民度が低いと国家は自壊する
“シーチン”修一
【雀庵の「大戦序章」337/通算768 2024(令和6)年9/17/火】9/15は「老人の日」、9/16は「敬老の日」・・・今の日本は何が何だか分からないことが多過ぎる。「民度が高いのか、低いのか? 賢明なのか暗愚なのか?」、日本国民はこうあるべきだという伝統的な規範が敗戦後に米国GHQにより消されてしまったから、今や日本はテンデンバラバラ、ライオンからネズミまでなんでもござれの「自由という無秩序の動物園」みたいだ。その時々の好悪や気分で動く人々はまるで蛮族のようで、カネ次第で何をするか分かったものではない。マキアベッリ曰く「自由はないが秩序のある国、自由はあるが秩序のない国。戦争では前者が勝つ!」。行き過ぎた自由は伝統や秩序を破壊するから警戒を怠らずに気を付けなさいということだ。
小生が尊敬している杉山大志氏(キヤノングローバル戦略研究所研究主幹)の産経2024/9/13「正論 新政権は脱炭素と再エネ見直せ」は大いに勉強になった。以下転載。
<我が国のエネルギー政策は、菅義偉政権が2050年CO2ゼロを宣言、岸田文雄政権がその法制化を進めたことで脱炭素が最重要課題となり、安全保障と経済が無視されている。これは日本の平和と自由を危うくする。自民党総裁選がスタートしたが、新政権誕生を機に抜本的な見直しが必要だ。
◎台湾有事のエネルギー: 中国が台湾を海上封鎖する、あるいは軍事的な攻撃をするとどうなるか。米軍が介入しない限り台湾は敗れる。介入すると、日本の基地が利用され、それは中国の攻撃対象になる。「台湾有事は日本有事」と呼ばれる所以(ゆえん)である。中国はまずは日本を威嚇する。それでも戦端が開かれると、日本のアキレス腱であるエネルギーを狙う。
近年の戦争で、エネルギーは攻撃対象になっている。ミサイルとドローンでロシアはウクライナの発電所の多くを破壊した。欧州の輸送船は紅海でイエメンの反政府勢力フーシ派に攻撃され、遠く喜望峰への迂回を強いられている。
ロシアが使用するイラン製ドローンは射程が2千キロを超える。つまり中国沿岸から日本全土が射程に入る。有事には日本のエネルギーインフラも、入港するタンカーも攻撃対象になる。
だが日本の備えは貧弱だ。合計で発電の7割を占める石炭と天然ガスの国内在庫は石炭が1カ月分、天然ガスが半月分しかない。石油は官民合わせ200日以上の備蓄があるが、攻撃に対する備えは乏しい。タンカーをドローンで威嚇され海上封鎖されれば、日本は3カ月も持たずにエネルギーが底を突き屈服するのではないか。
中国としては台湾統一を短期間で済ますことが重要になる。それを世界に既成事実として認めさせ、早々に国際社会に復帰することを目論む。長期化すれば中国経済への打撃は甚大になり、国内不安が増大する。
だからこそ日本としては「短期間で屈服しない備え」が必要だ。エネルギーはその要だ。防衛力の強化に加え、平時からエネルギーインフラに万全の投資をする。燃料は十分に備蓄した上で、米国からのガス購入の長期契約等、有事でも調達が安定する仕掛けが必要だ。
◎化石燃料を敵視する愚: いまなお化石燃料は日本の最大のエネルギー源であり全体の8割を超える。今後数年で大きく変わることなどない。この安定調達こそがエネルギー政策の最重要課題である。だがいま政府は脱炭素を強行し、化石燃料への規制や税を強化する一方だ。
このため化石燃料利用の上流では、事業者は資源の開発を行わず、また権益を海外に譲渡している。安定調達に必要な長期契約も締結しない。下流では、火力発電所の維持に必要な補修をせず、閉鎖が相次ぐ。このため毎年のように節電要請が出る始末だ。
エネルギーについては経済性も重要だ。安価で安定したエネルギーは製造業に必須である。それが経済成長を生み、防衛力の基盤ともなる。このためには、原子力の再稼働はもちろんのこと、火力、就中(なかんずく)、最も安価な石炭火力の活用が柱となる。政府は「化石燃料を敵視する愚かな政策」をやめるべきだ。
再エネが最も安いというのは完全な噓である。大量導入したドイツは電気代の高騰に苦しんでおり産業は大脱出をしている。日本でも「再エネ最優先」政策によって太陽光発電が大量導入され、再エネ賦課金によって電気代が高騰した。
そしていま政府が進めるグリーントランスフォーメーション(GX)では、10年間で150兆円、即ち毎年のGDPの3%を洋上風力や水素などに投資するとしている。だがこれもまた太陽光発電同様に、高コストな技術の強引な導入であり、更に光熱費を押し上げる。これでは足下で進行している産業空洞化はますます加速する。
◎官邸は死活的国益を護れ: 政府は2050年CO2ゼロは国際的約束だという。だが最大の排出国の中国は石炭火力の建設ラッシュである。インドなどグローバルサウスもG7の脱炭素お説教には従わない。ロシアの経済は石油とガスで成り立つが、無論採掘を止めるはずがない。米国のバイデン政権は脱炭素に熱心だったが、実態は石油・ガスを大増産して世界最大の生産国となった。トランプ政権になれば米国共和党は脱炭素政策を全て覆す。
そしてCO2を減らしても恩恵は無い。災害激甚化など統計を見れば噓と分かる。また日本がCO2をゼロにしても気温低下はせいぜい0.006度に過ぎない。
日本の死活的国益は何か。中国の脅威から、平和と自由を護ることだ。CO2などではない。安全保障と経済成長のためのエネルギー政策こそが必要だ。
かつて資源エネルギー庁は石油ショックの時代にエネルギー安定供給のために設立された。だがいまは脱炭素のためとして、エネルギー安定供給を破壊する先兵になってしまった。これを強いたのは菅・岸田政権の罪である。これを正すことが新政権の使命だ。(すぎやま たいし)>以上
・・・・・・・・・・・
「菅・岸田政権はエネルギー安定供給を破壊する先兵になってしまった」というのは凄い。杉山先生は相当怒っている。菅・岸田はどういうオツムの方なのか?
菅義偉を小生は「すがぎい」と思っていたが「すがよしひで」だった。安倍政権で広報を担当し、その後、総理大臣になったもののたった1年で辞任し、総理大臣の仕事は非常にハードで、余程タフでないともたないのだろうと小生は同情したものである。WIKIにはこうあった。
<菅義偉内閣は2020年(令和2年)9月16日から2021年(令和3年)10月4日まで続いた。 自由民主党総裁の安倍晋三の辞意表明に伴って実施された総裁選挙において菅が第26代総裁に選出された。これを受け、第4次安倍第2次改造内閣が総辞職したことにより、その後継政権として成立した・・・
2021年8月26日には前回の総裁選で菅に敗れた岸田文雄が総裁選出馬を表明し、岸田はこの中で党役員任期を「1期1年・連続3期」までとする党改革案を打ち出した。これに対し菅は30日には9月中に幹事長の二階俊博を含む党役員人事の更新を行う方針を固め、31日には9月中旬に衆議院を解散し、総裁選を先送りする案も選択肢との考えを二階に伝えた。
しかし、これらの方針は党内から強い反発を招き、2021年9月1日には衆議院解散による総裁選の先送りをしない方針を表明。党役員人事についても菅は9月2日に安倍晋三前首相、麻生太郎副総理兼財務相らに協力を打診したが拒否されたことにより、党運営に行き詰った菅は9月3日に次期総裁選には立候補しない意向を表明。9月30日、任期満了を迎え、菅は自由民主党総裁を退任した。
10月4日午前、菅は臨時閣議に於いて、閣僚らの辞表を取りまとめて総辞職した。在任期間は384日。菅の任期満了に伴って施行された2021年自由民主党総裁選挙に於いて岸田文雄が第27代総裁に選出されたことを受け、後継政権として第100代内閣総理大臣に岸田が就任し第1次岸田内閣が成立した>
要は、菅はたった1年で派閥抗争で「引きずり降ろされた」のだが、選挙戦で勝てるなどの派手さがないなど党員の期待に応えられなかったわけだろう。
<岸田文雄は自由民主党所属の衆議院議員(10期)、内閣総理大臣(第100代・第101代)、自由民主党総裁(第27代)。
2021年9月29日、自民党総裁選の投票が行われ、1回目の投票で岸田はトップの256票を獲得したが、有効投票数の過半数に届かなかったため河野太郎との決選投票が行われることになった。決選投票では、岸田は257票を獲得して河野(170票)を破り、第27代総裁に選出された>
それにしても岸田総理は派閥が嫌いなようである。「3人いれば派閥ができる」と言うが、どんな職場でも気の合う人と仲良しクラブを創るものだ。自民党はそういう仲良しクラブ=派閥が合従連衡して発足した政党である。岸田総理は「派閥は諸悪の根源、政党は一枚岩であるべきだ」と思っているよう。まるで中露北のような異端を容赦しない共産主義独裁国家みたいだ。
産経2024/1/18 「自民党岸田派解散へ 昨年12月まで首相が会長 安倍派も検討」から。
<岸田文雄首相は18日、自らが率いた同党岸田派(宏池会)の解散を検討していることを明らかにした。政治団体の届け出を取り下げ、派閥事務所も閉鎖する方針だ。自民の派閥のパーティー収入不記載事件に世論の反発が広がる中、岸田派を率先して解散することで派閥解消の流れを加速させたい考えだ。最大派閥・安倍派(清和政策研究会)も解散の検討に入った。
首相は官邸で記者団に「(岸田派の)解散を検討している。政治の信頼回復に資するものであれば、そうしたことも考えなければならない」と述べた。他派閥に対して同様の対応を求めるかは言及しなかった。
派閥解消に向けては、無派閥の菅義偉前首相が意欲的な姿勢を示す一方、麻生派(志公会)会長の麻生太郎副総裁、茂木派(平成研究会)会長の茂木敏充幹事長らは否定的とされる。だが、政権幹部は「首相は派閥解消に並々ならぬ覚悟だ」と話した。
パーティー収入不記載事件を巡っては、収入の一部を政治資金収支報告書に記載していなかったとして、東京地検特捜部が政治資金規正法違反(虚偽記入)の疑いで、岸田派の元会計責任者らを捜査している。
一方、安倍派幹部は18日、同派の対応について「派閥解散の可能性は強まった」と述べた>
党内には色々な議論があっていい。議論を党員に公開して是非を問うことも大事ではないか。それがなければ上意下達の中露朝のような独裁国家だ。独裁国家は「党内幹部会で決まったことだから従え」と有無を言わせないどころか、反対意見を述べただけで要職から確実に追放されるから、イエスマンばかりになり、自浄作用がまったく機能しなくなる。ソ連の末期はその典型で、やがて経済はボロボロになり、エリート党員さえも腹を空かして四苦八苦するまでになり、結局自滅した。習近平独裁の中共、プーチン独裁のロシア、軍独裁の金正恩・北朝鮮も自壊するだろう。
党内に派閥があることは悪いことではない。喧々諤々で議論を重ねて国家・国民のための政策を進めれば良い。私利私欲、党利党略に流れないように国民はしっかり監視すべきだ。もっとも民度が低いと話にならないが・・・
・・・・・・・
*読者諸兄の皆さま、御意見を! ishiifam@minos.ocn.ne.jp
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渡部亮次郎 「頂門の一針」<ryochan@polka.plala.or.jp>
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【雀庵の「大戦序章」337/通算768 2024(令和6)年9/17/火】9/15は「老人の日」、9/16は「敬老の日」・・・今の日本は何が何だか分からないことが多過ぎる。「民度が高いのか、低いのか? 賢明なのか暗愚なのか?」、日本国民はこうあるべきだという伝統的な規範が敗戦後に米国GHQにより消されてしまったから、今や日本はテンデンバラバラ、ライオンからネズミまでなんでもござれの「自由という無秩序の動物園」みたいだ。その時々の好悪や気分で動く人々はまるで蛮族のようで、カネ次第で何をするか分かったものではない。マキアベッリ曰く「自由はないが秩序のある国、自由はあるが秩序のない国。戦争では前者が勝つ!」。行き過ぎた自由は伝統や秩序を破壊するから警戒を怠らずに気を付けなさいということだ。
小生が尊敬している杉山大志氏(キヤノングローバル戦略研究所研究主幹)の産経2024/9/13「正論 新政権は脱炭素と再エネ見直せ」は大いに勉強になった。以下転載。
<我が国のエネルギー政策は、菅義偉政権が2050年CO2ゼロを宣言、岸田文雄政権がその法制化を進めたことで脱炭素が最重要課題となり、安全保障と経済が無視されている。これは日本の平和と自由を危うくする。自民党総裁選がスタートしたが、新政権誕生を機に抜本的な見直しが必要だ。
◎台湾有事のエネルギー: 中国が台湾を海上封鎖する、あるいは軍事的な攻撃をするとどうなるか。米軍が介入しない限り台湾は敗れる。介入すると、日本の基地が利用され、それは中国の攻撃対象になる。「台湾有事は日本有事」と呼ばれる所以(ゆえん)である。中国はまずは日本を威嚇する。それでも戦端が開かれると、日本のアキレス腱であるエネルギーを狙う。
近年の戦争で、エネルギーは攻撃対象になっている。ミサイルとドローンでロシアはウクライナの発電所の多くを破壊した。欧州の輸送船は紅海でイエメンの反政府勢力フーシ派に攻撃され、遠く喜望峰への迂回を強いられている。
ロシアが使用するイラン製ドローンは射程が2千キロを超える。つまり中国沿岸から日本全土が射程に入る。有事には日本のエネルギーインフラも、入港するタンカーも攻撃対象になる。
だが日本の備えは貧弱だ。合計で発電の7割を占める石炭と天然ガスの国内在庫は石炭が1カ月分、天然ガスが半月分しかない。石油は官民合わせ200日以上の備蓄があるが、攻撃に対する備えは乏しい。タンカーをドローンで威嚇され海上封鎖されれば、日本は3カ月も持たずにエネルギーが底を突き屈服するのではないか。
中国としては台湾統一を短期間で済ますことが重要になる。それを世界に既成事実として認めさせ、早々に国際社会に復帰することを目論む。長期化すれば中国経済への打撃は甚大になり、国内不安が増大する。
だからこそ日本としては「短期間で屈服しない備え」が必要だ。エネルギーはその要だ。防衛力の強化に加え、平時からエネルギーインフラに万全の投資をする。燃料は十分に備蓄した上で、米国からのガス購入の長期契約等、有事でも調達が安定する仕掛けが必要だ。
◎化石燃料を敵視する愚: いまなお化石燃料は日本の最大のエネルギー源であり全体の8割を超える。今後数年で大きく変わることなどない。この安定調達こそがエネルギー政策の最重要課題である。だがいま政府は脱炭素を強行し、化石燃料への規制や税を強化する一方だ。
このため化石燃料利用の上流では、事業者は資源の開発を行わず、また権益を海外に譲渡している。安定調達に必要な長期契約も締結しない。下流では、火力発電所の維持に必要な補修をせず、閉鎖が相次ぐ。このため毎年のように節電要請が出る始末だ。
エネルギーについては経済性も重要だ。安価で安定したエネルギーは製造業に必須である。それが経済成長を生み、防衛力の基盤ともなる。このためには、原子力の再稼働はもちろんのこと、火力、就中(なかんずく)、最も安価な石炭火力の活用が柱となる。政府は「化石燃料を敵視する愚かな政策」をやめるべきだ。
再エネが最も安いというのは完全な噓である。大量導入したドイツは電気代の高騰に苦しんでおり産業は大脱出をしている。日本でも「再エネ最優先」政策によって太陽光発電が大量導入され、再エネ賦課金によって電気代が高騰した。
そしていま政府が進めるグリーントランスフォーメーション(GX)では、10年間で150兆円、即ち毎年のGDPの3%を洋上風力や水素などに投資するとしている。だがこれもまた太陽光発電同様に、高コストな技術の強引な導入であり、更に光熱費を押し上げる。これでは足下で進行している産業空洞化はますます加速する。
◎官邸は死活的国益を護れ: 政府は2050年CO2ゼロは国際的約束だという。だが最大の排出国の中国は石炭火力の建設ラッシュである。インドなどグローバルサウスもG7の脱炭素お説教には従わない。ロシアの経済は石油とガスで成り立つが、無論採掘を止めるはずがない。米国のバイデン政権は脱炭素に熱心だったが、実態は石油・ガスを大増産して世界最大の生産国となった。トランプ政権になれば米国共和党は脱炭素政策を全て覆す。
そしてCO2を減らしても恩恵は無い。災害激甚化など統計を見れば噓と分かる。また日本がCO2をゼロにしても気温低下はせいぜい0.006度に過ぎない。
日本の死活的国益は何か。中国の脅威から、平和と自由を護ることだ。CO2などではない。安全保障と経済成長のためのエネルギー政策こそが必要だ。
かつて資源エネルギー庁は石油ショックの時代にエネルギー安定供給のために設立された。だがいまは脱炭素のためとして、エネルギー安定供給を破壊する先兵になってしまった。これを強いたのは菅・岸田政権の罪である。これを正すことが新政権の使命だ。(すぎやま たいし)>以上
・・・・・・・・・・・
「菅・岸田政権はエネルギー安定供給を破壊する先兵になってしまった」というのは凄い。杉山先生は相当怒っている。菅・岸田はどういうオツムの方なのか?
菅義偉を小生は「すがぎい」と思っていたが「すがよしひで」だった。安倍政権で広報を担当し、その後、総理大臣になったもののたった1年で辞任し、総理大臣の仕事は非常にハードで、余程タフでないともたないのだろうと小生は同情したものである。WIKIにはこうあった。
<菅義偉内閣は2020年(令和2年)9月16日から2021年(令和3年)10月4日まで続いた。 自由民主党総裁の安倍晋三の辞意表明に伴って実施された総裁選挙において菅が第26代総裁に選出された。これを受け、第4次安倍第2次改造内閣が総辞職したことにより、その後継政権として成立した・・・
2021年8月26日には前回の総裁選で菅に敗れた岸田文雄が総裁選出馬を表明し、岸田はこの中で党役員任期を「1期1年・連続3期」までとする党改革案を打ち出した。これに対し菅は30日には9月中に幹事長の二階俊博を含む党役員人事の更新を行う方針を固め、31日には9月中旬に衆議院を解散し、総裁選を先送りする案も選択肢との考えを二階に伝えた。
しかし、これらの方針は党内から強い反発を招き、2021年9月1日には衆議院解散による総裁選の先送りをしない方針を表明。党役員人事についても菅は9月2日に安倍晋三前首相、麻生太郎副総理兼財務相らに協力を打診したが拒否されたことにより、党運営に行き詰った菅は9月3日に次期総裁選には立候補しない意向を表明。9月30日、任期満了を迎え、菅は自由民主党総裁を退任した。
10月4日午前、菅は臨時閣議に於いて、閣僚らの辞表を取りまとめて総辞職した。在任期間は384日。菅の任期満了に伴って施行された2021年自由民主党総裁選挙に於いて岸田文雄が第27代総裁に選出されたことを受け、後継政権として第100代内閣総理大臣に岸田が就任し第1次岸田内閣が成立した>
要は、菅はたった1年で派閥抗争で「引きずり降ろされた」のだが、選挙戦で勝てるなどの派手さがないなど党員の期待に応えられなかったわけだろう。
<岸田文雄は自由民主党所属の衆議院議員(10期)、内閣総理大臣(第100代・第101代)、自由民主党総裁(第27代)。
2021年9月29日、自民党総裁選の投票が行われ、1回目の投票で岸田はトップの256票を獲得したが、有効投票数の過半数に届かなかったため河野太郎との決選投票が行われることになった。決選投票では、岸田は257票を獲得して河野(170票)を破り、第27代総裁に選出された>
それにしても岸田総理は派閥が嫌いなようである。「3人いれば派閥ができる」と言うが、どんな職場でも気の合う人と仲良しクラブを創るものだ。自民党はそういう仲良しクラブ=派閥が合従連衡して発足した政党である。岸田総理は「派閥は諸悪の根源、政党は一枚岩であるべきだ」と思っているよう。まるで中露北のような異端を容赦しない共産主義独裁国家みたいだ。
産経2024/1/18 「自民党岸田派解散へ 昨年12月まで首相が会長 安倍派も検討」から。
<岸田文雄首相は18日、自らが率いた同党岸田派(宏池会)の解散を検討していることを明らかにした。政治団体の届け出を取り下げ、派閥事務所も閉鎖する方針だ。自民の派閥のパーティー収入不記載事件に世論の反発が広がる中、岸田派を率先して解散することで派閥解消の流れを加速させたい考えだ。最大派閥・安倍派(清和政策研究会)も解散の検討に入った。
首相は官邸で記者団に「(岸田派の)解散を検討している。政治の信頼回復に資するものであれば、そうしたことも考えなければならない」と述べた。他派閥に対して同様の対応を求めるかは言及しなかった。
派閥解消に向けては、無派閥の菅義偉前首相が意欲的な姿勢を示す一方、麻生派(志公会)会長の麻生太郎副総裁、茂木派(平成研究会)会長の茂木敏充幹事長らは否定的とされる。だが、政権幹部は「首相は派閥解消に並々ならぬ覚悟だ」と話した。
パーティー収入不記載事件を巡っては、収入の一部を政治資金収支報告書に記載していなかったとして、東京地検特捜部が政治資金規正法違反(虚偽記入)の疑いで、岸田派の元会計責任者らを捜査している。
一方、安倍派幹部は18日、同派の対応について「派閥解散の可能性は強まった」と述べた>
党内には色々な議論があっていい。議論を党員に公開して是非を問うことも大事ではないか。それがなければ上意下達の中露朝のような独裁国家だ。独裁国家は「党内幹部会で決まったことだから従え」と有無を言わせないどころか、反対意見を述べただけで要職から確実に追放されるから、イエスマンばかりになり、自浄作用がまったく機能しなくなる。ソ連の末期はその典型で、やがて経済はボロボロになり、エリート党員さえも腹を空かして四苦八苦するまでになり、結局自滅した。習近平独裁の中共、プーチン独裁のロシア、軍独裁の金正恩・北朝鮮も自壊するだろう。
党内に派閥があることは悪いことではない。喧々諤々で議論を重ねて国家・国民のための政策を進めれば良い。私利私欲、党利党略に流れないように国民はしっかり監視すべきだ。もっとも民度が低いと話にならないが・・・
・・・・・・・
*読者諸兄の皆さま、御意見を! ishiifam@minos.ocn.ne.jp
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
小生の記事は以下でもお読みいただけます。
渡部亮次郎 「頂門の一針」<ryochan@polka.plala.or.jp>
必殺クロスカウンター https://www.mag2.com/m/0001690154.html
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