独白

全くの独白

風邪の特効薬もインフルエンザには効かない

2016-12-27 15:18:04 | 日記
風邪もそれぞれが特徴を持って居るらしい。今度の風邪は咳は出るが熱は出ないとか、腹に来るが鼻水は出ないとか、喉は痛まないが関節が痛むとか聞く事がある。私の風邪はいつもフルコースであった。喉の痛みに始まる事が多い。痛むような気がした時には既に遅く、暖めてみても生姜やレモンや蜂蜜を飲んでも元には戻れない。涙と共にくしゃみ鼻水咳に熱が出て下痢もすれば関節も痛むし鼻も詰まる。一週間程四苦八苦して漸く、回復の兆しが見える。まず一旦収まっていた涙が又出始める。翌日にはそれがひっきりなしに出る、これが一番辛いが翌日には頻度が落ちその翌日にはほぼ完治する、毎回そういうパターンであった。ところが30年程前にそれが変わった。
当時の文部省が出していた登山の参考書にライナス・ポーリングという米国の学者の唱える説が載っていた。ヴィタミンC(確か一日の必須の量は0、3g弱)を日に1g飲んで居れば風邪の予防になり、惹いてしまったら3g呑めば良いというのである。3gは武田の錠剤では9錠に成る、必須量から推しても見掛け上も(一挙に飲んだ方がなんとなく効きそうな気がするので)爆飲と云って良かろう。幾らヴィタミン剤でも気に成るので一応主治医に聞いてみたが、「良いですよ」の言い方が軽過ぎてなんだか気になる。(三十年実践しているので大丈夫とは思うが、呑み出して数年立った頃10人程で山を歩いていた時に数人が風邪気味だと言うのでー-前日大雨に降られて濡れたりした所為であろうーー皆に勧めたところ飲んだ後でその場にあの特有の香ばしい匂いが立ち籠めたのはちょっと妙であった)
併し思い掛けない副次的な効果も有った。飲み始める十年程前に頬のにきびを思い切り潰した所ニキビでは無かった様で爾後小豆代の薄茶色の染みが残ってしまった。それが飲み始めて数年後に消えているのに気付いたのである。諦め切って、見ても居なかっただけに嬉しかった。
爆飲すると顔にほんのり赤味が差して身体と共に仄温かくなる。思うに熱がウィルスを攻撃するのであろう。ウィルスは微粒子である。幾ら熱が出ても微粒子を燃やす程ではあるまいし、もしそんな高熱が出たら体の方が持つまいと思うが、微粒子というのは便宜上の訳で、実は生物であるらしい。であれば或程度の熱で死滅する事もあろう。事実あれ程ひどかった私の風邪は爆飲をする様に成ってからは、二、三日で殆ど何の症状も無いまま直ってしまうように成り、後で本当に風邪だったのかなと思う位である。
ライナス・ポーリングという人は一人で二度ノーベル賞(化学賞と平和賞)を取ってしまうという傑物である。然れど此の特効薬もインフルエンザにはあまり効かず、以前程ひどくはないが一週間程苦しめられる。インフルエンザでも只の風邪でも万病の元であろうと無かろうと実に重い病気であって、一週間程で治ると経験上知って居るから凌げるようなものの、此の症状がもし一生続くと宣告されたとしたら、いっそ死んでしまいたいと思うかも知れない。