1月25日新年学習会を行いました。お題は「大東市の公民連携事業について」講師は奈良女子大学教授で大阪自治体問題研究所の中山徹先生
端的、軽快に問題点を指摘してくれるので、参加された方は「とても分かりやすかった!」「大東市の公民連携事業の問題点が良くわかった!」と感想を述べられていました。
大東市は「大東市はまちなみの魅力が低下し、地域の経済低迷、財政危機の到来の恐れなどが、エリア価値の低下を招き、それがまちなみの魅力低下をさらに引き起こすという悪循環が起こっている」と見ています。
財政危機の到来の恐れ、民の意欲を喚起する環境未整備がエリア価値の低下を招いているかどうかは疑問だが、この2点が大東市が公民連携を進める中心的な理由になっています。
大東市が進めようとしている公民連携事業とは公的資産を民間に開放・活用・提供していこうという物です。
大東市は2017年2月に「大東市公民連携基本計画」(大東市のHP)を策定
この基本計画は「公民連携により公的資産を活用したエリアプロデュースの理念・方向性をしめすもの」として作られている。
そして4つのリードプロジェクトとして
1.北条まちづくりプロジェクト
2.深野北小学校跡地活用プロジェクト
3.住道駅周辺活性化プロジェクト
4.健康づくりプロジェクト
が、示されています。
これらの施策は以下のようにまとめられています。
大東市は「まちづくり会社」を設立し、「大東市公民連 携事業の推進に関する協定」を締結
大 東市は公民連携事業を進めるため、2016 年 10 月に大東市公民 連携まちづくり事業株式会社(以下「まちづくり会社」と略す)を 設 立 した。
資本金は 300 万円、100 %市の出資、社長は東坂市長 である。
そして同年 11 月 4 日に大東市とまちづくり会社は「大東市公民連 携事業の推進に関する協定書」を結んでいる。
大東市の署名人は大東市長臨時代理者大東市副市長西辻勝弘氏、まちづくり会社の署名人は代表取締役東坂浩一氏である。
大東市長は東坂氏であるため、本来であれば大東市側の署名人は東坂市長になる。
ただそうすると、 同じ人間が協定書を締結したことになり、奇妙なため、市長臨時代理者として副市長を立てたのであろう。
こ の協定書の 1 条で 、「大東市公民連携事業の総合的な調整やプ ロデュースを共同して行うこと」とされ、このまちづくり会社が大東市が進める公民連携事業の中心的役割を担うとされた。
そして同日に大東市は副市長名でまちづくり会社東坂社長あてに「公民連携事業の推進にかかる提案の依頼について」をだしている。
この依頼を受け、まちづくり会社は 1 週間後の 11 月 11 日に「大 東市公民連携まちづくり事業に関する提案」を大東市に提出している 。
そこでは「 北条 まちづく りプ ロジ ェク ト 」「深野北小学校跡地活用プロジェクト」「 住道駅周辺活性化プロジェクト 」「 アプリ開発プロジェクト 」「 視察有料化プロジェクト」 があげられている。
そして、北条まちづくりプロジェクトと深野北小学校跡地活用プ ロジェクトについては図 2 - 5 の実施スキームを提案している。
これによるとまちづくり会社が 、公有地 (公的不動産:PRE) の利活用計画を市に提案し、実施組織としてプロジェクトごとに、その事業を実施する会社(特別目的会社:SPC)を設立するとなっている。
この提案を受け、大東市は 11 月 18 日に「提案内容を採用する」 という審査結果を出している。
このようにして、「深野北小跡地プロジェクト」「北条プロジェクト」が開始され、並行して市庁舎整備計画(消防跡地移転案)が進められました。
学習会では、それぞれ各市民団体で取り組んできた経過報告も行われました。
会場は多くの参加者で埋まりました。
大東市の公民連携事業には要約すると以下の問題があります。
リスク分担が不明瞭であり、かつ事業を長期間継続す る仕組みがなく危険である。
公民連携事業にこだわっているため事業内容が低下している。
公民連携事業であるにもかかわらず市の財政負担が減らないのではないか。
事業の進め方が不透明である。
公民連携事業のため市民的な議論ができず情報公開も不十分である。
地域経済効果も限定的である。
まちづくり会社の現状
先に書いたように 2016 年 10 月にまちづくり会社が設立された。
その後、2017 年に大東市が 300 万円を追加出資し、2018 年には大東市に本社のある川村義肢株式会社とドラッグストアー・アカカベが 各々 100 万円出資している 。
また、2018 年 10 月には東坂氏から入 江氏(元大東市職員)に社長が交代している。
さらに、2019 年度から基幹型地域包括支援センターの運営を受託している。
以下、分けてブログにまとめました。
興味のあるページを読んでいただけると幸いです。
①深野北小学校跡地活用プロジェクト
②北条まちづくりプロジェクト