【これから英会話勉強】
― ポスティングが認められてからは?
「本当に忙しい。やることが一気にくるから大変です。色々とあいさつに行ったりしますし」
― 改めて、メジャーの魅力とは。
「世界最高のプレーが見られる場所です。ベースボールの頂点ですから、その舞台に立てるのがうれしいですよ」
― 日本とは違いが多い。試合数もその一つ。
「中4日とかは、無理はないと思う。ただ、問題は日本と勝手が違うこと。向こうは『あがり』がないですし、それが難しいでしょう」
― 試合を見ないといけない。
「(日本で)その間にやっていたことを、いかにこなすか。ウエートとかリカバリーとか。行ってみて1年やってどうなるか、ですね」
― 英会話は?
「行って勝負(笑い)。まぁ、あいさつ程度はできるようにしていきたい。まだ、あやふやですしね。初心者向けの本は読んだりしますけど、外国人の方と話して勉強したりとかはないです」
― 背番号は?
「こだわりはない。何番でもいいです」
【背番号こだわらない】
― こだわるのは何?
「スターターだったら、どこでもいいです。自分の中継ぎは魅力ないでしょう。コントロールがないですし」
― どこでも?
「チームにこだわりはない。リーグには、こだわってました。メジャーリーグというリーグに興味がありましたから」
― どこに目標を?
「やることは簡単です。それ以上、上を目指さなくていいんだから。その上のリーグはないから、そこで1番になればいい。そこに向かって全力を尽くせばいいし、集中するだけです」
― 1番を目指す。
「やるからには、世界一でしょう。日本一になれなくても、世界一になれば十分でしょう」
― 日本人選手との対戦もある。松坂とも同時期にメジャーへ。
「チームが決まってないので、想像がつきません。まあ、みなさんは松坂君に(注目が)いってくれればね」
― 阪神を離れて注目のされ方も変わる。
「関西色は薄れるでしょうけど、全国的にと言っても・・・僕はスター性がないですから(苦笑い)」
【完投したいと思わない】
― 完投、完封を期待するファンが多いかも。
「向こうで完投とかは、ないんじゃないですか。自分は完投したいとは思っていない。まずゲームをつくれればと。それが、日本で認められなかったことは悔しかった」
― 悔しいとは?
「僕のポジションは、評価をされにくい。勝つか負けるかだけで評価される。そうじゃないと思ってますから。現場の方やフロントの方には、評価してもらってます。ただ、それは阪神というより日本での見方、ということですね」
― そういう見方を変えようとした。
「でも、変えようとした僕が悪かったのかなと。自分の仕事をする、ゲームをつくると言っても、良くは言われなかった。エースなのに、とか。もちろん、自分のポジションは、やっててたたかれるということは、分かってましたけど」
― マスコミにも見る目が求められる。
「自分は、大きな力というか、勢力に向ってしまうタイプですから(笑い)。でも、僕は変えられなかった」
― 時代も変化して、何年後かにもっと評価されるかもしれない。
「救いなのは現場が、変わってきた年代の方ということ。でも、(変化を求めたのが)早すぎたんですかね」
― いなくなって分かる存在価値もある。
「僕の場合は、どうでしょうか。でも、(阪神が)負けたら批判というものが出るわけじゃないですか。それが、自分じゃないところにいくのが気がかりですね」
― 誰かが責任を負わされてしまうのが・・・。
「昔は、藪さんの存在が大きかった。防波堤というか、批判を全部浴びてましたから。それが、次に僕のところにきた。でも、自分がいなくなるわけです。その批判が他の選手にいってしまうとか・・・そういうのはなくしてもらいたい」
【他球団なら米挑戦なかった】
― もしも、他の球団に入っていたらと想像することは。
「難しいですけど、メジャーを目指すということが、なかったかもしれない。チヤホヤされたり、何の苦もなく・・・となっていれば。今の環境があるからメジャーを強く目指したいというのがあったかも」
― 自分の中での価値観は変わらなかった。
「価値観が変わればメジャーも目指さないでしょう。金銭感覚もそうですが、日本にいて無理をしなくていいとなってしまう部分もある」
― 甲子園というのは、どういう球場だった?
「ピッチャーに有利な球場です。ただ、今の環境はピッチャーにとっていいのかどうか、という気持ちはある」
― 環境というのは、スタンドの雰囲気?
「ピンチになったときこそ、応援してほしい。その応援を見て、やる気になるのが選手です。カウントが0-2や0-3になってしまったときに、がんばれという声がもっとあれば・・・。阪神ファンの方なら考えてもらいたいですね」
― メジャーでもブーイングはある。
「それとは違うでしょうね。ただ、もちろん良いところもあります。(スタンドが)がらがらの時期を知ってますし。でも、ライトスタンドとかの応援の人たちはすごい。後ろを向いて音頭をとってがんばってるなあと。それだけ打ち込めることが素晴らしい」
― 入団前、甲子園は特別な場所だった?
「特別ではない。ただ、長く野球をやるには甲子園に行くしかない。その手段のための場所。甲子園のマウンドに立ちたいとかじゃなく、甲子園に行けば、高校の仲間と長く野球ができる。そういう思いです」
― 地元の仲間の存在は大きい。
「応援してくれるのは分かるし、地元の人だけでなく、そういう応援してくれる人のためにも、メジャーで活躍してやるという気持ちです」
【何でも工夫と集中力】
― 野球の才能はあると思う?
「才能はないんじゃないですか。でも、自分には合ってるのかなと、ピッチャーというのも、インターバルがあるし。サッカーだと流れに乗らないといけないし、自分主動じゃないので」
― 才能がないとはいえ、今の自分があるのは。
「工夫するからですよ。いかにケガをしないとか人より考える」
― 高校時代は?
「自分でメニューを決められたんで、努力すればそれだけできる。さぼればさぼるだけ、ダメになる。まあ、左投げというのは利点ですね。右投げならプロ野球選手になってないかもしれないし。タイトルとか、ローテを守れるピッチャーではないでしょうね」
― 何でも工夫する?
「何でも、ダーツもですよ。工夫と集中力。こういうふうにしたらいいとか、こうやったらダメなんだとか、人がやってるのを見ます」
― 考えることもだけど、いい素材の選手で差が出るのはなぜか?
「モチベーションの違い。僕はただ上を目指していた。プロに入ったことがゴールの人なら、それでいい。それなら1軍にいられればいいということでしょう」
― 意識の持ちようをアドバイスすることは?
「人のモチベーションが分からないから。上を目指したい人がいれば、ヒントを与えるかもしれません。ただ、年上の人には言えません。下の子には言えますよ、知ってる限りのことを」
― 向上心は昔から?
「普通の人と同じことをやってもダメだと。毎日ウエートをやったり、あとは自己管理。酒、たばこは一切やらない。小さいところでプラスしていかないと。自分は勝てないから」
― 徹底している。
「でも、この世界では自分が異質なんです。飲み歩いたりしないのがね。27歳で、普通そんなに飲み歩かないもんですよ。僕はダーツをやってる方が楽しい」
― 野球にどん欲。
「生活が野球に集中してます。何年かしかできないですし、それを分かってますから」
― 現役は40歳ぐらいまでやりたい?
「それぐらいできればいいですけど、悔いを残したくないですね」
【エースの穴埋め】
― 井川投手の穴埋めがキャンプでも話題に。
「いいピッチャーは多いですしね。ポジションが空いたわけだから、やるしかないでしょう。試合は絶対にやるしかないし、誰かが投げなきゃいけない。誰になるか分かりませんが、絶対に大丈夫です」
― 阪神に残せたものはあると思う?
「自分で分からないけど、阪神には良い手本が多い。下柳さんとかもよく練習されます」
― 岩田投手から自主トレのことを聞かれた。
「(接する)時間があまりなくて残念です。でも、僕は何かを聞いたりとかでなくて見てました。昔は藪さんの練習を見て、モチベーションを高くしてやってるなと見てましたよ」
― 岩田投手は、倉敷でも井川投手のことを聞いて、練習していたとか。
「向上心があるんでしょう。自分がすべていいとは思わないけど、いいものを取り入れてもらえれば」
【恩師・岡田監督】
― 岡田監督は、どんな存在だったのか。
「9年間一緒ですから、一番お世話になっているのは確か。野村監督、星野監督にもお世話になりましたけど、ファームのときからですし」
― 優勝もできた。
「最後に岡田監督と野球をできてよかった。1軍で、監督の下でね。でも、(球場を離れていて間に合わず)胴上げを出来なかったのが残念です」
― 監督の魅力とは。
「カリスマ性、というものですかね。野村監督、星野監督とは違う、何かを持ってます」
― 監督との間で一番の思い出は?
「いろいろありますけど、これは自分の胸の中にしまっておきたい」
― 言える範囲で。
「2軍時代、変化球でストライクが入らないときに、フォアボールでもいいから、全部変化球で抑えてみろって。そのイニングで全部変化球を投げたら、抑えられた。やればできるじゃないかって言われて、自信になりました」
― 期待も大きい。
「向こうで活躍できるように努力しないと。ローテに入らないと意味がないし、結果で喜ばせたいですね」
― ほかの仲間には。
「選手のことは、応援します。阪神タイガースをね。同じ目的で戦ってきた仲間ですから。特別な目で見ます。本当にがんばってほしい」
(聞き手・達野順司、道辻歩)
■取材後記
阪神の選手としては、おそらく最後のインタビューとなる。タテジマに袖を通した9年間。何を思い、苦しみ、ここまできたのか。彼の感じたことを少しでも多くの方に伝えられればと、多忙な中、時間をもらった。
目の前の打者だけでなく、さまざまなものと戦ってきた人生だ。取材の最後、彼はこう付け加えた。「タイガースが嫌とか、そういうんじゃないから」。念を押した表情が悲しく見えた。飽くなき向上心が、周りからは阪神を嫌っていると映ってしまう切なさがあった。
インタビューで、賛否を承知でファンに対して送ったメッセージ。ほかの選手を思いやり、タイガースを愛するからこその言葉だった。そこに守りたいものがあるからこそ、言わずにいられなかった。誤解を生んだこともあったが、これが井川慶の真実だと思う。(阪神担当・道辻歩)
デイリーさん、全文掲載すみません。紹介したくてもWEB版には載ってなかったので...。しかも、自分で書き起こしたわけじゃなく、ほとんどが某所からの転載です。すみません!m(_ _)m
これ読んでまたヘコんだり泣いたりしてしまったわけなんですが、井川にひとこと言えるなら「井川ファンならずとも、あなたのことをちゃんと評価して応援していた阪神ファンもたくさんいたんだよ」と伝えたい。そのことだけはわかってほしい。
そして、阪神ファンに言いたいことは、本人も言っているように井川は決してタイガースを嫌っていたわけじゃないということと、もう“防波堤”なんて存在が必要ないように応援していこうということ。
道辻さんの、「飽くなき向上心が、周りからは阪神を嫌っていると映ってしまう切なさがあった」という言葉こそ、私がいつも抱いていた想いかもしれません。
― ポスティングが認められてからは?
「本当に忙しい。やることが一気にくるから大変です。色々とあいさつに行ったりしますし」
― 改めて、メジャーの魅力とは。
「世界最高のプレーが見られる場所です。ベースボールの頂点ですから、その舞台に立てるのがうれしいですよ」
― 日本とは違いが多い。試合数もその一つ。
「中4日とかは、無理はないと思う。ただ、問題は日本と勝手が違うこと。向こうは『あがり』がないですし、それが難しいでしょう」
― 試合を見ないといけない。
「(日本で)その間にやっていたことを、いかにこなすか。ウエートとかリカバリーとか。行ってみて1年やってどうなるか、ですね」
― 英会話は?
「行って勝負(笑い)。まぁ、あいさつ程度はできるようにしていきたい。まだ、あやふやですしね。初心者向けの本は読んだりしますけど、外国人の方と話して勉強したりとかはないです」
― 背番号は?
「こだわりはない。何番でもいいです」
【背番号こだわらない】
― こだわるのは何?
「スターターだったら、どこでもいいです。自分の中継ぎは魅力ないでしょう。コントロールがないですし」
― どこでも?
「チームにこだわりはない。リーグには、こだわってました。メジャーリーグというリーグに興味がありましたから」
― どこに目標を?
「やることは簡単です。それ以上、上を目指さなくていいんだから。その上のリーグはないから、そこで1番になればいい。そこに向かって全力を尽くせばいいし、集中するだけです」
― 1番を目指す。
「やるからには、世界一でしょう。日本一になれなくても、世界一になれば十分でしょう」
― 日本人選手との対戦もある。松坂とも同時期にメジャーへ。
「チームが決まってないので、想像がつきません。まあ、みなさんは松坂君に(注目が)いってくれればね」
― 阪神を離れて注目のされ方も変わる。
「関西色は薄れるでしょうけど、全国的にと言っても・・・僕はスター性がないですから(苦笑い)」
【完投したいと思わない】
― 完投、完封を期待するファンが多いかも。
「向こうで完投とかは、ないんじゃないですか。自分は完投したいとは思っていない。まずゲームをつくれればと。それが、日本で認められなかったことは悔しかった」
― 悔しいとは?
「僕のポジションは、評価をされにくい。勝つか負けるかだけで評価される。そうじゃないと思ってますから。現場の方やフロントの方には、評価してもらってます。ただ、それは阪神というより日本での見方、ということですね」
― そういう見方を変えようとした。
「でも、変えようとした僕が悪かったのかなと。自分の仕事をする、ゲームをつくると言っても、良くは言われなかった。エースなのに、とか。もちろん、自分のポジションは、やっててたたかれるということは、分かってましたけど」
― マスコミにも見る目が求められる。
「自分は、大きな力というか、勢力に向ってしまうタイプですから(笑い)。でも、僕は変えられなかった」
― 時代も変化して、何年後かにもっと評価されるかもしれない。
「救いなのは現場が、変わってきた年代の方ということ。でも、(変化を求めたのが)早すぎたんですかね」
― いなくなって分かる存在価値もある。
「僕の場合は、どうでしょうか。でも、(阪神が)負けたら批判というものが出るわけじゃないですか。それが、自分じゃないところにいくのが気がかりですね」
― 誰かが責任を負わされてしまうのが・・・。
「昔は、藪さんの存在が大きかった。防波堤というか、批判を全部浴びてましたから。それが、次に僕のところにきた。でも、自分がいなくなるわけです。その批判が他の選手にいってしまうとか・・・そういうのはなくしてもらいたい」
【他球団なら米挑戦なかった】
― もしも、他の球団に入っていたらと想像することは。
「難しいですけど、メジャーを目指すということが、なかったかもしれない。チヤホヤされたり、何の苦もなく・・・となっていれば。今の環境があるからメジャーを強く目指したいというのがあったかも」
― 自分の中での価値観は変わらなかった。
「価値観が変わればメジャーも目指さないでしょう。金銭感覚もそうですが、日本にいて無理をしなくていいとなってしまう部分もある」
― 甲子園というのは、どういう球場だった?
「ピッチャーに有利な球場です。ただ、今の環境はピッチャーにとっていいのかどうか、という気持ちはある」
― 環境というのは、スタンドの雰囲気?
「ピンチになったときこそ、応援してほしい。その応援を見て、やる気になるのが選手です。カウントが0-2や0-3になってしまったときに、がんばれという声がもっとあれば・・・。阪神ファンの方なら考えてもらいたいですね」
― メジャーでもブーイングはある。
「それとは違うでしょうね。ただ、もちろん良いところもあります。(スタンドが)がらがらの時期を知ってますし。でも、ライトスタンドとかの応援の人たちはすごい。後ろを向いて音頭をとってがんばってるなあと。それだけ打ち込めることが素晴らしい」
― 入団前、甲子園は特別な場所だった?
「特別ではない。ただ、長く野球をやるには甲子園に行くしかない。その手段のための場所。甲子園のマウンドに立ちたいとかじゃなく、甲子園に行けば、高校の仲間と長く野球ができる。そういう思いです」
― 地元の仲間の存在は大きい。
「応援してくれるのは分かるし、地元の人だけでなく、そういう応援してくれる人のためにも、メジャーで活躍してやるという気持ちです」
【何でも工夫と集中力】
― 野球の才能はあると思う?
「才能はないんじゃないですか。でも、自分には合ってるのかなと、ピッチャーというのも、インターバルがあるし。サッカーだと流れに乗らないといけないし、自分主動じゃないので」
― 才能がないとはいえ、今の自分があるのは。
「工夫するからですよ。いかにケガをしないとか人より考える」
― 高校時代は?
「自分でメニューを決められたんで、努力すればそれだけできる。さぼればさぼるだけ、ダメになる。まあ、左投げというのは利点ですね。右投げならプロ野球選手になってないかもしれないし。タイトルとか、ローテを守れるピッチャーではないでしょうね」
― 何でも工夫する?
「何でも、ダーツもですよ。工夫と集中力。こういうふうにしたらいいとか、こうやったらダメなんだとか、人がやってるのを見ます」
― 考えることもだけど、いい素材の選手で差が出るのはなぜか?
「モチベーションの違い。僕はただ上を目指していた。プロに入ったことがゴールの人なら、それでいい。それなら1軍にいられればいいということでしょう」
― 意識の持ちようをアドバイスすることは?
「人のモチベーションが分からないから。上を目指したい人がいれば、ヒントを与えるかもしれません。ただ、年上の人には言えません。下の子には言えますよ、知ってる限りのことを」
― 向上心は昔から?
「普通の人と同じことをやってもダメだと。毎日ウエートをやったり、あとは自己管理。酒、たばこは一切やらない。小さいところでプラスしていかないと。自分は勝てないから」
― 徹底している。
「でも、この世界では自分が異質なんです。飲み歩いたりしないのがね。27歳で、普通そんなに飲み歩かないもんですよ。僕はダーツをやってる方が楽しい」
― 野球にどん欲。
「生活が野球に集中してます。何年かしかできないですし、それを分かってますから」
― 現役は40歳ぐらいまでやりたい?
「それぐらいできればいいですけど、悔いを残したくないですね」
【エースの穴埋め】
― 井川投手の穴埋めがキャンプでも話題に。
「いいピッチャーは多いですしね。ポジションが空いたわけだから、やるしかないでしょう。試合は絶対にやるしかないし、誰かが投げなきゃいけない。誰になるか分かりませんが、絶対に大丈夫です」
― 阪神に残せたものはあると思う?
「自分で分からないけど、阪神には良い手本が多い。下柳さんとかもよく練習されます」
― 岩田投手から自主トレのことを聞かれた。
「(接する)時間があまりなくて残念です。でも、僕は何かを聞いたりとかでなくて見てました。昔は藪さんの練習を見て、モチベーションを高くしてやってるなと見てましたよ」
― 岩田投手は、倉敷でも井川投手のことを聞いて、練習していたとか。
「向上心があるんでしょう。自分がすべていいとは思わないけど、いいものを取り入れてもらえれば」
【恩師・岡田監督】
― 岡田監督は、どんな存在だったのか。
「9年間一緒ですから、一番お世話になっているのは確か。野村監督、星野監督にもお世話になりましたけど、ファームのときからですし」
― 優勝もできた。
「最後に岡田監督と野球をできてよかった。1軍で、監督の下でね。でも、(球場を離れていて間に合わず)胴上げを出来なかったのが残念です」
― 監督の魅力とは。
「カリスマ性、というものですかね。野村監督、星野監督とは違う、何かを持ってます」
― 監督との間で一番の思い出は?
「いろいろありますけど、これは自分の胸の中にしまっておきたい」
― 言える範囲で。
「2軍時代、変化球でストライクが入らないときに、フォアボールでもいいから、全部変化球で抑えてみろって。そのイニングで全部変化球を投げたら、抑えられた。やればできるじゃないかって言われて、自信になりました」
― 期待も大きい。
「向こうで活躍できるように努力しないと。ローテに入らないと意味がないし、結果で喜ばせたいですね」
― ほかの仲間には。
「選手のことは、応援します。阪神タイガースをね。同じ目的で戦ってきた仲間ですから。特別な目で見ます。本当にがんばってほしい」
(聞き手・達野順司、道辻歩)
■取材後記
阪神の選手としては、おそらく最後のインタビューとなる。タテジマに袖を通した9年間。何を思い、苦しみ、ここまできたのか。彼の感じたことを少しでも多くの方に伝えられればと、多忙な中、時間をもらった。
目の前の打者だけでなく、さまざまなものと戦ってきた人生だ。取材の最後、彼はこう付け加えた。「タイガースが嫌とか、そういうんじゃないから」。念を押した表情が悲しく見えた。飽くなき向上心が、周りからは阪神を嫌っていると映ってしまう切なさがあった。
インタビューで、賛否を承知でファンに対して送ったメッセージ。ほかの選手を思いやり、タイガースを愛するからこその言葉だった。そこに守りたいものがあるからこそ、言わずにいられなかった。誤解を生んだこともあったが、これが井川慶の真実だと思う。(阪神担当・道辻歩)
デイリーさん、全文掲載すみません。紹介したくてもWEB版には載ってなかったので...。しかも、自分で書き起こしたわけじゃなく、ほとんどが某所からの転載です。すみません!m(_ _)m
これ読んでまたヘコんだり泣いたりしてしまったわけなんですが、井川にひとこと言えるなら「井川ファンならずとも、あなたのことをちゃんと評価して応援していた阪神ファンもたくさんいたんだよ」と伝えたい。そのことだけはわかってほしい。
そして、阪神ファンに言いたいことは、本人も言っているように井川は決してタイガースを嫌っていたわけじゃないということと、もう“防波堤”なんて存在が必要ないように応援していこうということ。
道辻さんの、「飽くなき向上心が、周りからは阪神を嫌っていると映ってしまう切なさがあった」という言葉こそ、私がいつも抱いていた想いかもしれません。
なるほど、確かに「モヤッ」とするな…。
書き起こしお疲れ様です。
かんさいやさんにデイリーソースを流したのは僕ですw
一番きつかったのは、「他球団に入ってたらメジャー挑戦はなかったかもしれない」というとこかなぁ。
あと、「愛が欲しい」発言と甲子園の環境面はやっぱりリンクしてましたねぇ・・・。
残念なことに井川が言うようなピンチの時に罵声を飛ばす観客は、ここで選手に頑張ってもらおうという意識が欠如してるような気がします。
テレビの前で見てるんなら愚痴の一つぐらいは言いますが、ダイレクトに声が届く所にいるんですから。
独りよがりの観客は、きっとこれを読んでもなんとも思わないでしょう。そういうのが、また腹が立ちますね。
次の井川は、球団が決まった時の会見かな。
その時は、どういう表情してるんだろう・・・。
>なるほど、確かに「モヤッ」とするな…。
モヤッとボールを思い切り投げつけたい気分になるでしょ?
自分の次に批判にさらされる人が出ないよう、今話したんじゃないでしょうか?
メジャーへの憧れは高校時代からあったようですよ。そのときはきっとぼんやりしたものでしかなかったと思いますが...。
私もそこが一番ショックでしたねぇ。
嘘でも、「どこの球団であろうとメジャーに挑戦していた」と言って欲しかったです。
だって、私たちは井川の夢だと思うからこそメジャー挑戦を応援しようとしているのに、そんなこと言われたらどうしていいのかわかんないですよ...。
>テレビの前で見てるんなら愚痴の一つぐらいは言いますが、ダイレクトに声が届く所にいるんですから。
去年のインタビューで、井川が自分の両親には試合を見にきて欲しくないと話していたのでとても悲しくなりました。ヤジがすごいから親には聞かせたくないらしいです。
きっと私たちが考える以上に、本人にとってはものすごくつらかったんでしょうね。
なんかね~、とにかく複雑な気分です。
結局、井川にとっての阪神ファンって何だったんだろう...。
まさか読んだ?
まあ、それだけで答えてくれたかどうかは別として、びっくり。
回答出るの早すぎます。
「公式サイトも閉じないで更新してほしい」とも要望しました。
ほんま、あのメール「要望書」です(苦笑)
防波堤の必要のない阪神になってくれとは自サイトにも書きました。
私はもう泣かないでしょう。
次のステップに移ります。
少しは井川さんのおかげだと思う。
うちでも紹介しちゃいました。事後承諾でごめん!
「やることは簡単です。それ以上、上を目指さなくていいんだから。その上のリーグはないから、そこで1番になればいい。そこに向かって全力を尽くせばいいし、集中するだけです」
私はこの言葉が、井川くんらしくてすごく嬉しかったなぁ。
どうせなら、この時の表情写真にしてほしかった!
きっとムカつくほど生き生きしていただろうに!(笑)
こうなったら、お詫びは「今日のごはん」ブログを開設してもらうしかないですね
私は、球児の「井川さんは先輩というよりも同志」「つらい思いもたくさんしたんだから、その分、メジャーで発散させてほしい」っていうコメントが本当にうれしかった。去年、チームから浮いてるなんてSDに言われ、それが一番気になっていたので。
最終戦、神宮のファンからものすごい声援をもらって、これ以上ない笑顔で応える井川の姿を見て、彼を信じ応援してきた阪神ファンもたくさんいるんだってことを彼もきっとわかってくれていると私は信じたい。阪神での9年間を、岡田監督やチームメートの温かい心を、そしてどんな時も彼を応援してきた多くのファンの思いを本当に無駄にしないよう、これから石にかじりついてでもがんばってほしいです。
思いきり誹謗・中傷しておきながら愛情の裏返しだなんだと言い訳して、ひどいことをしているという自覚のない人が一番タチが悪いような気がします。
公式サイトはきっと続けてくれると思いますよ。
だってあれがなくなったら井川ファンはどうやって生きていけばいいんですか!!!(大げさ)
>防波堤の必要のない阪神になってくれとは自サイトにも書きました。
ホントにねぇ。。。どうなることやら。