仕事の結び目

コンサルタント&ファシリテーターの朝尾直太が仕事に関係するテーマについて記すコラム。

新しいサイトに移行します。

2007年05月28日 | Weblog
これまで「仕事の結び目」として、散発的ながらブログを発信してきました。ご購読ありがとうございます。

このたび、もう少し自分の考えを伝える努力をすべく、「Empower Yourself」というタイトルに変えて、心機一転、再スタートします。

【目標】
・もっと自分の考えが伝わる内容にする
・もっと投稿頻度を増やす

URLが変わりますので、RSS等に登録されている方は、お手数をおかけしますが、新サイトの登録をお願いいたします。ご面倒おかけして申し訳ありませんが、今後とも、ご購読、よろしくお願いいたします。



経験からの学習

2007年05月10日 | 仕事術
昨夜も Learning bar に参加。(Learning bar についてはこの記事参照)
タイトルは「プロフェッショナルの人材育成」で
講師は小樽商科大学 准教授 松尾睦 氏(「経験からの学習」という本の著者)。

熟達と経験学習についての研究が紹介された。
(内容については主催する中原氏のブログを参照)

いくつか印象に残った点を挙げる:
・10年以上の経験で、スキルと業績が結びつく
・6~10年目の経験から多くを学ぶ
・後の時期の経験から多くを学ぶには、その前の時期の学習によるレディネスが重要
・段階的学習のものと、非段階的学習のものがある
・現場での経験学習を促進させるためにはコミュニティの存在が重要である

プロフェッショナルの経験学習に関するアカデミックな研究はまだ日が浅く、即実務に活かせる知見が豊富なわけではない。
しかし、実務の世界でも研修ほどノウハウが蓄積されているわけではないので、研究成果を吸収して、実践に取り込んでいく必要があると感じた。

PowerPoint 2002 のトラブル

2007年05月03日 | 仕事術
パワーポイント2002 が突然、編集不能な状態になった。
マイクロソフトのセキュリティ関連の更新プログラムが原因で、オフィスパーソナル2003 とコンフリクトを起こしたと考えられる。


2週間前から突然パワーポイント2002が動かなくなった。スライドショーなどはできるのだが、編集時の入力操作がまったくできない。スペース1つでも入力するとカーソルの点滅が止まり、フリーズしてしまう。何度やっても同じ。

問題の解消策として示されるのは「2003 に更新をお薦めする」という「間違った情報」だった。いつものことながら腹立たしい。マイクロソフトにはすっかりお世話になっているというのに、こういう困ったときの接触でイヤな印象が積み重ねられていく。

対応策として、まずウイルスチェックを行った。疑わしい問題はなくトラブルは解消しない。
次にマイクロソフトの Office Update を行った。すでに最新の状態だった。
パワーポイント2002を再インストールした。いったんアンインストールしたうえで改めてインストールしたが、解消しない。

ここで気づいたのだが、再インストール後に、マイクロソフトのセキュリティ関係の自動更新プログラムが行われ、オフィスやパワーポイントの更新も含まれていた。どうやらこれがきっかけらしい。しかし、元に戻すことはできない。

数日経って、もう1台のPCでトラブルが起きていないことから、Office Personal のバージョンの違いが原因ではないかと思い当たった。

問題のPC: Office 2003 Personal + PowerPoint 2002(トラブル発生)
別のPC:  Office XP(2002) Personal + PowerPoint 2002(トラブルなし)
 注)Office Personal は Word, Excel などで、PowerPoint は入っていない。

つまり、セキュリティ更新プログラムのせいで、Office 2003 Personal と PowerPoint 2002 がコンフリクトを起こすようになったらしい。

で、今朝、Office Personal 2003 を Office Personal XP(2002)に入れ替えてみたところ、見事にパワーポイント2002 が復活! トラブル解消!

ちなみにパワーポイント2003 にバージョンアップすると1万4000円近くかかる。使用頻度や仕事における必要性を考慮すると単純に高いとは言い切れないのだが、トラブルの経緯がゆえに払いたくない。マイクロソフト社には、こうした問題が起きないように対応してもらいたい。

Learning bar@Todai 研修の先にある「未来」

2007年05月01日 | 人材育成・学習支援・研修

「企業内人材育成入門」の著者である東大の教育学者 中原淳 准教授(4月から助教授でなくなった)の催す研究会 Learning bar(※)に初めて参加した。

企業内での人材育成について、今後「研修」よりも「現場での人材育成(Workplace learning)」のニーズが高まるであろうから、人材育成担当者はその変化に対応すべきだ、というのがおおよその主張だ。

二人目の講演者の産能大教授、長岡健氏の主張は、研修におけるインストラクショナルデザイン(ID)が、かつて経営の意思決定におけるオペレーションズリサーチ(OR)が辿った道を連想させるというもので、とても挑戦的・刺激的なものだった。

コ メンテーター(と私を含めて参加者の大半)は、「研修」担当または業界の人だったので、全員が長岡氏の主張に反論するものだった。議論というほどの時間が なかったのが残念だったが、最後に長岡氏は「コメントは全員、ORの正統派と同様だった」と述べた。――ORの正統派は衰退の道を歩んだ。

私の印象では、両者の議論が同じタイムスパン上でなかったので、噛み合わないのは当然だとは思う。

とはいえ、研修を生業にするものの一人として、「研修」というフレームワークから飛び出して現場に入っていく必要性を改めて感じた。

※ Learning bar について
4/27 のLearning bar についての中原氏のブログ

主催: NPO法人エデューステクノロジーズ
    (副代表理事:中原淳 氏)
共催: 東京大学大学院 学際情報学府 中原研究室


メールファシリテーション 3か条

2007年05月01日 | 仕事術
仕事の都合でたまにしか参加できないFAJの東京支部定例会。
半年振りの先週のテーマは「メールファシリテーション」だった。

企画運営者が自ら認めていたように、メールとファシリテーションの 関係をはっきりさせないまま、答えのないセッションに突入した。

最終的には、
1)気持ちよくコミュニケーション!
2)相互作用を活性化する
ための3か条を、総勢約80名を5-6名ずつに分けたグループから 発表した。

わがグループの3か条:
1.素早い返信
2.タイトルは最大のメッセージと心得よ
  (中身&期待を記す)
3.最初の1行目でプラスの気持ちを表す

他のグループのもので気に入ったもの(理由)
 ・シュートではなくパスで
 (一方通行的でなく、相手の立場に立つべきことをうまく凝縮している)
 ・ほんとにメールでいいの?
 (返信を含め、メールだけに頼るべきでないという点は、自分でも
  入れたかったが、自グループでは残らなかった)
・反応しよう
 (返信だけではなく他の手段を含む反応を指すが、とくにML上での
  誰かの投稿に対して反応しよう、という意図に共感した)
・つなぐ
 (どう?のように尋ねる、相手の文章を引用する、「上の句」を
  書いて「下の句」をあえて相手に委ねる、などの工夫をする
  という説明に納得した)

「特定のテーマについて議論するMLの場合」のように、テーマを 絞った「メールファシリテーション」の検討も面白いだろう。
今回は4月で新入会員さんが多いこともあって、幅広いテーマ設定 になったようだ。

それはそれで有意義な結果が出てくるところが、ファシリテーションの すばらしいところ。一方で「メール」というコミュニケーション手段が、 まだまだ成熟していないことを表していると思う。


イッキツウカン(一気通貫)

2007年04月25日 | 仕事術
仕事で「イッキツウカン」という言葉を使うことがないだろうか?

「一連の流れやプロセスを、まとめて/ワンパッケージとして」
(実施する)というような意味で用いられる。

感じはよくわかるのだが、漢字は確かめたことがなかったのだが、
ネットで調べて見ると、麻雀用語の「一気通貫」から来ているらしい。
知らなかった! ちょっと意外。


一気通貫/Wikipedia

一気通貫/はてなダイアリー キーワード

アクション・ラーニング講座

2007年04月16日 | 組織・リーダーシップ
ある研修会社さんのお誘いで体験セミナーをオブザーブしたのをきっかけに、アクション・ラーニングの講座(GIALジャパン開催)を受けることにした。2日間の基礎コース + 4ヶ月間にわたる計4日間のコーチ養成コースで、今日はその初日。

「アクション・ラーニング」はさまざまな使い方をされる言葉だが、この講座で学ぶ手法の真髄は「質問しかしない、その答しか話さない」というところにある。

オブザーブでその威力にショックを受けていたので驚くことはなかったが、今日、改めて自分の思考スタイルに揺さぶりを掛けられた。ややマゾヒスティックな快感だ。――わけを話そう。


私は、問題を相談されたとき、その本質を捉えるための見方(仮説)を示したり、解決策(案)を出したりという行為を、ほとんど無意識にする傾向がある。ところがこれが行き過ぎると「鋭い捉え方を示して見せたり、的確な解決策を出して見せたり」する、自己満足的な行為に陥りかねない。その危険性は意識している。

一歩下がって自己満足的でないとしても、解決策を提示することが相手のためになるかと言うと、そうとは限らない。腑に落ちなければ、多くの場合、行動に移せないからだ。

もう一歩下がって、相手の腑に落ちて行動に移せたとしても、次の問題が生じたとき、またこちらに答を求めることにならないか――。

一部のコンサルティング・ビジネスとしては、それで良いのかもしれない。しかし、問題解決よりも教育(正確には学習支援)に軸足を置く私としては、そのスタイルは取りたくない。だからというわけではないが、自分のスタイルを見出せないために、最近いわゆる「コンサルティング」をしていない。

しかしアクション・ラーニングのようなスタイルであれば、(相手の会社の実務上の問題をそのまま取り上げるという意味で)コンサルティング的に関わることができそうだと感じている。

そのためにはまず、捉え方や答をこちらが見つけるのでなく、相手の当事者たちが見つける支援をするような思考スタイルに変わらなくてはならない。「思考スタイルに揺さぶりを掛けられる」のが快感なのは、生みの苦しみだと感じられるからだ。

ところで、これは私自身の成長のためでもあるのだが、相手のためでもある。

なぜなら――白状すると少し悔しいのだが――まだ数回の経験ながら、アクション・ラーニングを通じてチームで導き出す問題の捉え方や解決策は、自分一人で考えたものよりも、つねに優れているからだ。「複数の脳みそ」の威力はそれほど凄い。


リーダーを育成する方法についての本

2007年03月30日 | 組織・リーダーシップ
「ハイ・フライヤー ――次世代リーダーの育成法」
モーガン・マッコール 著
金井壽宏 監訳、リクルート ワークス研究所 訳
2002年(原著1998年)、プレジデント社

昨年から社外のパートナーと組んで、リーダーシップなどテーマにした研修プログラムの開発に取り組んでおり、この分野の本をいくつか読んでいる。この本は――実はまだ読み終えていないのだが――最新刊でもなく、出版当時話題になった記憶もないが、人材育成に携わるものにとっては非常に刺激的だ。

著者の主張は一言で言えば、リーダーの育成は、リーダーシップを持つタイプの人材を選抜することによってではなく、リーダーシップが開発される「仕事経験」を積ませることによって行うべき、というもの。つまり、リーダーシップに先天的な資質のようなものは重要でなく、また研修などの教育プログラムで開発されるものではない、ということだ。

おいおい、研修はダメなのかとなるが、無駄だと言っているわけではない。仕事経験が最も重要だから、リーダー育成はそこに焦点を当てないとダメだよ、という話だ。

研修や外部から支援を行う立場にとっては、次のような教訓が得られるのではないか。

1)研修は、その前後の実務経験と結びつけられなくてはならない。

実務に結びついた内容の研修をやる、という話ではない。研修の場において、参加者が研修内容を自らの経験と結びつけるための支援を積極的に行う、という意味だ。多くの研修で当たり前になりつつあることではあるが、とくにリーダー育成に関わるものの場合、その要素を大きくすることが重要だろう。

2)外部のファシリテーターやコンサルタントは、リフレクションを促す役割を果たすべきである。

研修参加者などが自らの過去の経験からより多くを学べるように、適切な質問などをして、リフレクション(省察)を促すことが大切だ。また、将来の経験からも学べるように、「経験からより多くを学習する」手法を身につけてもらうことも大切だろう。

興味を持たれた方は、ぜひ本をご覧になって、ご感想、ご意見をお聞かせください。

「考える必要がある仕事」から「考える作業」を独立させる

2007年02月22日 | Weblog
日経ビジネス オンラインのLifehacks は時々読んで参考にしている。

「考える必要がある仕事」は時間がかかるので後回しにしがちだ
という指摘は、まさにその通り。対策の要点は以下の通り。

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「考える必要がある仕事」から「考える作業」だけを取り出して独立させてしまうことです。
(中略)
 対象となるのは、その仕事を終わらせるのにおおむね1時間以上かかりそうだと予想している仕事です。なぜなら、1時間以上かかると見込んでいる仕事には、「考える作業」を含め、複数の「すぐ取りかかれる仕事」が混在している場合が多いからです。
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「考える作業」の進め方 (Lifehacks):NBonline(日経ビジネス オンライン)


「やることを決め」、「決めたことをやる」

2007年02月22日 | Weblog
メルマガ「仕事の課外授業」は、ためになる講義が多い。
少し前のこれもそう。

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仕事とは、極論すれば、

「やることを決め」、「決めたことをやる」。

この二つです。その繰り返しなのです。
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ちょうど、うすうす感じているか、日ごろもやもやしている
テーマについて、ズバリ指摘してくれる。

仕事の課外授業  講義8(vol.182) 「ためらわずにやる」