日々雑感  ~ 青亀恵一

日々感じたことをこのページで。 別ブログ「美代ちゃんのらっきょう畑で」もよろしく・・・リンクフリー

官僚に任せると骨抜き ?

2006-12-23 09:07:39 | 教育
官僚に任せると骨抜き ?

個人的には、教育再生会議に、期待している。
1月に中間報告を出す予定で、まとめに入っているが、
各委員会ら異議が続出している。

(朝日新聞記事によると)

学力問題や規範意識を重視する内容だが、教育委員会の見直しや不通格教員の排除などの具体策はほとんど盛られていない。
有識者委員は「事務局主導で、我々の意見が反映されていない」と強く反発。
来年1月の報告に向けたとりまとめは難航しそうで、首相の指導力がここでも問われている。

具体的内容としては、新聞や報道を総括すると次のようである。

■ いじめ問題
(委員の意見では)
問題を起こした児童生徒に対する対応
放置した教師の責任

(事務局案では)
指導や処分を明記せず


■ ゆとり教育
(委員の意見では)
ゆとり教育は見直す

(事務局案では)
教育内容を充実し、授業時数を増加
しかし、詰め込み教育に逆戻りさせない


■ 教育委員会
(委員の意見では)
教育委員に保護者代表を任命する
教育長は教職経験者に偏らせない
地域住民や議会がチェック
評価・監査機関の設置

(事務局案では)
今後の検討課題のページに
情報公開に取り組む


■ 教員免許更新制度
(委員の意見では)
文科省の免許更新制だけでは不十分との意見が大半
有効期間は10年
資質がないものは、失効

(事務局案では)
導入する必要がある
不適格教員排除の具体策は盛り込まれなかった



有識者委員の感想では、(朝日新聞記事記事より)

■ 浅利慶太(劇団四季代表)
「ヒトラーのようだ」  
事務局の案と委員の言っていることが全然違う。
みんなが反対した。
事務局から緘口令が出ている。
今の時代、マスコミにオープンにしなくちゃいけないのに。

■ 渡辺美樹(ワタミ社長)
「何らかの意図がある」
大学の9月入学はほぼ全員が賛成しているのに、一切触れていない。
これはおかしい。
我々は提案する存在なのに、我々の提案がボコボコ削られていく。
反対意見が続出し、全部もめた。
(原案は)おそらく何らかの意図がありながら事務局がつくったと思う。

■ 中嶋嶺雄(国際教養大学長)
「何のための会議か」 
僕は「骨太の意見を出した方がいいんじゃないか」と言った。
事務的な文章になってしまっている。
何のための教育再生会議か。
国会対策とか自民党文教族に遠慮するとか、あるんでしょ。

■ 海老名香葉子(エッセイスト) 
「親の問題、一言もない」
まだまだ議論の余地がある。
子供の教育以前に親が子育てについてもっとしっかりしないと。
まずは親の問題だ。
それが一言も入っていないから「入れてほしい」と発言した。

■ 小野元之(元文部科学事務次官)
「丸くなるのは仕方ない」
「メッセージを明確にすべきだ」
「ゆとり教育を見直すべきだ」と言った。
了承とまで言えない。
みんなの意見をまとめると、ある程度丸くなるのは仕方がない。


事務局の反論は、
大半の委員が賛同した「教員の量の確保」も、
「予算の裏付けがない」と事務局が難色を示した。

第1次報告の素案や原案は、各委員の発言をもとに事務局がたたき台をつくり、主査や副主査が運営委員会で意見を言い、事務局が書き直す-を繰り返し、最終的には事務局がまとめた。

事務局は、「立派な作文をしても、実現しなくては意味がない」という態度だ。
事務局はトップの担当室長にヤンキー先生の義家弘介氏が抜擢されたものの、実態は政策決定過程を熟知する官僚出身者が仕切る。
教育改革には、文教族や文科相の諮問機関の中央教育審議会、規制改革・民間開放推進会議などが絡むため、どうしても慎重になりがちだ。
伊吹文科相も21日、「皆さんがおっしゃったことを国会に出すかはまず行政の判断がある。その上で立法の判断がある」とクギを刺している。

ことあるごとに与党の会議や大物文教族を回る山谷えり子首相補佐官は「再生会議と与党とどちらを向いているのか」(委員の一人)と不信感も買っており、首相が揚げる官邸主導が機能しているとは言えない状況だ。

というのが記事の内容だ。



ここでも、官僚が「アリバイづくり」を始めている。

予算の措置が・・・・
みんなの意見をまとめると、丸くなるのは仕方がない・・・・

などの理由であるが、
実態としては、向いている方向が、
子どもの教育ではなくて、
文教族や文科相の各諮問機関や文科省官僚の立場を考え、
誰もが嫌といえない、丸くて丸い報告書にしようとしているように見える。

目的は何か。

それが忘れられている。

一番いい方法は、浅利慶太(劇団四季代表)の意見だ。
すべての会議をオープンに進めることが第一。

秘密会では、このような各委員の意見が埋没される。

前述の各委員の意見と事務局の内容とでは、
雲泥の差である。

裁量の余地を残すように報告書をまとめるのが官僚の方針であろうが、
今の時代は、より具体的に示すことが必要である。

「総論賛成、各論反対」の落としどころが、
そのような概論的報告書であり、
実態として、そのような報告書は、意味を成さないし、
運用する者の意志で、どのようにも解釈され、
実態として、それが具現化することは難しい。

各委員に異論は、あっても、
具体的な内容を提起すべきである。

例えば、意見が2分した場合は、
その2分した意見と氏名を明記するくらいの報告書を期待したい。

大きな試練が、1月にやってくる。

楽しみにしたい。






最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。