リベラルくずれの繰り言

時事問題について日ごろ感じているモヤモヤを投稿していこうと思います.

日米地位協定のために羽田空港の飛行ルートも制限されている

2019-02-01 | 政治
安倍政権による辺野古の埋め立て強行(過去ブログ)や、北方領土交渉でプーチン大統領が挙げた障害(過去ブログ)の背景にあることで日米地位協定が脚光を浴びているが、羽田空港を利用する飛行機の飛行ルートも地位協定のせいで制限されている(朝日新聞2019-1-30の図はわかりやすいが、注記されているように高さが誇張されている)。東京にある米軍の横田基地の周辺で上空(「横田空域」)の管制圏が米軍に握られている。基地上空といっても横田空域は東京・神奈川・埼玉など1都8県にも及ぶ広大な空域だ。羽田空港の発着数を増やすための新たな飛行ルートが検討されているが、現状では、天候や使用する滑走路にもよるらしいが、羽田への到着便がさいたま市や東京都練馬区付近で数分間横田空域にはいってしまう。着陸準備にはいっている段階での管制の引継ぎは思わぬ事故のもとになりかねないので、日本政府はその数分間の管制を日本側で行うことを求めているが、まだ調整中だという。
「横田空域」は地位協定でどのように規定されているのか。記事によると、日米地位協定には第6条で「すべての非軍用及び軍用の航空交通管理の体系は、緊密に協調して発達を図る」とあるだけで、具体的にはそれに基づく日米合同委員会の合意によって決まっているだけだという。これまで8回にわたって削減されてきた経緯があるというが、これだけ広範な管制権を他国に委ねている国はほかにないという。地位協定の改定は一朝一夕にはいかないだろうが、横田空域の若干の削減や数分間の管制権の委譲であれば「調整」はなんとかなるのではないだろうか。(羽田の陸側ルートだと騒音の問題もあると思うが、そのあたりをクリアするのは当然の前提として。)

関連記事:
「米軍の地位協定問題:ドイツは交渉で自主独立を獲得していた」
「米軍の地位協定:ドイツとイタリアの場合」
「日米地位協定:在日米軍への「治外法権」はアメリカの押しつけでなく国際法なのか?」

関連リンク:
「「首都圏の空」に占領の名残 五輪を機に…進まぬ交渉」(asahi.com


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