仕事の結び目

コンサルタント&ファシリテーターの朝尾直太が仕事に関係するテーマについて記すコラム。

「葉っぱビジネス」

2006年12月06日 | 起業塾
「葉っぱビジネス」としてよく知られている徳島県上勝町の成功事例。

http://www.nikkei.co.jp/digitalcore/local/18/index.html (事例紹介記事)
http://www.geic.or.jp/geic/partnership/casestudy/055/index.html (事例紹介記事、町について)
http://www.irodori.co.jp/ (事業会社のHP)

起業をめざす者どうしの協力関係を築く

2006年07月24日 | 起業塾
週末は起業塾(*1)の合宿でした。アドバンスコースの塾生が10名弱参加。前年度上級を修了したOB(今年度から新設されたグラジュエイトコース)も数名参加してくれました。

1年間のコースの中でこの時期に合宿を催す目的は、起業をめざす塾生どうしの協力関係を築くこと。
互いに切磋琢磨、刺激し合いながら、起業に向かって歩む一つのチームだと位置づけるわけです。

チームビルディングという観点では、短いプロジェクトワークに取り組んでもらうのも一案ですが、そのチームで起業をするわけではないので、同じ種類だけれど別々の目標をもつ者どうしとして、互いの理解を深め合うことを企図しました。

また、どのような分野で起業をするかが定まっていない塾生も多いため、まずは自分の中にある価値観を浮き彫りにして、原点を確かめておくことも、合宿のテーマにしていました。

そこで、これらの2つを組み合わせて、自分の過去を振り返り、未来をイメージするというワークに取り組んでもらいました。いずれも発表して互いに質問し合ったりしてもらいます。

今年度の塾生は一見おとなしいタイプの人ばかりなこともあって、合宿終了時点で、成果がどれほど出たかはよくわかりません。しかし、昨年度は合宿後に塾生がしっかりしてしてきたという手応えを感じました。ほとんどが20代の若い人たちなので、将来が楽しみです。

*1: 起業塾については次の記事を参照:http://blog.goo.ne.jp/asaonaota/e/fd3a26882fc355d562aae74af5ff03c3


起業は目的か?

2005年09月25日 | 起業塾

最近は「起業したい」という人が増えているようです。先日会った人(学生)もその一人ですが、しかし何で起業したらよいか(どんな事業をすればよいか)分からないで少し悩んでいるようでした。

 「起業したい」人が増えているのは、世の中の風潮のせいもあるでしょう。一昔か二昔前(もっと前?)なら「脱サラ」や「独立」という言い方だったものが「起業」に代わっているだけかもしれませんが、最近の特徴は若い人の「起業」志向が目立つようです。

私も、自らが起業家の端くれであるだけでなく、仕事で「起業」講座をしていますから、こうした風潮に加担している一人ですから、若者の悩みに責任の一端があるかもしれません。

 私がアドバイスを求められたら、
「起業は目的(目標)ではないのでは?」
と問い掛けます。形としての「起業」にこだわる必要はないのではないでしょうか。

 「起業したい」という気持ちの背景には、何らかの生き方や価値観、欲求があるのだと思います。自ら事業を起こすことで世の中での存在感を得たり、事業の理念を通じて何かを世の中に訴えたり実現したり、あるいは事業の成功を通じて富や名声などを手に入れたりしたい、という願望です。

そうした願望を実現することが目的であって、「起業」という形にこだわらなくてもよいのではないでしょうか? ですから、「起業したい」理由を自分に問い掛けることが大切だと思います。「何で起業すればよいか」の答は出てこないかもしれません。でも「なぜ起業したいか」の答はどこかにあるはずです。カッコいいキャリアのスタイルだから、という理由であってもかまわないと思います(この場合は、もう一歩深く理由を掘り下げるべきでしょうけど)。

こういう考え方をすると「起業」できないかもしれません。少なくとも先延ばしになってしまうおそれはあります。しかし背景にある願望がかなえられるなら、べつにかまわないはずです。それに、より根っこに近い部分を大切にして育てれば、結果的にいずれ起業することになる確率は高くなるように思います。

 


起業ファシリテーション

2005年09月04日 | 起業塾
起業塾の指導の仕事を請け負っています。ある会社が社員向けに月1回土曜日に開講しているもので、ベーシックとアドバンスの2コース、それぞれ1.5h×2コマです。私はベーシック1コマとアドバンス2コマ(うち1コマはペアで指導)を担当しています。残りのベーシック1コマは起業家を招いて講演を聞く形式です。

優れた事業計画を出したアドバンスの塾生は、卒塾後に会社の支援を受けて起業することができます。会社が社員に起業の後押しをするわけですが、起業分野に条件は付けられていません。ただし、まだ起業実績も支援実績もありません。

したがってアドバンスコースの仕事のミッションは、1年のコース終了後に、20名弱の塾生の中から何名か起業する人を出すことです。何名起業するが仕事の成果指標になりますから、当然そこに向けて指導計画を立てていきます。
※契約上、起業実績を出すことを請け負っているわけではありません。

しかし、起業は安易な決断ではできません。会社を辞めることも意味します。アドバンスの塾生は強い起業意欲を持っていますが、いつ、どのような形で起業するかは、起業塾の都合で決められません。それほど大げさな喩えでなく、起業は本人の人生の問題だからです。

私としては、過度に煽ったり、プレッシャーをかけたりするのではなく、できるかぎり本人たちの意欲を尊重するよう意識しています。起業のファシリテーターという立場です。

塾生は決して全員で1つの起業に取り組むわけではありませんから、互いに励ましあったり、刺激し合ったりする関係になるよう仕掛けています。また、逆にそれぞれ1人で起業する必要もありませんから、塾生どうしで起業チームを作ることも奨めています。8月には、塾生の自主企画という形で1泊2日の合宿も実施しました。


さて、この起業ファシリテーション、来年の3月時点でどこまで成果が出るでしょうか。とても楽しみです。ただ一方で、来年には起業に至らなくても、3年先、5年先、10年先になってもかまわないし、究極的には起業しなくてもかまわない、という思いもあります。起業を人生のあり方だと考え、1人1人の人生を尊重すると、最後はそういう気持ちで取り組むことになります。■