(旧)AREX 代表取締役の日記

栃木県宇都宮市で
OA機器総合商社「㈱アレックス」を経営する代表者のブログ

(ブログは移転しております)

庭師の隣に、たまたま住みついた私

2013-04-09 | 日記
イワタさんとの出逢いは、12年前。

新築した家の隣に住んでいる方で、職業は庭師。
自宅の庭を芝生にしたいと相談したところ

「お勤めの方には、無理だろ。3年も経ったら、草パッラになっちまうぞ」
と言われた。
つまり、当時サラリーマンだった私には、手入れできないということだ。

売られた喧嘩は必ず買う私。

「大丈夫ですから、芝生にしてください」と、
生垣を含め庭の施工をお願いした。



施工後、「3年間きれいな状態だったら、酒ごちそうしてやるよ」と言われたが、
私にとっての3年間なんて、あっという間。

手入れ方法など、うるさく言われてきたが、この頃になると
「今まで、こんなにキレイな芝生は見たことない」と誉めてくれるようになった。

私にとっては、これが励みになり、休みを利用して手入れを続けた。
そして、「ゴルフ場のグリーンみたいにしたら気持ちいいよな」と
いつしか2人の会話が弾むようになった。



子供の成長と同時に、姿を変えていく庭。




そんなイワタさんが2年ほど前、重い病にかかった。
息子さんに仕事を任せ、ご自身は入退院を繰り返した。

もう仕事に復帰する予定がないのだろうか、
自分の使っていた道具(剪定はさみや電動バリカンなど)を私にくださるようになった。
高価なものなのでお断りもしたが、「あなたに使って欲しい」と言って、渡された。
私は、認めてもらった嬉しさと何ともいえない寂しさで複雑な心境だったけど。

去年の秋ごろ、畑をつぶして庭を拡張する話が持ち上がった。
義父は手入れの簡単な庭石を置くと言ったが、イワタさんが「グリーンを作ろう」と言ってくれた。

そして先月、初めてイワタさんの自宅に呼ばれた。
「明日から入院するので、話しておくけど・・・・」と言って
退院してくるまでにやっておくべき事を指示された。

さらに、こんなことまで言ってくれた。

「お父さんに逆らってまでグリーン作りの話をしたのは、
地べたに這いつくばって草むしりをする君の姿に感動したからだ。」

「青木さんとの約束を果たすまでは、死ねないよ」

私は、退院してくるまでに、出来る限り準備しておくことを約束した。

次の日、イワタさんは、抗がん剤治療の為に入院した。




そんなイワタさんが本日、帰らぬ人となった。

でも私には、わかっていたんだ。

12年間、日曜日と雪の日以外、
必ず朝6時に出て行く息子さんの作業車が
今朝は止まっていたから。

あの作業車より、私が家を早く出ることは無い。

先週、様態が悪化し、本日お亡くなりになったのだと思う。


庭師の隣に、たまたま住みついた私。
庭好きの私の隣に、たまたま住んでいたイワタさん。


たったそれだけの事でしたが、良き出逢いでした。


感謝しています。ありがとうございました。


※これからは、雲の上から見られているので
ますます手が抜けないな。
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