればすっきりする。

わかりやすく言うと「損金」は「費用」のこと(正確には少し異なる; ※1)。費用に「計上できる」――損金の場合は「算入できる」という――金額を「全額」に増やすので、そのぶん利益が減るから、税金が軽くなる、というのが改正の趣旨。

「全額」に増やす、というのは、これまでは「全額」より少なかった、ということ。

例えば100万円の設備を購入したとする。耐用年数を5年とすると5年間で費用(減価償却費; ※2)にカウントできるのは90万円(90%)というのが、これまでのルール。
上の記事は、それを5年間で100万円(100%)全額を費用計上できるように税制を改める、というもの。

ところで税金が軽くなるのは良いとしても、「費用」が増えて「利益」が減るのは良いことなのだろうか?

結論から言うと、たいていは許容範囲内と言える。

「利益」が減るのは望ましくないが、いずれにせよ長い目で見れば全額が費用に計上されるので、利益の総額は変わらない。(儲かっている間に)さっさとやってしまいたいという感じだ。

長期的に見て本当に節税になるのかどうかは、試算していないのでわからない。ただ、資産として残る(減価償却されずに残る)部分がなくなるので「身軽になる」のは確かだ。

※1 「損金」と「費用」は正確には同じでない。
 企業会計:「収益」-「費用」=「利益」(マイナスなら「損失」)
 税務会計:「益金」-「損金」=「所得」(これに対して税金がかかる)

上下はおおむね対応しているが、少しずつ異なる。詳しくは税務署や税理士さんに尋ねてください。

※2 「減価償却」については、この記事を参照。

DOE 株主資本配当率

2006年12月15日 | 会計ルール等
最近、日経新聞の投資・財務欄でしばしば見かけるようになった指標。

DOE 株主資本配当率 Dividends On Equity

DOE = 配当金総額 ÷ 株主資本
   = 配当金総額 ÷ 当期利益 × 当期利益 ÷ 株主資本
   =    配当性向     ×  株主資本利益率


※配当金総額は1年間の合計。年2回配当の場合は中間配当と期末配当。
※株主資本は、期首と期末の平均値など期中平均値を用いる。

配当の割合は、1株当たりのほかに、配当性向(当期利益に対する割合)
で捉えることが多かった。
ただ、配当性向は分母の当期利益が年度によって上下するために、
もう少し安定的な分母で捉える指標として、DOEが注目されて
いるらしい。
(配当政策については専門でないので、解説はここまで!)

「葉っぱビジネス」

2006年12月06日 | 起業塾
「葉っぱビジネス」としてよく知られている徳島県上勝町の成功事例。

http://www.nikkei.co.jp/digitalcore/local/18/index.html (事例紹介記事)
http://www.geic.or.jp/geic/partnership/casestudy/055/index.html (事例紹介記事、町について)
http://www.irodori.co.jp/ (事業会社のHP)