リベラルくずれの繰り言

時事問題について日ごろ感じているモヤモヤを投稿していこうと思います.

統計不正:官僚不正だったのが下手な工作により安倍政権のスキャンダルになった…はずだったが…

2019-03-03 | 政治
厚生労働省による毎月勤労統計の調査方法で、全数調査しなければならないところが一部のみの抽出調査になった問題(東京新聞)。賃金水準が高い大きな事業所が算入されずに失業手当や年金額が本来もらえるはずだった額より減るという実害も出て、不足分の給付のためにまた何百億円もの公金が支出される。
これはもともとは安倍政権よりはるか前(2004年よりも前)に始まった官僚による手抜きであって、民主党政権も含めて歴代政権も見抜けず、安倍政権の問題ではなかったはずだ。だが調査方法の修正に首相官邸が関与した疑惑が浮上し、野党はアベノミクスの効果を演出するための「アベノミクス偽装」ではないかと批判している。自政権の問題ではなかったのだから下手な介入せずに一切を公表して是正すればよかっただけのはずだが、アベノミクスを効果を示す数字が下がっては困るとでも思ったのだろう。小細工をしたり、いい加減な調査でお茶を濁したり、さらに調査に後ろ向きな姿勢を見せたりすることで、安倍政権のスキャンダル、あるいは少なくとも安倍政権への過剰な忖度という構図になってしまった。
安倍首相夫人の応援のおかげで国有地の払い下げが大幅値下げされた森友問題や、新設する獣医学部の選定に関して安倍首相の友人が優遇された加計問題もそうなのだが、きちんと調査して潔白を証明するのではなく、鍵を握る人物の調査や喚問を拒むことで、「何かある」という印象は決定的になってしまった。
国会で野党も問題を追及したが、政府の支持率は下がらない。政府幹部は早い段階で「統計問題は専門的で支持率に響かない」と判断したようで(朝日新聞2019-3-2)、まさにその読みが当たったようだ。しかも、政府は、事実上の「空母」導入を含む防衛大綱の改定が問題になることを恐れていたが、クローズアップされずに胸をなでおろしているという。このたび新年度予算案が衆院を通過し参院に送付され、参院で可決されなくても自動成立する期限に間に合った。消費増税対策を名目としたばらまきなど、問題点は多かったはずなのだが、みな素通りになってしまった。
残念ながら統計問題に集中しすぎた野党の負けだ。アベノミクス「偽装」は問題ではあるのだが(勤労統計ではないが過去ブログで紹介した例などあまりにひどい)、安倍首相が誇る数字が事実であったとしても、国民が好景気を実感していないことは明らかだったので、ばらまき予算について、もっと厳しく追及するべきだった。


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