下流社会 新たな階層集団の出現光文社このアイテムの詳細を見る |
話題の本を早速読んでみました.
あたくしが嫌いな,半径2Kmで世界が完結している,まったく向上心のない,地元密着型で平均年収が低いDQNのような階層を「下級社会」というようです.
下層とは違って,生きていくのに最低限の収入はあるけど,年収は年齢×10万に満たない.普段の食べ物はファストフードかポテトチップス.
コンピュータは持っているしネットにもつながるけど,エクセルで表計算するわけでもないしファイルメーカーでデータベース作るわけでもない.全てにネガティブで,将来ポジティブになるわけではない.「自分らしく生きる」という言い訳で,全ての努力を投げ捨てるDQNスパイラルのような非生産的な人たち.
下流社会化を防ぐ方法なんてのも巻末に乗せているけど,多分筆者はこういった階層が大嫌いなのだと思います.
あたくしも大嫌いです.
数字の羅列が多くて読みにくいのですが,つまりは「下流社会は嫌いだ!」ということかしら?
あたくしの職場も向上心のない派遣社員が増えると共に,(いえ,派遣社員がいけないと言っているわけではありません.正社員より優秀な派遣さんもたくさんいます.ただ,そう言った方は「能力はあるけど小さな子供がいる」とか,「諸般の事情で派遣社員をやっている」だけで,その気になればいつでも正社員に戻れる方々です)下流社会の人たちが増えました.
「千疋屋」と言ったら「駅前のデパートに入っている?」と答えられました.「駅前のデパートの」と言う枕詞がない限り,千疋屋は銀座を指します.虎屋は赤坂です.高野は新宿です.錦松梅は四谷三丁目です.
で,やはり,こういった階層は「遺伝する」みたいです.この階層の女は「高所得の男に出会う機会もなくガテン系とできちゃった結婚」をする以外無いみたいですね.
別に収入や学歴が全てとは思いませんが(高収入で高学歴だけどそれ以外何もない「半径2Km」のバカもあたくしの回りにはいっぱいいますから),これらがあると「人生の選択肢」が増えるんです.
もちろん,あたくしの回りには,大した収入も,定職も無いのに向上心がたっぷりで,頼もしい若者もいます.こういう子達は思いっきり応援したくなるのだけど.
大学教授が鮨屋に転身することは,努力すれば可能ですが,その逆は努力だけではとても難しいのです.
それが社会です.
こういった階層は,例え手に職をつけても「日本一の美容師」や「地方在住ながら東京まで名が通っている有名な庭師」になることは考えないのです.
北野武の母親が偉いのは「貧乏を断ち切るために心を鬼にして子供達に教育を残した」ところです.
下流層は嫌いです.