エンタメモンスターのひとりごと

エンタメ好きが綴る感想ブログです。

『ブロークバック・マウンテン』俳優・音楽・声優の感想編

2017-12-30 15:00:00 | 洋画
一昨日この作品を初めて観てからというもの、物語からなかなか抜け出せない。
それくらい心に響いた映画だった。

前記事では作品の感想を書いたので、
この記事では主要俳優や音楽や声優に焦点を当てて綴っていこうと思う。

〈俳優〉
まずはイニスを演じたヒース・レジャーについて。
初めはあまり自分をさらけ出すことなく淡々としていたイニスから、ジャックと関係を持つことで感情を抑えつつも溢れて止まらなくなる繊細な芝居に胸を打たれた。
個人のトーンとしては低めだが、ジャックの前では素直に感情をさらけ出す対比が素晴らしかった。
今まで『Dr.パルナサスの鏡』でしかヒースの芝居を観たことがなかったけど、他の作品も観たくなってきた。

お次はジャックを演じたジェイク・ギレンホール。
イニスとは真逆のオープンで陽気な性格のジャックをコミカルに、時に包容力たっぷりに演じていてとても惹かれるキャラクターだった。
真顔やイニスを見つめる目がセクシーだったり、おどけた顔が楽しかったりと表情が豊かなので観ていて飽きることがなかった。

そしてイニスの妻アルマを演じたミシェル・ウィリアムズ。
愛する夫が男と熱烈なキスをしている所を目撃してからの芝居は鬼気迫るものを感じてゾクゾクした。
とにかく表情の一つ一つがリアルで観ている方が辛くなるほど。

〈声優〉
イニスの声を演じたのは森川智之さん。
先に作品が気になって手に取ったあとに吹き替えキャストを見たら森川智之と書いてあって、不意打ちだったので気分が上がった。
気になる作品・観たことある作品の吹き替え率が尋常じゃなくて、その度にびっくりする(笑)
素敵な声なのは変わらず、ちゃんとイニスの口の開け方とリンクする喋り方をされていたので違和感がなかった。

ジャックの声を演じたのは東地宏樹さん。
イニスを優しく受け入れる包容力溢れる穏やかさ、感情をぶつける際の声が良かった。

〈音楽〉
アコースティックギターが印象的で、素朴でムードある旋律がより物語の繊細な部分を盛り上げていてお気に入り。
それにカントリー・ミュージックにハマりそう。
サントラが出ているようなので購入したい。

本当に久々に映画を様々な方向から丸ごと堪能しつくした。
良質な映画に出会った時の満足感は何度経験してもたまらなく幸せだ。

『ブロークバック・マウンテン』20年にわたる男2人の熱い愛と家族の葛藤

2017-12-28 20:00:00 | 洋画
観たあとの余韻が長く、物語に引きずり込まれて息を呑むような映画にまた出会ってしまった。

舞台は1963年、ワイオミング州 シグナル。
仕事を求めてそれぞれ行動していた若い男イニス(ヒース・レジャー)ジャック(ジェイク・ギレンホール)が、"ブロークバック・マウンテン"と呼ばれる山でひたすら羊を獣から見守り続ける仕事を与えられることから物語は始まる。

山では何匹もの羊や移動の馬や牧羊犬や山羊などと過ごし、実質人間は2人だけ。
山での生活や仕事は過酷なものだったが、たまたまこの地で出会ってこの仕事を共同ですることになり、互いの話をし合って寝食を共にする内に仲間を越えた感情を抱くようになる。

それは決定的な体の結び付きで関係性が明確なものとなるのだが、それぞれ同性愛者ではなかったし時代背景も手伝って抱いた感情の行き場を無くす。
やがて仕事の終了と共に、後ろ髪を引かれる思いを静かに抑えながら別れることに。

それから4年の歳月が流れ、互いに家庭を持ったものの生活に疲れ始めていた頃に再会を果たすが..._


偶然の出会いから約20年間に渡る男たちの繊細で激しい愛、その家族や周囲の戸惑い怒り悲しみ、そして変わらない想いが絶妙に絡み合った作品だった。

山という広大で閉鎖的な環境が彼らを引き合わせたのか、はたまた環境はただの環境であって惹かれる気持ちは事故なんかではないのかと恋愛感情が生まれるプロセスが一筋縄では語れないものだと感じた。

また互いの妻や子どもの目線も随所に散りばめられており、特にイニスの妻アルマ(ミシェル・ウィリアムズ)が徐々に2人の関係性に気づき始めて葛藤する様には複雑な気持ちになった。
愛して愛されて一緒になり子どもをもうけたはずなのに、今まで過ごした時間は一体何だったのかとアルマの表情から苦しいほど伝わってきてひたすら胸が痛かった。

本当に愛って何だろう。
今までどれほどの人間が愛によって救われ、狂わされてきたのだろうと見終わってグッと考え込んでしまうほどの作品だった。

Brokeback Mountain Trailer

2018年1月放送のドラマ『隣の家族は青く見える』への期待が日々高まる。

2017-12-06 22:30:00 | ドラマ
来年の1月にフジテレビで放送予定の木曜ドラマ、『隣の家族は青く見える』が今から気になって仕方ない。

コーポラティブハウス("様々な家族が自分たちの意見を出し合いながら作り上げる集合住宅"のことなのだそう)が舞台。
そこに住むと同時に孫の誕生を心待ちにする夫の母親(高畑淳子)の影響を受けて子作りをスタートさせるもなかなか授からず、敏腕産婦人科医(伊藤かずえ)の指導のもと妊活を始めた夫婦(深田恭子、松山ケンイチ)を軸に、
バツイチ夫(平山浩行)と子どもが欲しくない妻(高橋メアリージュン)、
SNSに熱中し家庭円満幸せ充実アピールに勤しむ妻(真飛聖)と失業中の夫(野間口徹)、
ゲイであることを隠しながら生活する男性(眞島秀和)とパートナーになる青年(北村匠海)が真剣に子どもを持つことを考えるなど、コーポラティブハウスの住人たちは現代的な悩みを抱えたキャラクターばかり。

まず最初にタイトルを見た時点で惹き付けられて、概要やキャストを一通り知ってから益々期待が高まった。
よくある特定の職業にフォーカスを当てたドラマも好きだけど、こういう様々な立場の人々が葛藤し、それぞれ答えを見つけていくようなヒューマンドラマが大好きな上に、役者陣が好きな方々ばかりなので本当に楽しみ。

各登場人物をみる限り、デリケートな事柄が詰まった作品になりそう。
始まってみないとどんなテイストのドラマなのか分からないけど、どのように登場人物が動いていくのか見届けていきたいと思う。

シーア初のオリジナルX'masアルバム『Everyday Is Christmas』を堪能中。

2017-12-03 15:15:00 | Sia
今までクリスマスアルバムと言ったらデスチャの『8 Days Of Christmas』などをよく聴いていて、
大体は長年多くの人々に聴き馴染みのある定番クリスマスソングのカバー+オリジナル曲という構成の、ハッピーで時々粛々としたアルバムが多い印象だった。

この『Everyday Is Christmas』はシーア自身初となる完全オリジナルの、
シーアらしさ(喜びや悲しみを素直にさらけだしたり、優しく包み込むように励ましてくれたり)全開なクリスマスソングがぎゅぎゅっと詰め込まれている。
CDが手元に届いてからというもの、ほぼ毎日隙間隙間に聴き込んで楽しめるほど一曲一曲の表情がハッピーだけではない、様々な感情が味わえるので聴き応えのある一枚になっている。

1.「Santa's Coming For Us」
一曲目に相応しいクリスマスやサンタを待ちわびるワクワク感に満ち溢れていて、思わず踊り出したくなるほど最高に気分が上がる楽曲。
数日前にMVが公開された。

2.「Candy Cane Lane」
タイトルも歌詞もサウンドも可愛い上にキラキラしてて大好き。
特に色を歌う箇所が恐ろしくキャッチーで、重点的に口に出して歌いたくなるほどお気に入り。
こちらもMVが公開されている。

3.「Snowman」
入りからグッとこの曲の世界へ引き込まれた一曲。
雪だるまの夫婦の物語で、雪だるまの妻側からの目線で歌われているのだが、
夫が涙を流している理由が分からないままに妻の気持ちが先行するから少しだけ怖さを感じた。

4.「Snowflake」
穏やかさや悟りの中にほろ苦いエッセンスが入った一曲。
眠れない夜とかにボーッとしながら聴くとうるうるきそう。

5.「Ho Ho Ho」
声を大にして言いたい、このアルバムの中で一番好きだ!
初めて通しで聴いた時からこの曲に夢中でヘビロテしてる。
歌詞から漂うパーティー感や「もうそんな細かいこったぁいいんだよ今この瞬間を楽しもうぜ!」的なノリがめちゃくちゃ心地いい。
また間奏のホーンやコミカルなサウンドが楽しくてしょうがない。
アルコール飲めないけど気持ちだけは余裕で酔える(笑)

6.「Puppies Are Forever」
犬好きで、SNSで時々保護活動のことを広めているシーアならではの啓発も含めた楽曲だと思った。
同じく犬が大好きで老犬と暮らしているのでとても共感できる一曲。

7.「Sunshine」
なんてファンタジックで包容力溢れる心強い一曲なんだろう。
そっと寄り添って一時でも苦しみを忘れさせてくれる素敵な楽曲。

8.「Underneath The Mistletoe」
情熱的に相手を愛する気持ちにドキドキした一曲。
タイトルの言葉を心地よく連呼する箇所と、ピアノの音色がお気に入り。

9.「Everyday Is Christmas」
これは子どもがいる夫婦(妻目線)の楽曲かな?
凄く歌詞から暖かい情景や関係性が浮かんできて、とても羨ましくなるくらい素敵な一曲だと思った。
でも歌詞に対して曲調が暗めなのが少々気になった。
しかしこんな風に思える相手がいるって最高に心満たされるだろうなー。

10.「Underneath The Christmas Lights」
シンプルで粛々とした一曲。
ただただ歌声に心を委ねて静かにじっくり聴いた。
ちょっと一部「Angel By The Wings」に似てた。

11.「My Old Santa Claus」
ボーナストラックとして収録された一曲。
10曲目で聴き終わる場合と、11曲目まで聴いて終わる場合とではこのアルバムの印象がガラッと異なると思う。
最初この曲の歌詞に目を通した時、あまりの自分の気持ちに正直な様や言い方は悪いけど強烈に漂う未練がましさに思わず吹いてしまった。
でも愛していた人が去っていくのはここまでの気持ちになって不思議じゃないし、自分で自分を納得させようとする一節もあるので応援したくなる。
歌詞・メロディ共に凄く好きな一曲。
幸せであたたかい未来でも、息もできないくらい辛い未来でもどちらでも逃げ道というか、様々な人生を歩んでいる多くのファンに寄り添ってくれる所にシーアらしさを感じた。


楽曲を聴く度に思うけど、本当にシーアの歌に出会ってファンになって幸せだ。
今年のクリスマスも、その先のクリスマスも、またクリスマス以外でもずっとずっと楽しめるアルバムだと思う。