廃人キュウが好きすぎて生きるのがつらい

　廃人時代のキュウ。
　目は開いているがほぼ人事不省。
　食べない。喋らない。動かない。
　記憶も曖昧。

　そんなキュウゾウくんのにっき。

○月×日
　しらないおとこが「くえ」とにぎりめしをおいていく。
　おとこがなにをいっているのかわからないので、そのままにしておく。

○月×日
　おなじおとこがあらわれて、くっていないとおこる。

○月×日
　さいしょからおこっている。
「きょうはくうまでかえらぬからな」とまたおこる。

○月×日
　おとこのみているまえでにぎりめしをくう。
　くうとかえっていく。

○月×日
　にぎりめしがまたきた。
　くわないとかえらないのでくう。

○月×日
　ひさしぶりにかたなをにぎった。
　にぎりめしがおれをみるなり、ふろにはいれとわめく。

○月×日
　にぎりめしをくっていると、かたとあたまをかかえこまれた。
　あたまのうえにみずがふる。
　だれかのなをよばわり、うでのわをちぢめてくる。
　またあたまのうえにみずがふった。
　わけがわからない。

○月×日
　にぎりめしをくう。

○月×日
　にぎりめしをくう。

○月×日
　にぎりめしをくう。

○月×日
　おまえは、だれだ？


　キュウの自我が戻るまであと少し。


　愛のツッコミございましたら→