AR(エーアール)どうぶつ病院ブログ

川崎市登戸にあるARどうぶつ病院

院長やスタッフの日々のブログです

病院が伝えたいことを日々綴っていきます

● AR動物病院です。狂犬病の検疫について

2022-04-28 14:04:14 | 病気について

こんにちは。

ARどうぶつ病院 獣医師の柴田です。

 

以前のブログでも書きましたが、日本には「狂犬病予防法」という法律が定められており、ワンちゃんを飼っている人には犬の登録や、年1回の狂犬病予防注射を受けさせることなどが義務付けられています💉

また、「狂犬病予防法」では海外から日本に狂犬病が入ってこないように、犬の輸入検疫についても定められています

海外から日本にワンちゃんやネコちゃんなどを連れてくる場合、到着予定日の40日前までに「狂犬病予防法に基づく動物の輸入に関する届出書」を動物検疫所に提出し、家畜防疫官の検査を受けなければなりません。

入国前に狂犬病ワクチンを2回接種し、証明書を提出すれば、検査の期間は最短で12時間以内まで短縮されますが、証明書が提出できない場合、最長180日間の係留期間が設けられます。

 

4月18日に日本に到着したウクライナ難民が連れてきたワンちゃんには狂犬病ワクチンの証明書がなかったため、動物検疫所で最長180日間の係留検査の対象となりました

係留にかかる費用は、1日3000円、最大180日間でおよそ54万円に上ります

避難民への負担が大きすぎることから、農林水産省は特例として、証明書がなくても抗体検査などで一定の数値が認められれば、係留せずに飼い主の滞在先へ連れていくことを認めると発表しました。

農林水産省は、この犬の検疫の緩和によって国内での狂犬病発生のリスクが増すことはない、と断言していますが、本当にリスクはゼロなのか疑問です。

 

「飼い主さんと離れ離れになってワンちゃんがかわいそう」

「難民に係留費用の負担を求めるのは酷いのでは」

 

という意見がありますが、感情論で法規制を変えるというのはいかがなものでしょうか?

これまで日本は徹底した防疫で狂犬病清浄国という立場を守ってきましたが、年々狂犬病のワクチン接種率は減っています。

万が一日本に狂犬病が入り込んだ場合、感染の広がりを抑えることができないかもしれません

今後日本に狂犬病が入ってきたときに備えて、ワンちゃんには1年に1回必ず狂犬病の予防注射を打つようにしましょう

狂犬病の予防注射は、接種時期が4月1日から6月30日と定められています。

まだの方は忘れずに打ってください

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

柴田

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